やはり、遠目から見ていてもずっと事態は、変わらない。
探る事は此処に来る本懐ではなかった。
けれど、前に此処を訪れ、剣を取り続けた目的ではあった。
正直な処、武器を繰ってみた感想で云えば、それほど危険ではないのかもしれない、とも思う。
確かに邪悪ではあると思うし、持てる力も危険なものだと思う。

しかし、――主観的なものかもしれないけれど。

あれの本質は、ぼくらと同じと云っても、いい気がする。

力を求めて、焦がれて、突き詰めて究めていくことに、どれだけの差があるだろうか。

――とはいえ。
それは此方の抱いている、都合の良い期待でしかないかもしれない。

だから、言葉をぶつけて試みてみよう。

「‥ということで、ちょっと危ない橋を叩いてこようと思う」

相棒は、『頭が固かった』ころから聡明ではあった。
今ならば――なおさら、深く‥いや。追求してくる事もないだろう。

‥まあ、説明するのも面倒くさくはあるのだが。
こういう処を利用しようとする処は、我ながら狡いかな、と思わなくもない。

頭が固かった相棒は。
どちらかと云うと今は、心配性のようだし。