周囲を無事に守り帰還した、マーティとシェリー。

幸いにして、手強い相手には遭遇せずに済んだとはいえ、
何かが起こりつつある気配が、迫りくる事態に備え、
機体の調整をおこないつつ、状況の整理を試みていた。



「でもまあ、こんな調子で行くんだろうねえ。」
少し振り返るように、そんな言葉をつぶやくマーティ。

過去に足を踏み入れていた領域よりも、困難の多かったこの場所。
機体の調整のために舞い戻る場所も、以前と比べると安定に欠け、
加えて機体は改装も順調とはとても呼べない状況に置かれてはいたが、
辛うじて形も見えつつある程度には、この領域での活動に慣れてはきていた。

それを思い出し、進む道を言葉にしつつも、
これまで得てきた様々な断片からは、おそらく何かが起きるであろうこと、
迫りくるであろう出来事を踏まえた上で、あえてこぼす言葉であった。



「行ってみたいところ、いつか、とどくといいわね。」
ちゃんと、つたわってるって、言ってみたくなっちゃった、シェリー。

なにかがあっても、しっかり進んでいけるって、
そんな気持ちをつたえたくて、振り向いてくれているのは、わかるから。

みちが、かわっても、
かわらなくても、すすんでいける。
だから、いっしょにいれば、どんなときでも大丈夫。
そんな気持ちにさせてもらえてるのかな？



みたび、来るであろう“何か”に備えるには不十分にしても、
無事に駆け抜けていけるように、ふたりの乗る場所を整えなおしながら、
時間は少しずつ、刻まれ始めていた・・・