ENo.0615　シシリー・M・W

　白いものと言えばなんだろう。
　雪。
　雲。
　霧。
　乳。
　餅。
　豆腐。
　塩。
　歯。
　ハツカネズミ。
　骨。
　光。
　紙。
　赤ん坊の記憶。
　おろしたてのシャツ。



　本当に？
　それらは本当に白いだろうか？
　白いと思っていたけれど、実は他の色が混じっていたりするんじゃないか。
　或いは、逆に。
　既に色がついているから白いものではないと思っていた何かが、実は白いはずのものだったりとかしないか。
　雲にも、白くない暗雲がある。
　白くないピンクソルトも、塩である。
　そんな風に。



　シリーマウスには記憶がある。
　体がある。
　熱がある。
　色がある。
　でも本当に命があるのだろうか。歴史があるのだろうか。
　おろしたてのシャツではないと言い切れるか？

残像領域のある場所。
ある都市のうちのひとつ、霧都市。

都市のはずれ、その中にひとつ、霧の中でぼんやりと明かりが灯っている建物が見える。

霧と混じる工房の煙。
ここは、ダガー工房。
ハイドラのためのダガーを造るための人々が集う場所。
硬質ダガーに魅せられた人々が集う場所。

今日もダガーの職人、技術者、お客、全然関係ない人。
いろいろな人物がいろいろな目的で集まっている。

その様子を工房の片隅で、
無口なバーテンが笑顔で見ている。


※説明
・ダガーユニオン
・【訓練】格闘*5　【購入】経験値+1
・雰囲気ユニオン
・片隅にショットバー