ENo.0649　アキラ・ハリアエトゥス

[戦闘記録:0015:1028:0900]

「あー、あー。マイクテス。……録音できてるか？よし」
「霜の巨人は沈黙、崩壊した。戦いは俺たち連合部隊の勝利というわけだ」

「……それとほぼ同時に霧濃度が低下、計器は今濃度3%を指してる」
「ただこの計器は前から壊れかけてて誤差が5%近く出る。……体感で補正を入れると、おそらく0%だ」
「視界が通ってる。地平線までなんの障害もなく見通せるんだ」

「ああいや、なんの障害もなくっていうのは語弊があった」
「霧の外側、地平線の彼方には敵が居た」
「正体は不明。あれを残像だと呼ぶやつも居たが……もっとおぞましいように見える」
「上からだと比較的よく見える。大地を埋め尽くすほどの軍勢が領域を埋め尽くすほどに迫ってくる」


「……機体表面の温度が上昇していると警告が鳴り始めた。噴霧して冷却しつつもう少し偵察する」
「霧は、この残像領域を包み隠していた霧は、綺麗さっぱり消えてしまった」
「今“パンディオン”が飛んでいるのは、俺の世界でも見ることができなかったほどの美しい青い空」
「久しぶりの陽の光を懐かしみたいところではあるが……正直、不気味だ」
「ふと思ったんだが、この領域で生まれ育った人間にとってはかなり厳しい環境でもあるのではないだろうか」

「俺はもともとスモッグで曇りがちとは言え、日光の差す世界からやってきた」
「だが、この領域しか知らない人間からすればこれは天変地異にも等しいのでは……」
「……そういえば僚機…ジュネリア・ハーヴェスト。彼はここの出身なのだろうか」

「降りたら聞いてみるのもいいのかもしれない」
「──すぐに、また戦いが始まるのだろうから」

ユニオンに加入していたほうがいい、と聞いたアキラ・ハリアエトゥスが設立したユニオン。
正式に届け出は出しているがメンバーは一人であり、いわゆるペーパーユニオンである。

加入希望者は一応募集しているが予定はない。