瞬断されていた感覚は、戻ってくる時もまた瞬間的に。

この身体になってまだ数日ではあるが、この感覚には暫く慣れることはないだろう。
意識の首根っこを鷲掴みにされた挙げ句、狂気と無意識の狭間に頭から叩きつけられるようにして意識を失うのだ。
例え痛みには慣れている私達であっても、心地好く感じることは難しい。

そして、醒めて直ぐに彼が疲れていることが解った。
計器の示す値からの解釈ではなく、彼の胎内に住まう私達だからこそ解るこの感覚をどのように表現すべきか。
私達は彼の状態を自身の疲労のように感じているため、そう表した。
どうやら、実験対象かつ仇のような相手を見つけた博士によって、また実験に付き合わされたのだろう。

依然として博士の狂気は一切の衰えを見せず、彼を良き媒体として、私達と共に此処に在る。

便乗した私達が言うことではないが、その持続力には驚きを隠せない。
博士の魂の強さとオリハソツカの性能が相まった1つの結果ではあると思うが、人がこの領域に至ることができたのは、一重に博士の努力の成果であることを私達は強く主張したい。

だが、それもみんなこの世界には拒否されてしまった以上、この狂気の塊は消え行くのみである。だが、こうなってしまった以上、私達デイレイゾは博士と彼が全う出来るように力を尽くすのみである。

さあ、実験を続けよう。

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「あんたの面には何時もアタシのテールランプ〜♪あんたのケツは生理的な理由で拝んでたまるか〜♪」
「…少し静かにできないすか？」
「あ？このエンジン様の火を落とせってか？それじゃあ、アンタみたいなキッズがこの子の面倒を見られるとでも？」
「…どうせ運転させてくんないじゃないすか…」
「ハンッ！アンタみたいなキッズはベビーカーでにも乗ってりゃいいのさ！」
「僕ぁ今任務中なんですよ！」
「だからアタシがスタンバイ。オーケー？」
「…は、はぁ。。。　お、傍受成功す」
「はい報告」
「ノストリーグ1050にある基地に対して傭兵共が破壊工作作戦展開中。傭兵共のハイドラから十分距離のある地点に補給物資倉庫発見。」
「はい可決、直ちに目標へ向かわれたし。」
「運転はアンタだろう！ 」
「それにしても、まぁ実験のためとはいえ因果な商売よね…」
「…まぁこの状況じゃあ、火事場泥棒でもしないと補給できないすよ」
「流石のこの子も、人工物が無いと維持できないものね…」
 「そりゃそうすよ。お、間も無く目標周辺。オリハソツカ展開。」
「さーて！直線的な動きだけじゃ鈍ってしまうものねー」
「うおえあ！こんなに、揺らされちゃ、狙いが、」
「あ？アンタそんなんで《測猟》名乗ってんの？頭領が泣くわよ？」
「僕ぁサーカス団に入った覚えも無えし！ジャグラーでも無え！なあ！」
「あっそ、じゃあたまに規則性作ってあげるから、それぐらい読んでね」

「《操動開始》」「《測猟開始》」