慣れてくると、それはそれで、挑む敷居が下がってしまうな、と思いながらも。
それでも矢張り、幾らか最初の緊張感は失せるにせよ‥
幾重の銃弾の間を縫って駆け、逆巻きに飛びゆく光子砲の援護を受け。
爪に掛けた武具を振るうのはやはり、悪い気分ではない。

‥相棒は最近、どうもその『光子砲』にお熱のようだ。
暇さえあれば、重量を維持した侭で如何に性能を上げられるかどうかを吟味しているような気がする。
元々そういう試行錯誤は得意だったうえに、持前の射撃センスもあってかー―相当なモノにはなっているようだ。
俺には、射撃武器の性能は、痛いか痛くないか、或いは当たるか当たらないか、くらいの認識が精々だが、
時々あれの元にマージンが入っているところを見るに、その研究はそれ相応の成果を出しているらしい。
まあ、そんな外の評価は置いておくとしても、僚機が強くなるのは心強いし、嬉しくもある。
此方も何かしら、伸びしろを眺めているだけではなく、考えなければならないだろうか。
同じ土俵ではまあ無論、届くべくもないだろうが。

――今回の『最高難度』は、目標の破壊か。
防衛の隙間を搗けるかは判らないが、まあ、考え事をするくらいの余裕は、良くても悪くても、あるだろう。