ENo.0145　GrinBoy

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生きるには必要なことがある。
欲求を満たす必要がある。
その為には金が要った。

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大型貨物船の護衛任務の話なんてものを、こんな底辺のハイドラ乗りが耳にするということは、そうない。
どこで聞いたか、その後どうしたのだったか────
────俺にしては珍しく興奮していて、その辺りの事はあまり覚えていない。

ウォーハイドラを得て戦場を駆け回るようになって、
腐りかけの飯を食うことも、冬空の下で寒さに震えながら水浴びをすることもなくなったが、
それでも未だに資金繰りは悩みの一つだ。
寝床に困ることもそれなりにあったし、これからも悩まされるのだろう。
報酬の大半を贅沢品に充てているのが問題なのだろうが、
俺にとって煙草というものはもはや手放せるものではない。これは必要経費というやつだ。
……とにかく、俺には金が必要だった。

だから、この話を聞いた時、俺は“こんなうまい話はない！”と、喜んで飛びついた。
なにせ、護衛任務に加えて客室と整備用のガレージの利用権までついてくるというのだから。
ここまで待遇が良いと、何か裏があるのかと勘繰る程度には目の色を変えたさ。
故に、キッチリと戦果を上げられなければ早々に放り出されそうだが……
さて、いつまで置いてもらえるものか。