ENo.0467　アクト=ユーティレス

エリカ「残存戦力無し。任務終了を確認しました。お疲れ様です」
通信を受け、索敵を終える。今回は別の廃工場における謎の勢力を掃討する任務だった。
エリカ「だんだんと動きが良くなってきていますね。まだ不完全な状態の機体で大したものです」
素直に賞賛されるのは初めてだ。それだけ、少しずつだが認められているということだろうか？
エリカ「このままいけば、もしかすれば……あなたなら……」
小さな声で何かをつぶやく。最も、通信越しであるためそれも聞こえているのだが。
しかしそこを触れはしない。デリケートな部分であるだろう。
エリカ「さぁ、無事に帰還してください。いつも言っていますが、整備も万全に」
基礎にして一番大事な事を何度も反芻される。不備があれば問題が起きるのも当然だ。それだけに忘れてはならない事である。

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整備を終え、少しばかり休憩を取っているとエリカから通信が入る。
エリカ「おはようございます。任務がありますよ。今回は少し変わった依頼です」
今までと違う言い方をした所に引っかかった。その答えはすぐにエリカが述べる。
エリカ「今回はある企業からライバル企業の部隊を襲撃してほしいとのことです。いわば代理戦争ですね」
なるほど。戦力的に負けているがゆえにウォーハイドラによる早期決着をつけようという魂胆か。だが傭兵をしている以上、そんな思惑は関係ない。ただ任務をこなしていればいい。
エリカ「相手は新型の兵器があるそうです。気をつけてください」
ヘタをすれば落とされる危険性がある。それでもハイドラライダーを辞めるわけにはいかない。これ以外に手段は無いし、なにより生き延びるためには戦うしかないのだから。