第19週目 アビダンの一週間
◆日記
ジャンク街の露店食堂。やたらフニャフニャのヌードルをプラスチックのフォークでつつきながら、アビダンは店の奥から漏れてくるラジオのニュースを聞いている。バイオスフェアの。企業間抗争。白い繭。ΑΦΡΟΔΙΤΗ——。長らくニュースの中心であったこれら一連の出来事は、ひとまずの区切りを迎えたところだ。虚偽とはいえ一応はプロのハイドラライダーであるアビダンも、その概要を聞きかじり、任務として実際に日の谷へ行きもした。いつもよりやばい感じのやつがいて、いつもより大規模な作戦になる。実際、アビダンにとってはそれだけだった。ハイドラを動かした分だけの金が貰えて、生きて帰ってこうして飯を食えたなら、後のことはアビダンにとってどうでもいいこと——そのはずだったが、あの戦闘以後、アビダンは気がつくとあの白い繭のハイドラのことを、そして自身のハイドラのことを考えている。
当たるはずのない攻撃が。反応できなかったはずの襲撃が。働く、アビダンの感覚あるいは技術の追いつかない状況において、その不可視の力が。ゴートリンデンではない。ましてや他のハイドラライダーでもない。その頻度は増え続けている。
ハイドラに心があるなどという、そんな荒唐無稽な考えは打ち棄てたかった。けれども見ろ。霧の戦場に狂犬めいて悍ましく吼える『ゴートリンデン』を。マルスのもとに馳せ参じるようにして現れた、あの怪物じみた首なしハイドラを。そうしてあの白い繭——幾つかの戦場を経て、アビダンの疑念は今や確信に変わっていた。
使い捨ての塒。金に変えるもの。ただ生き抜くための。ウォーハイドラは——正確にはそのパーツや副産物は——アビダンにとって、ただそれだけの存在だったはずだった。けれども今はどうだろう。他に誰も入り込むことのない、完全に鎖された操縦棺。あまりに馴染みのよいその座り心地。意のままに動く巨躯。霧の匂い。そしてデバステイター・ユニットの起動する瞬間の、否定しがたいあの高揚。血の巡り、胎動し、光の声が挙がる時——その懐に「本当の意味で収まって」初めて、アビダンは知ってしまった。ウォーハイドラは生きている。そしてその生きたハイドラの懐の中でこそ、自分が最も「生きている」という実感を得られる、ということも。
ふとアビダンの脳裏に、バイオスフェアで見た、たくさんの、あまりにもたくさんの、生まれた端から散ってゆくバイオ兵器たちの姿と声とがよぎった。アビダンにはそれが、この残像領域で散っていったハイドラライダーたちと、何の変わりもないように思えた。なぜ生き延びないのか。なぜ死を許容するのか。生きていること以上に、価値のあるものは何もないのに。だからアビダンは絶対に死なない。死ぬもんか。使い捨ての戦力なんかには絶対にならない。たとえ惨めに撤退しようと、生きてさえいればそれでいいんだ。ハイドラですら——だからこそおまえは腹の中のおれに同調して、そのための働きをするんだろう? だからって、おれがおまえから離れられなくなるようになるなんて考えないほうがいいぜ。おれはまだ、おまえを降りようと思えば降りられる。
ノイズが走る。残像領域の住人にとって、何ら珍しくもない空気の歪み。アビダンは、しばらくヌードルを文字通りつつくだけになっていたフォークを置いて、首を回した。ゴートリンデンの所で食事をとってからというもの、今まで当たり前に食べていたジャンク街の安飯が、なんとなく不味く感じるようになってしまった。風呂にも適当に入らないと、頭が痒くなるようになった。その辺りの責任は取ってもらわねーとなぁ。ノイズに混じる1/fの揺らぎ。アビダンはひとつ息を吐くと、ヌードルを残したまま席を立った。
当たるはずのない攻撃が。反応できなかったはずの襲撃が。働く、アビダンの感覚あるいは技術の追いつかない状況において、その不可視の力が。ゴートリンデンではない。ましてや他のハイドラライダーでもない。その頻度は増え続けている。
ハイドラに心があるなどという、そんな荒唐無稽な考えは打ち棄てたかった。けれども見ろ。霧の戦場に狂犬めいて悍ましく吼える『ゴートリンデン』を。マルスのもとに馳せ参じるようにして現れた、あの怪物じみた首なしハイドラを。そうしてあの白い繭——幾つかの戦場を経て、アビダンの疑念は今や確信に変わっていた。
使い捨ての塒。金に変えるもの。ただ生き抜くための。ウォーハイドラは——正確にはそのパーツや副産物は——アビダンにとって、ただそれだけの存在だったはずだった。けれども今はどうだろう。他に誰も入り込むことのない、完全に鎖された操縦棺。あまりに馴染みのよいその座り心地。意のままに動く巨躯。霧の匂い。そしてデバステイター・ユニットの起動する瞬間の、否定しがたいあの高揚。血の巡り、胎動し、光の声が挙がる時——その懐に「本当の意味で収まって」初めて、アビダンは知ってしまった。ウォーハイドラは生きている。そしてその生きたハイドラの懐の中でこそ、自分が最も「生きている」という実感を得られる、ということも。
ふとアビダンの脳裏に、バイオスフェアで見た、たくさんの、あまりにもたくさんの、生まれた端から散ってゆくバイオ兵器たちの姿と声とがよぎった。アビダンにはそれが、この残像領域で散っていったハイドラライダーたちと、何の変わりもないように思えた。なぜ生き延びないのか。なぜ死を許容するのか。生きていること以上に、価値のあるものは何もないのに。だからアビダンは絶対に死なない。死ぬもんか。使い捨ての戦力なんかには絶対にならない。たとえ惨めに撤退しようと、生きてさえいればそれでいいんだ。ハイドラですら——だからこそおまえは腹の中のおれに同調して、そのための働きをするんだろう? だからって、おれがおまえから離れられなくなるようになるなんて考えないほうがいいぜ。おれはまだ、おまえを降りようと思えば降りられる。
ノイズが走る。残像領域の住人にとって、何ら珍しくもない空気の歪み。アビダンは、しばらくヌードルを文字通りつつくだけになっていたフォークを置いて、首を回した。ゴートリンデンの所で食事をとってからというもの、今まで当たり前に食べていたジャンク街の安飯が、なんとなく不味く感じるようになってしまった。風呂にも適当に入らないと、頭が痒くなるようになった。その辺りの責任は取ってもらわねーとなぁ。ノイズに混じる1/fの揺らぎ。アビダンはひとつ息を吐くと、ヌードルを残したまま席を立った。
NEWS
本日のニュースです未明発生した交通事故で死亡した女性は、透明漏斗街に住む会社員のメフィルクライア・シルバランツさん32歳とわかりました
現場は見通しのいい直線道路で、車は歩道に乗り上げた後電柱にぶつかった模様です
深夜に車を走らせていた詳しい理由は分かっていません……
メルサリアからのメッセージ 「メルサリアだ。連盟会議で会長の座を下ろされてしまったよ。最高顧問とか役職がついたが…窓際さ」 |
メルサリアからのメッセージ 「しかし、これで研究に専念できる。逆に好都合というものだ」 |
メルサリアからのメッセージ 「そうそう、メフィルクライアだな。残念な話だったが……奇妙な点がいくつかある」 |
メルサリアからのメッセージ 「まず、企業連盟が制限していた情報を、彼女はなぜか握っていた。コクーンの写真だって部外秘だったはずだ」 |
メルサリアからのメッセージ 「情報を流した協力者がいるのか、彼女が大きな理由から危険を冒したのか……何かあるはずだ。それもいま調査している」 |
◆破棄
アビは蹠を破棄した!!
アビはイカウィップを破棄した!!
アビは瞼を破棄した!!
アビはレーダー『ノースポールIV』を破棄した!!
アビは見えざる腕を破棄した!!
◆作製
噴霧強化!
作成時補助発動! 高圧!! 消費ENが 37 増加!!
試製噴霧制動障害誘発A-0を作製した!!
◆アセンブル
操縦棺1に簡易操縦棺を装備した
脚部2に試製重旋回軽タンク=24/7を装備した
スロット3に旋回エンジンBホーンバードを装備した
スロット4に旋回エンジンBホーンバードを装備した
スロット5にさよならの卵を装備した
スロット6にクイックを装備した
スロット7にサイクロンIIを装備した
スロット8に《バベル・バビロン》を装備した
スロット9に髄液を装備した
スロット10に脳漿を装備した
スロット11に咽喉を装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆僚機設定
ゴートリンデンとバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……整備専念
RP+1
◆ミッション
ミッション設定……フリー
ユニオン活動
悪性プリン隊の活動記録
極悪宇宙バイオ兵器養殖所
「がんばりまーす」
「がんばりまーす」
整備の訓練をしました
整備が1上昇した
整備の訓練をしました整備が1上昇した
整備の訓練をしました整備が1上昇した
整備の訓練をしました整備が1上昇した
整備の訓練をしました整備が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘においてAPを10%強化した
◆戦闘結果
戦闘報酬
戦闘収入 1950
攻撃戦果補正10%(MAX)
支援戦果補正4.28%
防衛戦果補正4.82%
撃墜数補正 0.1%
未確認機補正3%
合計現金収入2417
整備費 0
ユニオン費 -98
◆経験値が100増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
攻撃戦果補正10%(MAX)
支援戦果補正4.28%
防衛戦果補正4.82%
撃墜数補正 0.1%
未確認機補正3%
合計現金収入2417
整備費 0
ユニオン費 -98
◆経験値が100増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
明日の戦場
第3ブロック
企業間闘争
いわゆる代理戦争だ。こちらがハイドラ大隊だからと油断するな。敵も最新式の兵器を集めている
来週の霧濃度:159%
来週の電磁波:37%
フランツィスカ |
ブリッツ・フランメブルク |
ニャマ・エクンドゥ・アニャンゴ |
エイブラハム・ブラックウッド |
如月 |
如月 |
爪 |
TBD |
テンノ・アミジマ |
アイシャ=ロングゲート |
竜御子 |
ゴートリンデン |
アビダン |
"Livreur" |
たけし |
メリデール |
のび のびなかった |
凡河内雫 |
アール |
クリスティン&ヘキサ |
『火焔浮遊機雷』[火炎] |
車輪戦車『レベデンコ』[物理] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
火撃型WH『タイガ』[火炎] |
火撃型WH『タイガ』[火炎] |
車輪戦車『レベデンコ』[物理] |
未確認機『エウリプテリダ』[粒子] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
『火焔浮遊機雷』[火炎] |
『火焔浮遊機雷』[火炎] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
未確認機『エウリプテリダ』[粒子] |
火撃型WH『タイガ』[火炎] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
未確認機『エウリプテリダ』[粒子] |
火撃型WH『タイガ』[火炎] |
キャラデータ
名前
アビダン
愛称
アビ
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プロフィール
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残像領域出身の少年。12歳。身寄りはない。 もはや誰も弔うことのないハイドラの残骸、 あるいはその操縦棺に収まったままの戦死者たち、 彼らを暴き、荒らし、引きずり出し、 そこから奪え得るあらゆるものを日銭に変えて生きてきた。 倫理を知らず、死者への畏敬も悲哀も持たない。 戦場へ向く情熱も、その必要性もまた。 彼のライダーズライセンスは、死者から盗んだものである。 —— 160cm/43kg(推定。健康診断は受けていない) ブルネットにブルーグレーの瞳、くすみのある目周り。 笑うと犬歯が目立つ。 配給された自身のハイドラに愛着はなく、名前もない。 https://abvianabira.tumblr.com | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機体データ |
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1 | 操縦棺A | 簡易操縦棺 [20/---/---]《装備:1》 | ▼詳細 |
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2 | 領域殲滅兵器A | 《バベル・バビロン》 [30/薄装貯水/索敵]《装備:8》 | ▼詳細 |
3 | 領域殲滅兵器A | 髄液 [24/噴霧/耐粒]《装備:9》 | ▼詳細 |
4 | 制動障害誘発A | 試製噴霧制動障害誘発A-0 [37/噴霧/高誘発] | ▼詳細 |
5 | 索敵障害誘発A | 攪乱する世界『ゼルンベルム』 [20/精度/変形] | ▼詳細 |
6 | --- | --- | --- |
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8 | 領域殲滅兵器A | 咽喉 [33/重霊障/精度]《装備:11》 | ▼詳細 |
9 | エンジンB | 旋回エンジンBホーンバード [30/旋回/旋回]《装備:3》 | ▼詳細 |
10 | 素材 | 演算装置34 [34/重精密/---] 特殊B[360] [素材] |
▼詳細 |
11 | --- | --- | --- |
12 | エンジンB | 旋回エンジンBホーンバード [30/旋回/旋回]《装備:4》 | ▼詳細 |
13 | 素材 | 自動修復装置34 [34/AP回復/---] 特殊B[360] [素材] |
▼詳細 |
14 | 粒子装甲A | 試製重出力粒子装甲A-0 [34/重出力/耐電] | ▼詳細 |
15 | 軽タンクA | 試製重旋回軽タンク=24/7 [34/重旋回/重旋回]《装備:2》 機動[381] AP[2125] 旋回速度[1400] 防御属性[火炎] 防御値[688] 貯水量[447] 積載量[4400] 消費EN[344] 金額[654] 重量[1936] [タンク] *作者* |
▼詳細 |
16 | エンジンC | 静脈 [23/耐物/誘発] | ▼詳細 |
17 | 素材 | 照準装置30 [30/精度/---] 特殊B[280] 精度[24] [素材] |
▼詳細 |
18 | 砲塔A | クイック [34/旋回/高圧軽量]《装備:6》 | ▼詳細 |
19 | 素材 | 3年保証書31 [31/重保証/---] 特殊B[300] 重量[31] [素材] |
▼詳細 |
20 | --- | --- | --- |
21 | エンジンB | さよならの卵 [34/重旋回/重旋回]《装備:5》 | ▼詳細 |
22 | 領域殲滅兵器A | 脳漿 [35/超重回復/貯水]《装備:10》 | ▼詳細 |
23 | 素材 | 貯水タンク36 [36/貯水/---] 特殊B[400] [素材] |
▼詳細 |
24 | 素材 | 消火装置32 [32/耐火/---] 特殊B[320] 防御属性[火炎] 防御値[25] [素材] |
▼詳細 |
25 | 砲塔A | サイクロンII [26/旋回/旋回] | ▼詳細 |
26 | 砲塔A | サイクロンII [26/旋回/旋回]《装備:7》 | ▼詳細 |
27 | 素材 | 加速装置36 [36/機動/---] 特殊B[400] [素材] |
▼詳細 |
28 | エンジンA | 試製耐物エンジンA-0 [36/耐物/高誘発] | ▼詳細 |
29 | --- | --- | --- |
30 | --- | --- | --- |