ENo.0323　第306特殊試験部隊

「いくのか」
「やっぱわかるか。だよなァ。」
「この土地の人間ではないお前がいるには長い方だ。」

ここに住むものであっても、利なくばすぐ離れるのが人間というものであり
ことこの戦況でも未だに部族間の対立は続いているともサマドはこぼす。

あれから俺は限られた時間の中でサマドらと共に戦うことになった。
ウォーハイドラの技術を使った改造装甲車両。
俺とワドーが残像領域に来て初期にやってたようなもんだ。
装甲車両に上半身やら頭やら簡易の腕や武器を取り付けたもの。

それをなるだけ多く作れるように技術者を集めて教え込みつつ改修を続け
ある程度の戦力になり少し。
今では機甲部隊とも言える程度にはなった。

当初はこの戦力で聖地防衛と奪還を目指していたわけだが
次第にこれらの兵器、それを目当てに再び介入し始めた者達との戦い
はたまた支援、協力、また研究やらで今やこの地は激戦区となっていた。
俺の知っている第一次紛争とは違った毛色になっている。

この影響もあり極東にて行われる例の作戦は伸びているようだが
それでもなるだけはやくここからトンズラして東南アジアあたりで気を伺うつもりだった。
最もサマドにはそれらを予期していた、というより察していたようであるが
それらについて一切聞かないことに少なからず感謝するところがあったため
些か長居して協力してしまった。

「次はワドーを連れて来るさ。大体わかったしな」
「そうか」

砂漠の夜は冷える。
これまでのように戦闘中に消えるよりは、些か人間らしい別れになったが……
まぁ居心地がよかったのは確かだがそれでも残像領域みたくいつ死ぬかわかったもんじゃないのは変わらない。
いつもの通り俺は俺のために動くだけだ。

そういうわけで俺は闇夜に紛れてウォーハイドラを乗せたトレーラーにて
砂漠の戦地を跡にする。

「あァーもうちょっと豆料理食ってもよかったな」

しかし羊肉が飽きてきたのも出立理由としてある。
豚肉も食いたいしな…豚バラ。
昔牛丼食えなかったときに豚丼あったけどあれのお好み焼きっぽいやつが
まぁージャンクでうまかったな……

あァ肉食いたい

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