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青い空の下、荒地の上にシートを敷いて弁当を広げた
ピクニックというやつだ

「見てくださいよ包み紙が湿らないんですよ」
「すごい」「いやスゴくはねェよ……」

考えてみれば当たり前のことに感動する面々
質素ではあるが我々なりに奮発した昼食なので
皆喜んでビスケットやよくわからない何か焼いた肉などをつまんでいた

社長はひとり折り畳み式の椅子に座らされ不服そうだったが
誕生日であるということで囲んでケーキを差し出されると口いっぱいに頬張る
小動物がエサを貯め込むときの頬袋に似ていた

「食べないのか」

尋ねると、無残に曲がったフォークが見えた
仕方ないのでサンドイッチを渡すが一瞬で圧縮される

それ自体は問題なかったようで口に放り込んでしまった
顎が丈夫な男だ

「姉貴も酒飲もうぜ酒」
「仕事場に家族関係を持ち込むのはやめろ」
「これ仕事か？」

すでに男衆（と区切るほど数もいないが）は出来上がっている
出掛ける前に消毒用アルコールを持ち出すことだけは止めて本当によかったと思う

「お前めちゃくちゃ伸びたな……次出た帰りに切ってこいよ」

なんと彼にすら絡んでいく始末だ

「やだよハイドラで散髪屋に乗りつける不審者」
「じゃあ誰かが切ればいいんじゃないですか」「誰がよ」

視線が私に集中した
確かにまあ、刃物の扱いだけならよほどマシな自信はある

「そういうことになったが」

アイジロは二つの瞳孔を引き離すようにしてそらした

「本来は、生身の人間と戦闘機とを問わず、
　人員を派遣して警備を行うだけの会社だった。
　手を伸ばしすぎて、半ば民間軍事会社と化していたがね」