クワジャルの第六次改装が終わる。
時間をかけただけあって、今回はかなり見た目にも変化が顕著だ。

仕様の決定には紆余曲折あり、まずはより装輪装甲車らしい運用の可能な背の低いWHとした。
ミストエンジン一体型の砲塔の背にはブースターを備え、機動力に優れる。
主砲には火力を求めない。そっちはゴトーに任せる。
この機体の仕事は、威力偵察と…格闘戦だ。

特に霧の濃い戦場では、格闘戦においてクワジャルのように前方投影面積を低く、狭く稼ぐ意味合いは薄い。
重力の力を得るために、高さが逆に必要だ。
よって直立姿勢に近い構成へと変形可能な機構を仕込む。
腕・武装ともに倍力クランクを備えた多関節型に。
…さながら、車輪の付いた二脚型といったところか。

つまるところ、装甲車には装甲車の仕事。
格闘WHには格闘WHの仕事がある。
同時にこなすのはなかなか難しく、
それぞれに特化させるのが俺には一番合っていたらしい。

慣らしついでに、実戦と行こう。

追記）髭の生えた男を久しぶりに見る。文化の違いという奴で、危うく自分に髭が生えている方がおかしいと思い始めた矢先のこと。
慣れって怖い。