ENo.0070　ユリア・クールハート

『ＴＵＲＮ０４：ピーキー３分アセンブル』

『……ユリア』
「どうした、前回と同じ入り方だな」
『君、何食べてるの』
「何って、夕飯だが」
『その夕飯が、何でそんな固形バー一本とペットボトルの水なの！？』
「何を今更。元の世界でだって、これが常識だっただろう」
『昔は昔！　今は今！　です！』
『大体世界は変わったでしょ！？　新鮮な野菜も果物も、肉も魚も手に入るようになったでしょ！？』
『毎日僕が料理作ってあげてたでしょ！？　ちゃんと人間らしいもの食べてよね！』
「……………」
『何。どうしたの、だんまりしちゃって』
「……いや」
「そうだったかな、と思って」
『え？』
「お前と再生した世界で生きていた事は覚えているんだが、実際どういう暮らしをしていたのか、思い出せない部分があってな」
『……ユリアも？』
「『も』という事は」
『……うん。僕もところどころ抜け落ちている記憶がある』
「本当に私が世界を救ったのか、自信が無いな」
『うーん、ここについては、一度二人の認識を合わせておいた方がいいね』
『でも！　今はそれはそれ！　これはこれ！』
『年頃の女の子が、そんな不健康な食事をしてたらいけません！　こないだニーユさんのところでおいしいご飯いっぱい食べたでしょ！？』
「あ、ああ、たしかに。セルフサービスだがやたら美味かった」
『でしょ！？　ああいう食事をしてください！』
「セルフサービスか？」
『違うそこじゃなくって！　って、ええと、ユリア自身で作ってね、って意味ではセルフサービスなんだけど！　ああいう、ちゃんと栄養のある物を食べてくださいって意味！』
「栄養バランスなら、今でも充分じゃあないか」
『もー、ああ言えばこう言う！　本当は僕が作れれば一番いいんだけどさ、今は出来ないから、ユリアが自分で調理をする事を覚えて！』
「ええー」
『可愛らしく小首傾げても騙されません』
「チッ、駄目か」
『女の子が舌打ちもいけません』
『とにかく、手軽に出来て栄養バランスのいい食事の調理法を情報網から拾ってきたから、データベースに入れておくよ。これ見てよーく勉強してね』
「面倒だな。機械のアセンブルデータならいくらでも見ていられるんだが」
『……まあ今回は、見切りをミスったら武器が一つ無い機体になっちゃうからね。「トリグラフ」のスロットはまだ埋まり切ってないし、でもお金は無いしで、天のノイズがたまに「現実とリンクするな！」って、変な悲鳴あげてるよ』
「また天のノイズか……収支に困っているのは、私達だけではないんだな」
『そう。そういう訳で、時短で作れて、食費も固形バーを買うより抑えられる、保存もきく物を集めたから、ちゃんと見てね』
「えー、めんどくさ」
『食費で整備費削って、貧乏暇無しで、装備疎かにして撃墜されたいの？』
「それは……嫌だな」
『そう。わかったら実践よろしく』
「……こんな力関係だったか、私達は？　これもその内お互いの認識を合わせる必要がありそうだな……」

To be continued…

Reinclaft-Millia Service

数年前にできた、残像領域の片隅の整備屋。
相場よりほんの少し高い値段で、ウォーハイドラのみならずライダーも整備する。
早い話が、機体のメンテをしに来るついでに、店主が常々作りすぎる飯のおこぼれにありつける整備屋である。
飯だけの利用も歓迎だが、この店にはメニューはない。店主が作りすぎたその日の飯が出されるだけである。

！店および店主（ENo.4）の既知可
！ユニオンに参加せずメッセで利用する体も歓迎
！ロールするキャラを推奨するかも

細かいこと：http://midnight.raindrop.jp/milliapede/union.html