ENo.0170　バハルギュル

私が魔法使いから借り受けたペガサス、翼の生えた不思議なトナカイ。
その牧舎は、おじさんの家から少し離れた場所にあります。

元々、おじさんの家に牧舎なんて有りませんでした。
それは当然のことで、幾ら大きな家に住んでいるからと言っても、家畜を飼うための場所なんて無いのが普通です。
仕方が無いので、当初は家の外に繋いで置こうと考えていましたが、そこは仮にもウォーハイドラとして登録を済ませた存在。
まさか書類に安置場所を『玄関前』と書く訳にも行かず、安全面でも大問題です。
だからと言って、クリスくんの乗り物が保管されている格納庫はデリケートな機械が沢山ある場所ですから、生物を一緒に入れて良いはずもありません。

どうしたものかと悩んでいた時、助け舟を出してくれたのがおじさんでした。
私がペガサスの収容場所に困っていることを知ったおじさんは、あっという間に新しい小屋を建ててくれたのです。

おじさんは顔こそ少し震えてしまうくらいに怖いですが、とても親切で器用なすごい人です。
私は多少の家事炊事は出来こそすれ、こういった何かを作ったり弄ったりするような事は、とんと出来ないものですから。
ただただその仕事ぶりに感心しては、感謝するばかりなのでした。

そんな訳ですから、小屋とペガサスの管理は私の大切な役割です。
空が白み始める頃、私がベッドから起きて最初に行う仕事が、小屋の掃除と餌やりなのでした。

もちろんペガサスの世話の仕方なんて、私には分かるはずも有りません。
何しろ、ごく普通の家畜さえ扱ったことすら無いのです。
そのため、魔法使いはペガサスに飼育手順について、それはそれは分厚いメモを用意してくれました。

曰く、ペガサスは雑食である。
　　　残飯から鉱石に至るまで何でも食べるが、必ず円筒形の容器に入れなければ食べようとはしない。

　　　食事は1日に2度、1回当たり容積にして1ガロンほど与えれば足りる。
　　　ただし太陽が完全に沈んだ後は、再び日が昇るまでは食事を与えてはならない。

　　　食事による排泄をしない代わりに、魔素の搾り粕が夜中の内に排出される。
　　　早朝これを必ず全て回収した後は、適当な場所に保管しておくこと。　後日引き取らせて貰う。

　　　ブラッシングは貴重なコミュニケーション手段であるが、瞳を合わせ続けてはいけない。

　　　ペガサスがゲップをした際には、速やかに周囲10m四方から退避すること。
　
　　　ペガサスが口を5秒以上開き続けた際には、決して正面に立とうとしないこと。

　　　etc...


小屋の中で過ごす時間は、いつだって不思議な緊張に包まれています。

果たして、私がペガサスを選択したことは本当に正しかったのでしょうか。
早朝の冷たい風に吹かれながら小屋へ向かう道すがら、クリスくんたちの格納庫が有る方向を見つめる度に、そう考えずにはいられないのでした。

よぉ、ここはおじさんの家だ。
おじさんって誰かって？おじさんはおじさんだ。
CVは大塚明夫で頼むぜ。

「おじさん、誰に向かって話してんの…」


おっと。こいつは俺の親友とこのガキ。名前はクリスティアン。
女子みてぇな名前してるが生意気な坊主だ。
こいつをうちで預かることになったついでに、ユニオンとして自宅を開放してみることにした。
おじさんは整備士やってんだ。機体を置けるでけぇ格納庫も整備道具もある。
多少は役に立てると思うぜ？
それから、うちは増築に増築を重ねた結果、軽く迷子になれるくれぇには
家ん中が広いからよ、使ってねぇ部屋適当に使ってくれてもいいぜ。
ま、片付けねぇとゆっくり休めやしないがな。
そこは自分でなんとかやってくれよ。好きに改装してくれてもいいぜ。
そんなところだ。よろしくな。

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ENO.168クリスの親戚のおじさんの家系ユニオンです。
宿屋としても活用できます。ロール用にどうぞ。（別に住まなくてもユニオンには入れます）
玄関から入り大広間を中心に食堂（共用）、シャワールーム（男女別）、トイレ（男女別）、おじさんの部屋、増築した数多の部屋と繋がっています。部屋数は不明。廊下や階段が入り組んでいるのでわかりやすい場所を自分の部屋にしましょう。いっそ壁際の部屋を取って、外へと繋がる扉を作ってしまえば迷子にならずに済むかもしれません。
離れに格納庫、道具小屋なんかもあるようです。
部屋の広さや数はお好みで。ただし片付けないと使用できない状態です。
食堂は、数人が同時に使っても大丈夫な広さのキッチンが併設されています。
食事は基本的に自分で用意することになりますが、たまにおじさんがいっぱいカレーを作ります。

宿代は、いらなくなった機体のパーツで。
（ロール上の設定です。実際のやりとりは発生しません）

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成長方針：射撃3　整備2
ユニオン購入：その時々による