ENo.0143　スレイ・グニール

…ハイドラで掴めるのは『夢』じゃない。
もっと冷淡で現実的な『戦利』ってヤツだ。
優しい人間は関わっちゃいけない道具さ。

ハイドラは、誰がどう思っていても結局のところ兵器。平穏から一番遠い存在だ。これに関わるってことは、戦火に向き合うってことなんだよ。

…そうだな、少し昔話をしようか。
この世界に迷い込んで間も無く、あても無く空腹で彷徨い歩いてた俺を損得そっちのけで保護したのがおやっさんだった。
あの人はハイドラに乗りながら、行き先のない老若男女をかくまって生活に困らない環境に送り届ける慈善事業ユニオンの統括をしていた。まぁ俺もいい大人って事で、そのユニオンで一時的にでも働く事になったんだ。

…俺がユニオンに所属して２年半が過ぎ、ちょいと心得があった整備で貢献してた頃だ。事業関係で離れている時に事業所及び難民施設が奇襲にあった。
ユニオンのライダーで応戦するも虚しくおやっさん含む友軍も施設も全滅。そこでおやっさんは亡くなったよ。仕掛けたのは以前におやっさんが別件で撃退したテロリストだった。

…その後の処理は同盟関係にあったユニオンがやってくれた。おやっさんが自分は死ぬ事わかってたみたいに頼まれてたらしい。
次の働きを先考えてるその頃だった、おやっさんの入れ替わりみたいにライダーの資格を貰っちまった。

…そんで、それを機に独立して今に至るって感じだな。
まぁなんだ、要は『ハイドラが向かう場所は戦場しかない』っていう話だよ。長くなったな、すまん。

さぁて、来週の戦場は？っと…７ブロック…落ちた輸送船の様子見てこいって感じか。霧が濃いのはいい事だ。

スレイ・グニールが勝手にしたいがために立ち上げたユニオン。
現在、一人で近接専門人型機を製作中。