ENo.0162　キリー=エヴァンス

『かえで・えるどりっじ』

キリーは自分の周りに現れた光の板にその名前を刻む。
見ればその男の名に至る迄に、幾つもの何者かの名前と思しき物が連々と記されている。
この世界で、ある種相棒と言える者の名をそこに刻んだあと、別の板にも同じように何事かを追記している。
されど多くは記されていないようで、どれも短く長くても10行にも満たない内容で記されている様だ。


「永い事やってると、忘れてくからなぁ…。面倒くせぇけど名前間違えるのは失礼だしな。」


粗野な見た目から反して妙な所で律儀なのがこの女だった。
世界の名前、自分がそこで経験していた事、それを簡単にでは有ったがなるべく書き留めておく。
短くとも確かに在ったのだと自分に言い聞かせる様に。そうして、はたと眼を瞬かせると
また、名前の連なった板に新たな名前を刻んでいる。



『こまつぐみ・そら』

無害そうな少女？もこんな所に居るのかと。
キリー自身は戦場に女子供は必要無いとは思わないので、そこら辺は特に何も思わないのだが。
こういう場で、明るく声を掛けられた事は稀だった為、面白い子供という印象をひっそりと抱いている。
少々の感心と面白い奴だなぁという思いでその者についての記載も終わらせて。




「誰も死ぬななんて綺麗事は思わないけど、知り合いの死に顔は見たくねぇなぁ、どこでも。」


そんなことを呟きながら
現れていた光の板をそっと空へと溶かして戻すのだった。

─hen seren ─

”古の星”

ヘン=セレンという看板が掛かった少し古めかしい外観の小さな建物。
入口を入って直ぐの壁には『各々お好きに、お寛ぎ下さい』の文字が記されている。

中は酒場としての場所だった名残のカウンター席と、少ないテーブル席が数席。
店主は見えないが、テーブルを2つノックすれば気付けば手元に望む飲料がやって来るという。

日々の忙しさの中、ゆるりとした時を過ごすのに丁度良い場所のようだ。
霧立ち込める外から少し外れた穏やかな時間がこの場所には流れている────。




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ガチガチの戦闘系のユニオンではなく何となくユニオンに参加したい方向け。
制御*5の活動。ユニオン購入は諸々の詳細が出てからにしますが素材+1予定。