ENo.0119　Sid

―――多くノ敵。
ソコは、ヨウサイ、ト呼バレテイルヨウデアッた。
皆ガ殺気立ッテイた。

――戦闘ハ熾烈ヲ極メタ。
｢旧式は頑丈なのだけが取り柄だからな｣
ソウボッチャんガオッシャッテイたコノ身体も。
傷ダラケデゴザイます。


―――それは一瞬のことでした。
私は明確な殺意を感じたのです。
それは敵に向けてではなく
シド様に対して
彼に対する明確な殺意でした。

回避は間にあわない。
気付けば、というのはおかしいのですが
私の古い身体は全てをかけてご主人を守っていました。
それはともすれば私自身が犠牲になりかねない。
しかし、私には換えがあるのです。
―――ぼっちゃんは、換えがききません。


―――ワタ、シは。

次ニ意識がアッタトキ、ボッチャんが不安ソウニワタクシを見ツメテイタノデす。

｢何故あんな真似をした｣

―ボッチャんヲ狙ウモノガイマシた。

｢お前は傷だらけだ｣

―旧式は頑丈ナノがトリエ、デスよ。

アナタがイレバ、アナタがイレバヨイのです。

心に敵う適性を。