ENo.0293　シンナガ　サブロウタ　シキダ

シンナガはしばらくぶりとなる平穏についてしばし考えていた。
一足軽として成果は伸び悩むところもあり、果たしてこのままでいいのかと考える。
というのも、ここへ来てからというもの滅法実弾に堅い敵が多く、シンナガの出身のように火炎や電子に長けて防備を固めるもののほうが少数であったからだ。

色々思考の果て、ふとそういえばチアーズのリーダーがそういった術に長けていることを思い出す。

なんぞ、戯れの一戦もよいではないかとシンナガは考える。
サムライ＝ソルジャーたる所以である狙撃砲を持て余し、あまつさえ、
日出ずる群島の武者、他愛なしと見くびられるほうが面白くない。

それに、元々自らの陣営の配線もこだわりを捨てられなかったゆえだ。
ならば、自分が変わればよい。シンナガはそう考えるようになっていった。

生き残った者達へ。
これから往く者達へ。
私たちは歌おう、今日この日があることを。
私たちは祝おう、今日この身があることを。

全ての生きとし生けるもの達へ。
健やかに、でもなく。末永く、でもなく。
ただただ只管満足な生と、満足な死が迎えられるように。

乾杯。