ENo.0071　パアム・ライザ

遂に実験が成功した。
ナノマシン体を搭載した小型実験機が、実験用マウスの操作によって動き出したのだ。
ナノマシンはマウスに寄生することで視覚、聴覚、触覚など、小型機にもたらされたあらゆる刺激をマウスに共有、提供し、
マウスはその情報を元に脳から身体に指令を出し、それをナノマシン体が奪取。
見事、小型機を動かしてみせた。


感触など、全ての感覚はナノマシンが小型機で受け取ったままをマウスに与えているため、
マウス自身は小型機自身になったように感じているだろう。


……さて、ここまでは良い。しかし、ここからが問題だ。
人が使えるか。

ナノマシン体を寄生させたマウスは、経過観察中であるが、何か問題が起きないとも限らない。
更に、人にナノマシンを寄生させるということ自体に反発が来るやもしれぬ。

なにせ、ナノマシンを分離させることは不可能だ。更に言えば、自然に代謝されるものでもない。

どんな人権団体からクレームが来るか分かったものではない。

ただ、将来の不安に思いを馳せるよりは、今は実験の成功の余韻に浸っていたい。
今日ばかりは、実験室の皆で、ささやかな祝いを上げた。





翌日。
マウスが、餓死していた。
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食事は大事だ。人体の6割は水でできているが、4割はタンパク質や無機物、有機物でできている。
それらは消費され、消耗され、廃棄される。だから、随時補給していかねばならない。

多少、不足する程度ならば大丈夫だ。人間の身体にはエネルギーの貯蔵があるし、何よりパアムは「自前の貯蔵庫」を持っている。


……お腹すきましたー……。


……まあ、今はそんな貯蔵庫も底を尽きかけているのだが。
お金がない。先日の大改修後、多大な戦果上げることはできた。できたのだが、改修費が洒落にならない程被弾した。

故に、お金がない。お金がないから、食べ物が足りない。
なにせ、パアムの食事は1日5回。これでも足りない程だが、出撃のためには致し方ない。

「プレディ……もう少し、省エネモードになれません？」

無理だな、と一蹴され、暫くベッドでごろごろしていたが、やがて起き上がる。
"少々ぶかぶかになった"シャツは、紐が肩からずり落ちかけていた。

言葉はわからなくても作るものなら心は通じる。
そういう人たちの組織がここ「グロッソラリア」
制御とか整備が好きな人はおいでください。
どちらか一方だけでも結構！
作れ作れ！

※ユニオン活動は制御２　整備３です。
RPとかはするかもしれません