ENo.0070　ユリア・クールハート

『ＴＵＲＮ１９：ハイドラライダーと青のザリガニ』

「……話はわかった。つまり、私の記憶が抜け落ちた訳か」
『かなり派手にやられたからね。そのショックって事もあるよ』
「そうか。それにしても、情けないな」
『撃墜された事？　それなら、サポートしきれなかった僕らにも非はあるよ。ユリアが気に病む事じゃない』
「いや」
「戦いに身を置く以上、傷つく事も負ける事もある。それを恥じて、記憶を抹消した自分が情けなくてな」
『ユリア……』
「とりあえず、気を取り直そう。次はストラトスフェアだったな」
『その前に、整備してくれたニーユさんや、皆に挨拶に行かないとね。ご心配おかけしましたって』
『そろそろ一度休暇を取って、気分転換する手もある』
『うわっ、びっくりした！　セロ、今までだんまりだったのに、いきなり話すなら話すって言ってよ！』
「それは無茶ぶりだろう……」
「だが、休暇は取らない。訓練を怠った分だけ、腕が鈍って、周りに置いていかれるからな」
『ユリアは根っからの戦士だよねえ……』
『ライダーとしては優秀だがな』
「それに」
『それに？』
「忘れそうなんだ、戦い方を。銃を握っていた頃の、あの、手にかかる重みを」
「あれだけ身に染みついたと思ったのにな。血反吐を吐いて習得したのに、忘れるのは一瞬だ」
『……』
『忘れて良い事も、あると思う』
「セロ？」
『忘却というのは、立派な自己防衛手段の一つだ。忘れる事で、己の精神、ひいては身体も守る事に繋がる』
『お前の身体の傷は、俺達が引き受ける。だが、心はお前自身でしか守れないのだから、より良い解決法を探せ』
「……」
「お前がそんな事を言うとはな。雪でも降るか？」
『思った事を言ったまでだ』
『それに、「トリグラフ」が安定していてくれないと、エレちゃんも安心して育てられないからな。頼むぞ』
「～～～めちゃくちゃいい話してたのに、オチは久々の電子ザリガニ！？」
『しかもエレちゃんって！　何でそこで天のノイズのメタネタ持ち込むの！？』

注：エレ→天のノイズの代表作に登場する主人公の名前

To be continued...

Reinclaft-Millia Service

数年前にできた、残像領域の片隅の整備屋。
相場よりほんの少し高い値段で、ウォーハイドラのみならずライダーも整備する。
早い話が、機体のメンテをしに来るついでに、店主が常々作りすぎる飯のおこぼれにありつける整備屋である。
飯だけの利用も歓迎だが、この店にはメニューはない。店主が作りすぎたその日の飯が出されるだけである。

！店および店主（ENo.4）の既知可
！ユニオンに参加せずメッセで利用する体も歓迎
！ロールするキャラを推奨するかも

細かいこと：http://midnight.raindrop.jp/milliapede/union.html