第11週目 ゴーグルの少年の一週間
NEWS
本日のニュースですついに、マテリアルベルト発動機が先導するタワー侵攻作戦が始まりました
これは、タワーに眠る遺産を手にいれ、やがて来る大洪水の避難場所として活用するというものです
しかし、北の遺跡攻略で戦力を消耗した勢力は多く
タワー侵攻は困難と見られています
「タワーの建設目的は明らかです。これは、やがて訪れる世界の水没に耐えるべく建設されていました」
「しかし、いま、危機を迎える我々をなぜ拒むのか――」
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「タワーへの攻撃が始まった。本部は苦戦を強いられているようだ。予算が削られるかもしれない」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「具体的には、安価で提供していた貢献寄付の値上げをするかもしれない」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「すまない。ただ、最後までサポートは続ける。ドゥルガーを破壊する。そして、遺跡を破壊する日まで」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「世界が揺らいでいる……貴様たちは、なぜあがく? なぜ、破滅へと向かう?」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「私は世界を救命する。貴様たちは護られていればいい。ただそれだけなのに」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「何が貴様たちを突き動かしているのだ。平穏な日々を捨てて、なぜ戦う?」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「私には、使命と……領域拡散精神遊離環がある。貴様には、何があるというのだ」 |
◆訓練
適性の訓練をしました適性が30上昇した
適性の訓練をしました適性が33上昇した
適性の訓練をしました適性が37上昇した
適性の訓練をしました適性が40上昇した
適性の訓練をしました経験値が足りない
◆作製
作成時補助発動! 加重!! パーツ重量が 58 増加!!
作成時補助発動! 耐火!! 防御属性が 火炎 に変化!!
火炎強化!
Z.A-C/1855L1と消火装置29を素材にして『偽影』を作製した!!
◆戦闘システム決定
アサルト に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1に簡易操縦棺Aを装備した
脚部2に簡易軽二脚Aを装備した
スロット3に簡易エンジンBを装備した
スロット4に簡易エンジンBを装備した
スロット5に簡易エンジンBを装備した
スロット6に簡易領域瞬間霊送箱Aを装備した
スロット7に簡易領域瞬間霊送箱Aを装備した
スロット8に簡易領域瞬間霊送箱Aを装備した
スロット9に簡易重ブースターAを装備した
スロット10に簡易重ブースターAを装備した
スロット11に簡易電磁ブレードAを装備した
◆僚機設定
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションD
ユニオン活動
毛皮の無い灰狼の活動記録
「また外出が多くなると思う」
ファティマを見送り扉を閉めると同時に、ジルへと向き直った男は口を開いた。素っ気ない言葉とは裏腹に、恐懼そのものといった態度だった。男は平時木で鼻を括ったような態度を示すことが多かったが、つい先日ロイドという名を得て戻ってきてからはジルに対して以前からは考えられないほど素直な態度で接してくるようになっていた。
「ううん、私だってファティマさんのこと知ってたらほっとけないと思うし。あっさり言ってたけど、準備大変なんでしょ?」
5年の同居生活で男の用いる表現方法に精通していたジルは、男の態度と言葉からその意味するところを見出し、あっさりと逆算してみせた。男はますます情けない顔になり、後頭部をかいた。少女の示した配慮が全くの図星であったからだった。
元々年齢からすると異常なほど頭脳の回転が速い上、やはり環境ゆえと言うべきか、自身を案ずる者に対し常に(全く年齢不相応に)心配させぬよう振る舞ってきたため、ジルはこうした時読心術にも似た的確な理解を示すことが時折あった。少なくとも男は彼女の示す態度についてそう捉えていた。かつてはそれを好ましい成長だと思っていた(状況に対する洞察力は時に物理的能力よりも遥かに生存性に寄与する)が、今はむしろ申し訳ないと感じることが多くなっていた。彼女の心配りが全く自身の拙さ故に発揮されるようになっていたためだった。
「ごめん。ミッションに影響しない範囲で手伝ってもらうかもしれない。勿論君が良ければだけれども」
「もちろん!あまり遠慮しないで、その……リーが頼ってくれるなんてめったにないんだし」
実際にはジルの手を借りるまでもない。男なりの精一杯の甘言のつもりだった。にこりと笑った後、少し言葉に詰まったジルの様子が気にかかっていた。
†
男は自室のベッドに腰掛けたまま苦悩していた。その背後では男が何よりも優先する少女が背中を向けて毛布を被っていた。一言も口を聞いてはくれない。弱り切っていた。
つい先刻までは殆ど平常通りだった。ジルと二人で少し多めの夕食(二人共それを必要としないが、慣例として戦闘行動前は食事を減らしている)を摂り、食後のデザートを楽しみ、ジルが長湯している間に男は今後の準備を進め、ジルが髪を乾かしているうちに男はざっと体を洗い、とにかく常と変わらぬ時間の過ごし方をしていたはずだった。
テーブルランプの明かりで作業を再開していた男の部屋に、ジルが寝間着姿で乗り込んできたのだった。ノックも無く、滅多に見せることのない仏頂面だった。どうかしたのかと訪ねても、別に、とぶすりと言ったきり男のベッドに潜り込んでしまった。
手荒く拙かった。明らかに機嫌を損ねている。何に?少なくとも男に原因があることは間違いなかった。彼女は全く忍耐強く、些かどうかと思うほど親切心とでも呼ぶべきものを持ち合わせていて、つまり理由もなく不機嫌を他人に見せるようなことは一切無かった。彼女がそういった態度を見せるのは、ほぼ常に男が犯した過ちを詫びた時だった。
何が原因か。全く見当もつかなかった。男の余りにも浅い経験則の限界だった。ファティマとのやり取りやその後の態度に問題があったとは思えない。彼女はこれまで、男の示すものに得心しかねた時は速やかに問い質してきた。男も極力そうしてきた。お互いの主義主張に乖離があることを暗黙のうちに了解しつつも、その限界まで否定することは決して無かった。少なくとも男はそうしていたつもりだった。
秒針の立てる音が妙に煩い。元々こういった思索を全く得意としないため、酷く苦痛を覚えていた。原因の見えない曖昧な結果に対しては何の手立ても思いつかないのだった。だからと言って諦めはつかなかった。他の誰かならとうに投げ出していたが、今機嫌を損ねているのは他でもないジルだった。男にとってそれを諦めることは自殺に他ならない。
額に熱を帯びるほど悩んでいるうちに、男の思考は徐々に妄想とでも言うべきものに変わっていった。ジルの思惑、その行動が期待するところを空想と重ね合わせようとし始めていた。言うまでもなく危険な徴候であった。平時の男であれば空想が現実に容喙する等、と嘲笑すらしただろう。しかし同時に、どれほど愚かであっても具体的な結論と行動方針を有することは無策に勝るとも考えていた。ようやくのところで口を開いた。自棄に近い気分だった。
「その、なんというか、ごめん……」
「………………私こそ、ごめん」
その消え入りそうな小さな声は、男に鼓動が停止するほどの衝撃を齎した。男のそれよりも遥かに沈痛な声音であった。
「君が謝る必要だけは無い」
全く反射的な反駁だった。辛うじて聞き取れるような小声だったが、嗜めるというよりは叱り付けると言ったほうが適切な響きだった。
ごめん、と続けてから、壁を向いて横になっているジルの肩の辺りをそっと撫でた。毛布から白い手が伸び出て、獲物に噛み付くような俊敏さで指を絡めてきた。
ああもう、潰れたままの心臓が更に締め付けられるような思いだった。男の妄想は現実と乖離していなかったと気づいたからだった。ジルの所作は息を切らせて駆け込んできたファティマのそれとよく似ていた。思慕の情。男がかつて平穏を主菜に貪り読んでいた創作の一節に実によく似た情景だった。男女の情についての失敗談とでも呼ぶべきものだった。男はついぞそこから具体的な対策を見出すことはできなかった。
しがみつくように掴まれた手をそのままに、男もベッドに潜り込んだ。逆の手で恐る恐るジルの頭を浮かせて、そのまま腕を滑り込ませる。びくりとした他に抵抗は無かった。そのまま抱き締める。絡められていた手がおずおずと引っ張り込まれ、ジルの胸元へと押し付けられた。
「君が謝る必要だけは無いんだ。遠慮する必要も無い。無遠慮で過ぎた高望みだとはわかっているが、君には思うままに望んで欲しいんだ」
そっと、ただひたすらそっと囁いた。事の発端が何を偉そうな口を、と心中で罵倒の限りを尽くしてはいるが、こうでもしなければこの優しい娘は自らの黒いものをただ己の内に溜め込んでしまうだろうと恐れていた。それだけは嫌だった。男は全く無責任にジルの安息だけを願っていた。
ジルはますます強く男の手を胸へと押し当てた。柔らかい肉と骨の奥から頼りなく鼓動が伝わっていた。訳も無く安堵している自身に男は腹を立てていた。やがてジルはひっそりと口を開いた。
「…………嫌なこと、考えてました」
「聞かせてもらっても?」
「ファティマさんが、リーに抱きついた時。 ……その、リーが、わたしから離れていっちゃったような気がして……
リーが、わたしじゃない女の子にやさしくしてるの見て。……嫌だなって、思ってました」
か細く途切れ途切れの言葉に、男は一々頷いて傾聴していた。ジルの頭のすぐ後ろなので、それだけで伝わっていた。
「たまたまファティマさんが酷い目にあってたから、頼み事しにいった側のリーがやさしくしたんだって……
リーならそうするって、わかってたんだけど、 ……なにか、苦しかった」
「うん」
「ごめん…………困るよね、こんなこと言ったら」
「困りはする。君が一点の非も無いのに酷く苦しんだことと、そんな事態を招いた自分の間抜けさに」
本心からの言葉だった。男は、これまでの経緯にジルの責を認めることができなかった。
「……妙に好意を持たれてしまったのは、完全に俺の失敗だ。本当にごめん。
約束もしたし、俺も助けてもらってる。ファティマに協力することは止められない」
「……うん、わかってる」
「だけど、どんなことがあっても。俺がいたいのは君の元だ。他は最悪どうでもいい。君かそれ以外かなら、絶対に君を選ぶ」
死んでも君の側にいたい。そう言いたい衝動を辛うじて抑えていた。苦しめてばかりの俺のこんな無責任な言葉が、果たしてどれほどの誠意になるのか。自身の無能に脳内で無数の悪罵を投げつけていた男の手が、更に強く抱き締められた。柔らかい肉が押し潰されるような感触があった。ジルの耳は暗い部屋の中でその髪と殆ど混ざり合ってしまうほど赤くなっていた。自身の不甲斐なさが余りにも呪わしく感じられた。
「俺が君の好意に見合うとは全然思えない……ごめん、弱音だな。精一杯努力する。君が少しでも幸福を感じられるように」
本当にそうか、貴様如きにそんなことができるものか。
「…………やだ。リーも、幸せになって」
「わかった。君と一緒に幸せになる」
心底からの疑念を全く裏切って、口から言葉が突いて出た。そんな馬鹿なと思っているうちに、ジルは身を捩り男へと向き直っていた。泣き腫らしたように赤くなった目元に胸が酷く痛んだ。
男の首にしがみつくように腕を回し、目を閉じ柔らかい唇で男の唇を塞いでいた。柔らかい体を可能な限り男へと押し付けてくる。誰にも教わらないまま、背中に回した腕で抱き締め返していた。安らぎと呼ぶには余りにも強烈な情動が互いの体の接点から交換されるのを感じていた。或いは、これを幸福と呼ぶのかもしれなかった。
†
翌朝、ジルは全く平常通りの態度で振る舞っていた。男は朝食の片付けを終えると共に市街への外出を告げた。
常の通り玄関口まで見送りに来たジルを特に考えもなく抱き締めていた。報酬系を刺激された獣のような自然さだった。ジルは驚いたが、すぐにあやすように回した腕で男の背中を撫で、早めに帰ってきてねとだけ口にした。
ファティマを見送り扉を閉めると同時に、ジルへと向き直った男は口を開いた。素っ気ない言葉とは裏腹に、恐懼そのものといった態度だった。男は平時木で鼻を括ったような態度を示すことが多かったが、つい先日ロイドという名を得て戻ってきてからはジルに対して以前からは考えられないほど素直な態度で接してくるようになっていた。
「ううん、私だってファティマさんのこと知ってたらほっとけないと思うし。あっさり言ってたけど、準備大変なんでしょ?」
5年の同居生活で男の用いる表現方法に精通していたジルは、男の態度と言葉からその意味するところを見出し、あっさりと逆算してみせた。男はますます情けない顔になり、後頭部をかいた。少女の示した配慮が全くの図星であったからだった。
元々年齢からすると異常なほど頭脳の回転が速い上、やはり環境ゆえと言うべきか、自身を案ずる者に対し常に(全く年齢不相応に)心配させぬよう振る舞ってきたため、ジルはこうした時読心術にも似た的確な理解を示すことが時折あった。少なくとも男は彼女の示す態度についてそう捉えていた。かつてはそれを好ましい成長だと思っていた(状況に対する洞察力は時に物理的能力よりも遥かに生存性に寄与する)が、今はむしろ申し訳ないと感じることが多くなっていた。彼女の心配りが全く自身の拙さ故に発揮されるようになっていたためだった。
「ごめん。ミッションに影響しない範囲で手伝ってもらうかもしれない。勿論君が良ければだけれども」
「もちろん!あまり遠慮しないで、その……リーが頼ってくれるなんてめったにないんだし」
実際にはジルの手を借りるまでもない。男なりの精一杯の甘言のつもりだった。にこりと笑った後、少し言葉に詰まったジルの様子が気にかかっていた。
†
男は自室のベッドに腰掛けたまま苦悩していた。その背後では男が何よりも優先する少女が背中を向けて毛布を被っていた。一言も口を聞いてはくれない。弱り切っていた。
つい先刻までは殆ど平常通りだった。ジルと二人で少し多めの夕食(二人共それを必要としないが、慣例として戦闘行動前は食事を減らしている)を摂り、食後のデザートを楽しみ、ジルが長湯している間に男は今後の準備を進め、ジルが髪を乾かしているうちに男はざっと体を洗い、とにかく常と変わらぬ時間の過ごし方をしていたはずだった。
テーブルランプの明かりで作業を再開していた男の部屋に、ジルが寝間着姿で乗り込んできたのだった。ノックも無く、滅多に見せることのない仏頂面だった。どうかしたのかと訪ねても、別に、とぶすりと言ったきり男のベッドに潜り込んでしまった。
手荒く拙かった。明らかに機嫌を損ねている。何に?少なくとも男に原因があることは間違いなかった。彼女は全く忍耐強く、些かどうかと思うほど親切心とでも呼ぶべきものを持ち合わせていて、つまり理由もなく不機嫌を他人に見せるようなことは一切無かった。彼女がそういった態度を見せるのは、ほぼ常に男が犯した過ちを詫びた時だった。
何が原因か。全く見当もつかなかった。男の余りにも浅い経験則の限界だった。ファティマとのやり取りやその後の態度に問題があったとは思えない。彼女はこれまで、男の示すものに得心しかねた時は速やかに問い質してきた。男も極力そうしてきた。お互いの主義主張に乖離があることを暗黙のうちに了解しつつも、その限界まで否定することは決して無かった。少なくとも男はそうしていたつもりだった。
秒針の立てる音が妙に煩い。元々こういった思索を全く得意としないため、酷く苦痛を覚えていた。原因の見えない曖昧な結果に対しては何の手立ても思いつかないのだった。だからと言って諦めはつかなかった。他の誰かならとうに投げ出していたが、今機嫌を損ねているのは他でもないジルだった。男にとってそれを諦めることは自殺に他ならない。
額に熱を帯びるほど悩んでいるうちに、男の思考は徐々に妄想とでも言うべきものに変わっていった。ジルの思惑、その行動が期待するところを空想と重ね合わせようとし始めていた。言うまでもなく危険な徴候であった。平時の男であれば空想が現実に容喙する等、と嘲笑すらしただろう。しかし同時に、どれほど愚かであっても具体的な結論と行動方針を有することは無策に勝るとも考えていた。ようやくのところで口を開いた。自棄に近い気分だった。
「その、なんというか、ごめん……」
「………………私こそ、ごめん」
その消え入りそうな小さな声は、男に鼓動が停止するほどの衝撃を齎した。男のそれよりも遥かに沈痛な声音であった。
「君が謝る必要だけは無い」
全く反射的な反駁だった。辛うじて聞き取れるような小声だったが、嗜めるというよりは叱り付けると言ったほうが適切な響きだった。
ごめん、と続けてから、壁を向いて横になっているジルの肩の辺りをそっと撫でた。毛布から白い手が伸び出て、獲物に噛み付くような俊敏さで指を絡めてきた。
ああもう、潰れたままの心臓が更に締め付けられるような思いだった。男の妄想は現実と乖離していなかったと気づいたからだった。ジルの所作は息を切らせて駆け込んできたファティマのそれとよく似ていた。思慕の情。男がかつて平穏を主菜に貪り読んでいた創作の一節に実によく似た情景だった。男女の情についての失敗談とでも呼ぶべきものだった。男はついぞそこから具体的な対策を見出すことはできなかった。
しがみつくように掴まれた手をそのままに、男もベッドに潜り込んだ。逆の手で恐る恐るジルの頭を浮かせて、そのまま腕を滑り込ませる。びくりとした他に抵抗は無かった。そのまま抱き締める。絡められていた手がおずおずと引っ張り込まれ、ジルの胸元へと押し付けられた。
「君が謝る必要だけは無いんだ。遠慮する必要も無い。無遠慮で過ぎた高望みだとはわかっているが、君には思うままに望んで欲しいんだ」
そっと、ただひたすらそっと囁いた。事の発端が何を偉そうな口を、と心中で罵倒の限りを尽くしてはいるが、こうでもしなければこの優しい娘は自らの黒いものをただ己の内に溜め込んでしまうだろうと恐れていた。それだけは嫌だった。男は全く無責任にジルの安息だけを願っていた。
ジルはますます強く男の手を胸へと押し当てた。柔らかい肉と骨の奥から頼りなく鼓動が伝わっていた。訳も無く安堵している自身に男は腹を立てていた。やがてジルはひっそりと口を開いた。
「…………嫌なこと、考えてました」
「聞かせてもらっても?」
「ファティマさんが、リーに抱きついた時。 ……その、リーが、わたしから離れていっちゃったような気がして……
リーが、わたしじゃない女の子にやさしくしてるの見て。……嫌だなって、思ってました」
か細く途切れ途切れの言葉に、男は一々頷いて傾聴していた。ジルの頭のすぐ後ろなので、それだけで伝わっていた。
「たまたまファティマさんが酷い目にあってたから、頼み事しにいった側のリーがやさしくしたんだって……
リーならそうするって、わかってたんだけど、 ……なにか、苦しかった」
「うん」
「ごめん…………困るよね、こんなこと言ったら」
「困りはする。君が一点の非も無いのに酷く苦しんだことと、そんな事態を招いた自分の間抜けさに」
本心からの言葉だった。男は、これまでの経緯にジルの責を認めることができなかった。
「……妙に好意を持たれてしまったのは、完全に俺の失敗だ。本当にごめん。
約束もしたし、俺も助けてもらってる。ファティマに協力することは止められない」
「……うん、わかってる」
「だけど、どんなことがあっても。俺がいたいのは君の元だ。他は最悪どうでもいい。君かそれ以外かなら、絶対に君を選ぶ」
死んでも君の側にいたい。そう言いたい衝動を辛うじて抑えていた。苦しめてばかりの俺のこんな無責任な言葉が、果たしてどれほどの誠意になるのか。自身の無能に脳内で無数の悪罵を投げつけていた男の手が、更に強く抱き締められた。柔らかい肉が押し潰されるような感触があった。ジルの耳は暗い部屋の中でその髪と殆ど混ざり合ってしまうほど赤くなっていた。自身の不甲斐なさが余りにも呪わしく感じられた。
「俺が君の好意に見合うとは全然思えない……ごめん、弱音だな。精一杯努力する。君が少しでも幸福を感じられるように」
本当にそうか、貴様如きにそんなことができるものか。
「…………やだ。リーも、幸せになって」
「わかった。君と一緒に幸せになる」
心底からの疑念を全く裏切って、口から言葉が突いて出た。そんな馬鹿なと思っているうちに、ジルは身を捩り男へと向き直っていた。泣き腫らしたように赤くなった目元に胸が酷く痛んだ。
男の首にしがみつくように腕を回し、目を閉じ柔らかい唇で男の唇を塞いでいた。柔らかい体を可能な限り男へと押し付けてくる。誰にも教わらないまま、背中に回した腕で抱き締め返していた。安らぎと呼ぶには余りにも強烈な情動が互いの体の接点から交換されるのを感じていた。或いは、これを幸福と呼ぶのかもしれなかった。
†
翌朝、ジルは全く平常通りの態度で振る舞っていた。男は朝食の片付けを終えると共に市街への外出を告げた。
常の通り玄関口まで見送りに来たジルを特に考えもなく抱き締めていた。報酬系を刺激された獣のような自然さだった。ジルは驚いたが、すぐにあやすように回した腕で男の背中を撫で、早めに帰ってきてねとだけ口にした。
ユニオン設備……なし!!
ユニオン連帯
……なし!!
ユニオン金庫……16798c
利子配当…………1679c
適性の訓練をしました
適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘においてAPを10%強化した
偽りの射ち手 「[献金しました] [献金しました] [献金しました] [献金しました] [献金しました] 」 |
メッセージ
◆戦闘結果
戦闘報酬
戦闘収入 1550
追加収入 55
攻撃戦果補正5.21%
支援戦果補正3.61%
防衛戦果補正2.81%
敵警戒値補正0.468%
追い上げ補正3.1%
合計現金収入1863
--弾薬費請求 0
--装甲費請求 -519
--整備控除修正額-19
整備請求額 -19
ユニオン費 -96
手当金 100
◆格闘値が1成長しました
◆経験値が60増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
追加収入 55
攻撃戦果補正5.21%
支援戦果補正3.61%
防衛戦果補正2.81%
敵警戒値補正0.468%
追い上げ補正3.1%
合計現金収入1863
--弾薬費請求 0
--装甲費請求 -519
--整備控除修正額-19
整備請求額 -19
ユニオン費 -96
手当金 100
◆格闘値が1成長しました
◆経験値が60増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
ゴーグルの少年は反応スプリング30を入手した!
ゴーグルの少年は3年保証書30を入手した!
マテリアルベルト発動機は制裁を受け、貢献の3割を失った……(1 → 1
◆0cの返還金を受けました
明日の戦場
第22ブロック
セクション・4[ハッキング]
セクション・4。金属球の行き交う、何かの物理回路。計算するのは――
来週の霧濃度:99%
来週の電磁波:89%
来週の警戒値:507%
ラムバー |
This |
クローロテース・タラッティア |
M.D.F空軍ゼファーチーム |
藤山田 典史郎 |
suzu |
DD-E3R |
楊枝 シンクロウ |
ハレ |
クレイ・サーストン |
ルーゼンエッタ |
Ende |
誘蛾灯 |
シレナ・トバイアス |
セレード・ハウエル |
ゴーグルの少年 |
ラルフ・ミルトン |
プラズマ砲研究開発担当『メリーベル』 |
キング・ブラックリスト |
18'til i die |
--- | --- | --- | --- | --- |
--- | --- | - vs - | --- | --- |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫[デバステイター] |
『霊場』[霊障] |
『火焔浮遊機雷』[火炎] |
未確認機『コロッソス』[電子] |
機動破壊兵器『ダウンバースト』[粒子] |
機動破壊兵器『ダウンバースト』[粒子] |
『火焔浮遊機雷』[火炎] |
機動破壊兵器『ダウンバースト』[粒子] |
機動破壊兵器『ダウンバースト』[粒子] |
『火焔浮遊機雷』[火炎] |
未確認機『コロッソス』[電子] |
機動破壊兵器『ダウンバースト』[粒子] |
『火焔浮遊機雷』[火炎] |
『霊場』[霊障] |
『霊場』[霊障] |
『火焔浮遊機雷』[火炎] |
『火焔浮遊機雷』[火炎] |
『霊場』[霊障] |
機動破壊兵器『ダウンバースト』[粒子] |
『巨大鉄球』[物理] |
『巨大鉄球』[物理] |
『巨大鉄球』[物理] |
キャラデータ
名前
ゴーグルの少年
愛称
ゴーグルの少年
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロフィール
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
__0__1__2__3__4__5__6__7 __8__9_10_11_12_13_14_15 _16_17_18_19_20_21_22_23 |
機体データ |
|
|
1 | 操縦棺A | 簡易操縦棺A [20/臂力/---]《装備:1》 | ▼詳細 |
---|---|---|---|
2 | 軽二脚A | 簡易軽二脚A [20/臂力/---]《装備:2》 機動[686] 跳躍[175] AP[438] 旋回速度[659] 防御属性[物理] 防御値[360] 貯水量[87] 積載量[1900] 消費EN[270] 金額[360] 重量[700] [二脚] *作者* |
▼詳細 |
3 | エンジンB | 簡易エンジンB [20/臂力/---]《装備:3》 | ▼詳細 |
4 | エンジンB | 簡易エンジンB [20/臂力/---]《装備:4》 | ▼詳細 |
5 | エンジンB | 簡易エンジンB [20/臂力/---]《装備:5》 | ▼詳細 |
6 | 領域瞬間霊送箱A | 簡易領域瞬間霊送箱A [20/臂力/---]《装備:6》 | ▼詳細 |
7 | 領域瞬間霊送箱A | 簡易領域瞬間霊送箱A [20/臂力/---]《装備:7》 | ▼詳細 |
8 | 領域瞬間霊送箱A | 簡易領域瞬間霊送箱A [20/臂力/---]《装備:8》 | ▼詳細 |
9 | 重ブースターA | 簡易重ブースターA [20/臂力/---]《装備:9》 | ▼詳細 |
10 | 重ブースターA | 簡易重ブースターA [20/臂力/---]《装備:10》 | ▼詳細 |
11 | 電磁ブレードA | 簡易電磁ブレードA [20/臂力/---]《装備:11》 火力[2091] 連撃数[1] 防御属性[物理] 防御値[684] 精度[70] 貯水量[219] 弾数[9999] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[1080] 金額[360] 重量[200] [電子格闘] *作者* |
▼詳細 |
12 | パンツァークリンゲA | 『追想の影打ち』 [20/臂力/---] 火力[1634] 連撃数[1] 防御属性[粒子] 防御値[810] 貯水量[333] 弾数[8] 武器属性[衝撃] 異常追加[46] 消費EN[18] 金額[360] 弾薬費[20] 重量[170] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
13 | パンツァークリンゲA | パンツァークリンゲA設計書 [20/貯水/---] 特殊B[80] 貯水量[24] [設計書] |
▼詳細 |
14 | 素材 | 粒子吸着材20 [20/耐粒/---] [素材] |
▼詳細 |
15 | 素材 | 姿勢制御装置20 [20/飛行/---] [素材] |
▼詳細 |
16 | 素材 | ブラックボックス20 [20/誘発/---] [素材] |
▼詳細 |
17 | 放電コイルB | 試製耐物放電コイルB-0 [20/耐物/耐霊] 火力[1371] 発射数[1] 防御属性[霊障] 防御値[460] 精度[17] 貯水量[438] 弾数[8] 武器属性[対地] 異常追加[12] 消費EN[630] 金額[360] 重量[800] [電子射撃] *作者* |
▼詳細 |
18 | ヒートストリングA | 試製機動ヒートストリングA-0 [21/機動/機動] 火力[399] 連撃数[4] 防御属性[火炎] 防御値[767] 精度[195] 貯水量[44] 弾数[20] 武器属性[速射] 異常追加[40] 消費EN[9] 金額[366] 弾薬費[5] 重量[160] [火炎格闘] *作者* |
▼詳細 |
19 | 速射パルス砲A | 試製耐電速射パルス砲A-0 [22/耐電/飛行] 火力[135] 発射数[10] 防御属性[電子] 防御値[256] 精度[135] 貯水量[135] 弾数[40] 武器属性[速射] 異常追加[25] 消費EN[16] 金額[371] 重量[200] [粒子射撃] *作者* |
▼詳細 |
20 | 高速増殖培養槽A | 試製精度高速増殖培養槽A-0 [23/精度/保証] | ▼詳細 |
21 | 素材 | 神秘合金25 [25/高圧軽量/---] [素材] |
▼詳細 |
22 | 素材 | 特殊合金25 [25/重装甲/---] [素材] |
▼詳細 |
23 | 素材 | 反動吸収機構26 [26/変形/---] [素材] |
▼詳細 |
24 | 素材 | 姿勢制御装置26 [26/飛行/---] [素材] |
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25 | 素材 | 反応スプリング27 [27/跳躍/---] [素材] |
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26 | 素材 | 姿勢制御装置27 [27/飛行/---] [素材] |
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27 | FCSC | 試製精度FCSC-0 [27/精度/耐物] | ▼詳細 |
28 | 領域瞬間霊送箱A | 試製AP回復領域瞬間霊送箱A-0 [28/AP回復/耐霊] | ▼詳細 |
29 | 素材 | 反応スプリング30 [30/跳躍/---] 特殊B[280] [素材] |
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30 | パンツァークリンゲA | 『偽影』 [29/重霊障/耐火] 火力[1892] 連撃数[1] 防御属性[火炎] 防御値[977] 貯水量[383] 弾数[8] 武器属性[衝撃] 異常追加[46] 消費EN[20] 金額[414] 弾薬費[20] 重量[228] [物理格闘] *作者* |
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