引き続いての防衛から帰還を果たした、マーティとシェリー。
しかしながら、相手の戦力も十分だったために、
防衛のみはできた、としか呼べない状態でもあった。



「こいつは、見誤ったみたいだねえ。」
少し含みを持たせるように、そんな言葉をこぼすマーティ。

ひとつは帰還の前に見た相手の火力。
想像以上に集中されたそれに、不意をつかれた辺りは、
出撃時の恐ろしさを再確認させられていた。

そして、もうひとつは、改良を試みた刃の状態であった。



そんなすがたをみて、ちょっと心配なシェリー。

マーティに心配してもらっているのが、わかるけれど、
はげますのを、いそいだって、きっと気にしちゃうから。

だから、よりかかりながら、こっそり気にするの。
「マーティ、気づいちゃうかしら・・・」



刃の重量でない重さを振り返りつつ、
機体と気持ちを立て直そうとする、すがた。
それは、ゆるやかに状況を動かし始めようとしているかのようであった。