メッセージ
◆[拠点][通信][作戦][演習][予定][経歴][機体]
ENo.116からのメッセージ>>
ぎゃるぎゃるとキャタピラをきしませて、傭兵寮の前に大型のハイドラが止まり、煙を噴いた。
松茸守りの西垣「えーとォ、本日よりご厄介になりますオオクラ…元オオクラ菌業栽培管理部の西垣と申しますけれどもォ！！管理人さんご在室で…」頭部ハッチを開いてひょっこり飛び出したビスコが、拡声器でがなりたて、途中で見覚えのある顔を認めると、からっと笑顔になって手を振った。
松茸守りの西垣「あゆりちゃん！！おれだよ、西垣ビスコ。ごぶさた！
会社、潰れちゃってさァ。
おれも今日から傭兵稼業のお仲間だよ。」
アクタガワの背負ったカゴから大量の松茸を袋に詰めて、キャタピラから器用に跳ね降りるビスコ。
松茸守りの西垣「先輩にはお納めいただかねーと。これ、松茸！
こないだ焼いて食ったやつより、数段、新鮮だぜ！
あ、大丈夫。部屋まで持ってくよ！」
松茸守りの西垣「演習もさ、お手柔らかに頼むよ。おれが勝ったら…、そうなァ、おれが勝ったら、一日デートってことでどう？」
ENo.148からのメッセージ>>
（泳ぐ、という言葉に、うんうんと頷きを返す。頭の上高くに片手を上げて、すーっと滑らせるような動き。あなたの視線を追って術導肢らしい球体を見やれば、肩をすくめて笑ってみせた。雑なアセンブルではあるが、少女は自身のハイドラをいたく気に入っている様子なのは、その表情から窺い知れただろうか。）
（なので、『飛ぶのは、わたしのキリウヅキのほうが速そうだね。』という言葉には、露骨にムッとした表情を見せる。しかし確かに少女の機体はほとんど装甲飛行艇といったていで、浮遊型の術導肢も加速には向かないであろう形状だった。あなたの顔を少しの間抗議の視線で見つめていたが、やがてあきらめたように一つ息を吐き、まあね、といった風に眉を上げて肩をすくめた。）
（そうして、笑みの形に口の端が上がる。瞬きもせず、数秒。後ろ手に手を組んだまま、少女はあなたを見つめ続けて、やがて首を傾け、その長い髪を揺らして目を細めた。それからくるりと踵を返すと、すたすたと歩き出し、そうしてどこかへ行ってしまった——足の不自由であろうあなたのことを、自分勝手に連れてきておいた挙げ句、置き去りにして。）
（翌日。作戦終了後、帰還するあなたのレーダーに反応がひとつ。霧はほとんど出ていなかったが、高い電磁波の向こうで、しかしその機体は泳いでいるように見えた。角のようなレーダーの特徴的な、魚にも似たあの機体だった。光信号。恐らく、あなたがその意味を解することは、できない。それでもその光信号も、昨日、あなたがかわいいと言ったあの術導肢が、空中を飛びながらくるりと踊るように自転し自らを誇示するような様も、確かにあなたに向けて行われているように見えた。しかし、それだけ。たったそれだけ。ノイズが走る。強いノイズが。空間に、あるいは遠くを泳ぐ機体それ自体に。やがて電磁波に紛れて、その機体は残像領域のどこか遠くへ消えてしまった。）ENo.152からのメッセージ>>
浮かび上がった機体の放った霧の圧力に、白いハイドラが一歩足を引いてこらえる。装甲の表面を霧が流れ、ぎしぎしと圧を伝えてくる。機体前面のライトサイン。かつて面白半分で教えられたその意味は、戦場でまた会おう、だったか。それを教えてくれた、趣味の悪い担当医の女ももういない。
…また会おう。もう既に霧の向こうへ見えなくなった、彼女へと心の中で返礼する。その願いは、恐らく叶わないだろうということを自覚しながら。
歯を食いしばるような、ひたむきな印象の彼女を思う。叶わぬであろう再会を願うことの意味を、彼女は知っているだろうか。
生き永らえたら、いつか自分より遥かに強くなった彼女に叩きのめされるのも楽しそうだ…そう思いながら、白いハイドラはブースターで襤褸を翻し、瞬きの間にいなくなった。メッセージを送信しました
>>Eno.36 >>Eno.56 >>Eno.109
オペレーター「神の御加護があらんことを……神の御加護があらんことを」
ズイコウ「行きますよ――あゆり、」
空気と空気のこすれる音、霧の粒の震え。魚ともナイフとも見える機影が宙に泳ぐ。
未確認WH『ミスト・アヴェンジャーⅡ』「クレープでも食べる？ 手を繋ぐ？ 遊園地に行こうか……君の、好きなように！」
装甲飛行艇『ドルフィン』「上昇！」
『幽霊戦闘機』「……」
『クーゲルパンツァー』「こ、これどうやって攻撃するんだ…？」
【5535/5535】
キリウヅキ
「先生、あっちです！」
「ヨシッ……」
「火傷しますよ！」
「はあ。はあ。……！ 作戦……完了！ です！」
「えっと……こんにちは！ よろしくお願いします」
銭龍 -qián Lung-
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