ENo.0021　偶像のアーシア

その子供はサルヴァと言った。
やっと立てるか立てないかといった程度の歳の頃に救貧院の門に繋がれていた。
他の捨て子と違い名前を示すものは何もなく、ただ紐で胴をくくりもう片方を門に縛り付けてあった。
その紐ですら染みの出来た古いカーテンを裂いて作ったようなものだった。
子供はその日の聖人にちなみサルヴァと名前をつけられた。
他の子供たちと食べ物や衣類やその他のものを奪い合うような生活をして育った。ただ、サルヴァは金色の髪をしていて顔立ちが整っていたので救貧院の修道士たちは養い親が見つかるだろうと思っていた。


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ウォーハイドラの名前はイルデアギスタ。
磨き上げた金属で組まれている。油をたっぷりさしている。
どこにも汚れや欠けは見当たらない。
格納庫の扉がぎい、と開く。
老人が顔を出す。片手にウェスを持ちイルデアギスタを磨き上げた。