ENo.0037　四丸重工試験三課

「‥‥というわけだ。我々試験三課はユニット性能試験用ウォーハイドラ『コンモドゥス』を用い、各種ユニットの実地性能試験を行うことになる」

「なんかけったいな名前だなぁ、コン‥‥なんだって？」

「『コンモドゥス』。滅茶苦茶強かった大昔の皇帝の名前らしい。ネーミングは開発二課長の趣味だから文句はそっちに言えチカマツ。それで、まず試験を行うのは脚部ユニット『アキレス』だ」

「足めっちゃ弱点ですね」

「文句は開発二課に言えキリシマ。いいか、最優先事項はデータを確実に持ち帰ることだ。特に試験対象ユニットの破損は絶対に避けるように」

「無茶言うねぇ、私ら兵隊じゃないんだよ。動かすだけでもいっぱいいっぱいさ」

「安心しろナカダ、『コンモドゥス』は操作系統が分割できる。5人がかりならそれなりになんとかなるだろう。電子系はチカマツ、駆動系はナカダ、火器はキリシマとヒムラで分担しろ。全体の指揮は俺が執る」

「危険手当ちゃんと出るんでしょうねえ？」

「たんまり出るらしいから安心しろヒムラ、各自ちゃんと遺書も書いとけよ。それじゃあ今日のミーティングは終わりだ、各自作業に移れ。おっと、出撃の期日までにシミュレーション済ませておくのを忘れるなよ」