ENo.0070　ユリア・クールハート

『ＴＵＲＮ０２：真面目に行くと思ったか？　残念だったな！』

『はーいそういう訳で始まりました、霧戦争！　MIST！　OF！　WAR！』
『なんでもアリのはちゃめちゃな世界を、操縦者ユリアと、制御AIになっちゃった僕、エルシスの二人で突っ走ります！』
「……………」
『どうしたの、ユリア？　なんだか顔が怖いよ？』
「エルシス」
『なに？』
「お前、そんな性格だったか？」
『えー、何言ってるのユリア。もう本編は終わって数年経ってるんだし、あの世界から解き放たれたんだから、こういうのは、楽しんだ者勝ちだと思うよ？』
「本編とか言うな！」
『しかもこの日記の作者は定期ゲー完全初心者で、第１回更新に日記が必要だと思って、とても真面目なプロローグを書いてたんだって。要らないんだって周りからツッ込まれて頭抱えたらしいよ』
「メタネタはやめろォォォォォ！」
『あっほら、ユリアも絶対に本編ではしなさそうな、すごい絶望顔してるよ今。そうそう、そんな反応が欲しいんだ』
「私は真面目に戦いたいんだが！？」
『「霧の人の優しいチュートリアルを読んで、コルヴスさんの中の人から説明も受けたけど、とりあえず積載量超えてないから現行の装備で突っ走れ」という天のノイズが下りました』
「天のノイズって何！？　あとコルヴスって誰……あ、ああ、前にすれ違った、空を飛ぶウォーハイドラの男か」
「まだ戦場を共にした事は無いが、かなりの手練れに見えるな」
『うん、彼はすごいね。あと……』
「あと？」
『僕と似たような存在を感じた。だから、彼とはいつか通信してみたい』
「そうか」
『ひとまず、ユニオンでお世話になってるニーユさんのところへご飯を食べに行こうよ。本当に現行装備のままじゃ、いつか墜とされるかわからないからね。僕としてもそれはごめんこうむりたいから、アドバイスもらいついでに、さ』
「そうだな。でも」
『でも？』
「思っていたが、お前はその状態じゃあ飯を食えないだろ。どうやって維持しているんだ」
『うーん、別にお腹が空かないんだよね。だけど、この機体内に霧を循環させた時に、食後の満腹感に似たものは感じる』
「霞を食って生きる仙人みたいだな……本当に、何でもありの世界か」
『うん。でもだからこそ楽しいよ。君と一緒にこの世界を行けるのが』
「そうか」
『うん、そう。だからまずは、君の腹ごしらえに行こう。君が空腹で倒れちゃったら、僕はここで「トリグラフ」と一緒に立ち往生だからね』
「はは、そうだな」
『……あ』
「どうした？」
『「ニーユさんのご飯がどっちの方向に振れるのかによって、次回の日記の内容が変わります」って天のノイズが』
「だから天のノイズとかはやめろとォォォォォ！！？」

To be continued...