第2週目 モニカ・フランクリンの一週間
◆日記
私にはお兄ちゃんがいる。優しいお兄ちゃんだ。
ちょっと気弱なとこもあるけど、おっちょこちょいだけど、明るくて、優しいお兄ちゃんだ。
大好きなお兄ちゃん。
二人で生きていこうと言った。
ずっと、待っていた。
■
「……おじーさん、まだです? いつも結構遅れる感じなんですか?」
待ち人、来たらず。
ブローカーのおじいさんが出してくれたお茶はすっかり冷めてしまっている。
落ち着かない私の様子に、おじいさんはくしゃくしゃの顔を人懐っこく歪めてみせた。
おじいさんの経営してるパーツショップのガレージで、案内された椅子に座って、私は人を待っていた。
倉庫っていうか格納庫っていうか。不思議な機械の部品だとか装備だとかが並べられて、気にはなるけど、私はこんなにおっきな機械は弄ったことがない。せいぜいバイクが関の山。
でもそのパーツたちが何に使われることかくらいは知っていた。
冷めきったお茶を啜っていると、おじいさんはそろそろだな、そう言って立ち上がった。
やがて遠くから、機械の駆動音が、一際大きなものが聞こえてくる。
そうして姿を現したのが――ウォーハイドラ。
ウォーハイドラ。大きな大きな巨大兵器。
主に残像領域と呼ばれる戦場で使用される、物騒な機械だ。
そのウォーハイドラに乗って戦う人たちを、ハイドラライダーと言う。
私のお兄ちゃんはハイドラライダーだった。
待ち人が来た。
今更になって緊張に早まる動悸をなんとか抑えようとして、湯呑を握る力に手が籠もった。
ウォーハイドラから降りてきたのは男の人だった。黒髪で、すごく背が高い。見覚えがあるはずだけど、ずっと昔のことで、記憶とはうまく噛み合わない。
暫くおじいさんと話をしていた彼が、不意にちらとこちらを見た。
視線が合う。意を決して立ち上がり、彼の方へと足を踏み出す。
すぐ近くで足を止める。不機嫌そうな顔をまっすぐに見上げた。
お兄ちゃんと同じくらいだな、と思った。
「俺がキリト・閃鐳・イサラギだ。…何の用だ?」
「あ、あのっ、……私、モニカ・フランクリンって言います。……フランクリン、です、その」
いっぱいに見返していたはずの視線が、どうしてもそこで少しだけ、落ちた。
「お兄ちゃんの、……ロニーの、妹。です」
「ロニーの…?」
私のお兄ちゃんはハイドラライダーだった。
目の前のキリトさんと同じ、私にはよくわからないチームに所属していて、楽しそうにしていた。
そのチームは今は解散してしまったけど、お兄ちゃんはキリトさんを慕っていた。それで、お兄ちゃんは彼を追いかけてハイドラライダーになった。
離れたくないと駄々をこねる私に、お兄ちゃんはすっかり困り果てた顔をしていた。
長い長い問答の末、頭を撫でて言われたことを覚えている。
ハイドラライダーになればたくさん金を稼げるんだ。生活が安定したら、迎えに来るから。
置いてっちゃって、ごめんな。
目の前の人は少しだけ驚いた様子を見せて、でもすぐに仏頂面に戻ってため息をついた。
「……それで、ロニーの妹が俺に何の用だ」
「お兄ちゃんを探してるんです。……連絡、来なくなったんです。マメなタイプじゃなかったけど、何ヶ月も連絡が来ないのなんて初めてで」
あの笑顔が脳裏を過ぎって、思わず拳に力がこもる。
「お兄ちゃん、ハイドラライダーになるって言ったのも、あなたを追いかけてでした。一緒に仕事してるって、色々教わってるって、メールで言ってて、だから」
「あなたに訊けば、分かると思って」
私がここに来たのはそのためだった。
お兄ちゃん。連絡のなくなったお兄ちゃん。何か起きたのかもしれない。残像領域のことは私には分からない。だから、必死になって、私が知っている一番お兄ちゃんに近い人を探り当てた。
もう後戻りできないから。前に進んでいくしかないから。
目の前の背の高い男の人は、もう一度ため息をついた。失礼な人だな、内心そう思って――
「ロニーは死んだ」
――思っ、て。
「……え、と……?」
「ロニー・閃鐳・フランクリンは半年前に死んだ。残像領域の戦場で、ハイドラライダーとして、己のウォーハイドラの中でな」
「な、……なんで!?」
なんで。
どうしてそんな、想像もしていなかった、嘘、考えたくなかった、だって、お兄ちゃんがこんな風にいきなり連絡なくすなんて、でも、考えたくなくて、否定されたくて、だから嘘だと思ったしなんでだって。
「死んだって、なんで!? お兄ちゃんが!?」
伸ばした手はどうしたってお兄ちゃんには届かない。掴まえたのは堅い掌だった。
知らない掌だ。
「なんでも何も、戦場では生きるか死ぬかの2択しかない」
その人は、眉一つ動かさなかった。冷たい視線に射抜かれる。でも怖くなんてなかった。
視線よりも、何よりも、その言葉の方が怖かった。
「ロニーは死んだ。ただ それだけだ」
手を払われる。立っていられなくて転ぶ。
お尻を強かに打って、痛い、痛くて、でもお兄ちゃんが死んでるなら痛いのだってもうない。
死ぬ時は、
「……しんだ、の?」
痛かっただろうか。
「同じことを何度言わせる気だ?」
話はそれだけか。険しい顔で見下されて、反射的に彼の顔を睨み返す。
それだけって、そんな、だって死んだのに、お兄ちゃんが、そのことを、それだけなんて、
「そんな、の――ぁ」
なのに言葉がうまく出なくて、ぜんぜん喋れなくて、見上げる姿が歪んで、頭が熱い。頭だけじゃない、目も、なんかもうどこも熱くて、
なのに心の奥底が冷え切って戻らない。
お兄ちゃん。
お兄ちゃん。
ボロボロと涙が落ちる。みっともなくて悔しくて悲しくて、悲しくて、お兄ちゃん――お兄ちゃん。
お兄ちゃん。
お兄ちゃん。
どうして、どうして――お兄ちゃん。
■
『敵影確認!』
「まっまた!? わっ――ああ、もう、っこの! ぎゃっ」
力任せに操縦桿を引く。轟音と振動。共に目の前のウォーハイドラを鉄の杭で撃ち抜いてから慌てて後退り。
倒れ掛かる機体にちょっとぶつけられてバランスを崩したけど、無様に転ぶことだけはなんとか避けられたけど。
「何機来るのよ! まだ一対一以上とか――」
『敵影確認! 敵影確認!』
「はい!? 追加!?」
嘘でしょ、呟いたところでこのウォーハイドラに積み込んであるAIはごく簡易のもので、基本的に会話なんてできやしないし私が何言っても敵影確認しか返さない。
モニタを見ればそれが嘘じゃないことは分かるけど、分かるけど、分かったところで!
「……囲まれるのとか、一対一どころじゃないよねえ」
言ってるうちに二時の方角。一番最初に見えた敵が何やら撃ってきて、えーと多分ミサイルだ、慌てて防御態勢を取るもののめちゃくちゃに機体が揺れた。ヘルメット越しでも耳が痛い。
やばいやばいやばい。速射砲を撃ち返すも威嚇程度にしかならない、ええと、ええとこういう時は、
「こちらヘリオトロープ、モニカ・フランクリン!」
友軍! ていうか味方! 回線を開いてなるべく広範囲に呼びかける。
多分敵にも聞こえてるだろうけどもう仕方ない!
「現在当機四方に敵機確にッ……みっ!? わあっ!?」
爆煙に紛れて接近した機体の一撃をブレードで受け止めて、でも他から撃たれてる、機体がガリガリと削られてる感じ、生きた心地がしない!
でもまだ生きてるし生きるし、ああもう、とにかく潰す! 思いっきり蹴りで突き放し、あっ掴まれ、わっわっ!? えっ!?
「わあっ!? たすけっ……ちっちが、えええと、救援!」
足を持ち上げられてぐるりと世界が回りかける。パイルで相手の腕をぶち抜いて体勢を立て直そうとしてまた爆音。振動。びりびりと嫌な音。
「救援求め、わ――ッ!?」
STORY
本日のニュースです先日発生した企業連盟の基地爆破事件について、連盟は熾天使旅団を名指しで批判しています
熾天使旅団はリソスフェア要塞を支配する西方辺境最大の軍閥であり、素直に賠償を受け入れるとは思えません
各地の勢力は、企業連盟、または熾天使旅団を中心とした辺境軍閥か。いずれかの勢力への支持を迫られています
一方、ハイドラ大隊の総指揮を執る≪霧笛の塔≫関係者は企業連盟に対し不信感をあらわにしています
証拠こそないものの、基地爆破事件は絶妙なタイミングであり、辺境軍閥は苦しい立場に立たされ……
◆訓練
格闘の訓練をしました格闘が10上昇した
格闘の訓練をしました格闘が11上昇した
反応の訓練をしました反応が10上昇した
整備の訓練をしました整備が10上昇した
整備の訓練をしました整備が11上昇した
◆送品
◆送金
◆破棄
◆購入
モニカはHS-244Jを360cで購入した!!
モニカは試作型エネルギー変換器『AR-001』を360cで購入した!!
モニカはモノクローム・ゴーレムを360cで購入した!!
◆作製
作成時補助発動! 耐火!! 防御属性が 火炎 に変化!!
火炎強化!
消火装置20と加速装置20を素材にしてスイートビーナスを作製した!!
◆戦闘システム決定
ノーマル に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1に簡易操縦棺を装備した
脚部2に簡易中二脚Aを装備した
スロット3に簡易頭部を装備した
スロット4に簡易腕部を装備した
スロット5に簡易速射砲を装備した
スロット6に簡易粒子ブレードを装備した
スロット7に簡易エンジンを装備した
スロット8に簡易レーダーを装備した
スロット9にレッドバーレットを装備した
スロット10にHS-244Jを装備した
スロット11に試作型エネルギー変換器『AR-001』を装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆僚機設定
キリト・閃鐳・イサラギとバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
ユニオン活動
ランダムの訓練をしました
ランダムが1上昇した
ランダムの訓練をしましたランダムが1上昇した
ランダムの訓練をしましたランダムが1上昇した
ランダムの訓練をしましたランダムが1上昇した
ランダムの訓練をしましたランダムが1上昇した
メッセージ
◆戦闘結果
戦闘報酬
戦闘収入 1100
攻撃戦果補正5.16%
支援戦果補正4.88%
防衛戦果補正5.91%
合計現金収入1285
整備費 -582
ユニオン費 0
◆経験値が15増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
攻撃戦果補正5.16%
支援戦果補正4.88%
防衛戦果補正5.91%
合計現金収入1285
整備費 -582
ユニオン費 0
◆経験値が15増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
モニカは対魔呪符21を入手した!
モニカは消火装置21を入手した!
明日の戦場
第6ブロック
遺産兵器発掘
古代の遺産兵器が発見されたらしい。敵企業の部隊が向かっている。奴らを一人残らず撃退してくれ
来週の霧濃度:40%
来週の電磁波:40%
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キャラデータ
名前
モニカ・フランクリン
愛称
モニカ
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プロフィール
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Monica Franclin 褪せた茶髪を肩ほどまで伸ばした碧眼の少女。 17歳。身長は150cmの半ばほど。 背丈に見合わぬバストの持ち主だが驚くほど色気がなく、 未成熟といった印象を強く与えてくる。 情動が激しい。 泣き虫のくせ言葉を、感情を潜めるということを知らず、 思ったことを端から口に出す猪突猛進型の跳ねっ返り。 本当によく泣く。泣くのにそのことで行動にブレーキがかかることがない。 割と厄介。 ジャンク街の生まれ。 手先が器用で機械と相性がよく、 機器類のちょっとした修理を請け負うことで小銭を稼いでいた。 継父と二人で暮らしていたが出奔、 兄の背を追いかけてハイドラライダーとなる決心をする。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機体データ |
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1 | 操縦棺A | 簡易操縦棺 [20/---/---]《装備:1》 | ▼詳細 |
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2 | 中二脚A | 簡易中二脚A [20/---/---]《装備:2》 機動[406] 跳躍[131] AP[1316] 旋回速度[438] 防御属性[物理] 防御値[360] 貯水量[175] 積載量[2500] 消費EN[180] 金額[360] 重量[1000] [二脚] *作者* |
▼詳細 |
3 | 頭部A | 簡易頭部 [20/---/---]《装備:3》 | ▼詳細 |
4 | 腕部A | 簡易腕部 [20/---/---]《装備:4》 | ▼詳細 |
5 | 速射砲A | 簡易速射砲 [20/---/---]《装備:5》 火力[219] 発射数[4] 防御属性[電子] 防御値[180] 精度[175] 貯水量[8] 弾数[15] 武器属性[速射] 異常追加[35] 消費EN[4] 金額[360] 弾薬費[50] 重量[150] [物理射撃] *作者* |
▼詳細 |
6 | 粒子ブレードA | 簡易粒子ブレード [20/---/---]《装備:6》 火力[1053] 連撃数[1] 防御属性[電子] 防御値[540] 精度[87] 貯水量[175] 弾数[9999] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[360] 金額[360] 重量[150] [粒子格闘] *作者* |
▼詳細 |
7 | エンジンB | 簡易エンジン [20/---/---]《装備:7》 | ▼詳細 |
8 | レーダーA | 簡易レーダー [20/---/---]《装備:8》 | ▼詳細 |
9 | パイルA | レッドバーレット [20/臂力/---]《装備:9》 火力[1667] 連撃数[1] 防御属性[粒子] 防御値[720] 貯水量[263] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[90] 金額[360] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
10 | パイルA | スイートビーナス [20/耐火/機動] 火力[1675] 連撃数[1] 防御属性[火炎] 防御値[736] 貯水量[264] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[90] 金額[360] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
11 | 素材 | バッテリー20 [20/出力/---] | ▼詳細 |
12 | 素材 | 対魔呪符21 [21/耐霊/---] 特殊B[100] [素材] |
▼詳細 |
13 | ヒートストリングA | HS-244J [20/耐物/---]《装備:10》 火力[263] 連撃数[4] 防御属性[物理] 防御値[718] 精度[193] 貯水量[43] 弾数[20] 武器属性[速射] 異常追加[40] 消費EN[9] 金額[360] 弾薬費[5] 重量[160] [火炎格闘] *作者* |
▼詳細 |
14 | エンジンA | 試作型エネルギー変換器『AR-001』 [20/重量軽減/---]《装備:11》 | ▼詳細 |
15 | 放電コイルA | モノクローム・ゴーレム [20/耐電/---] 火力[1316] 発射数[1] 防御属性[電子] 防御値[376] 精度[70] 貯水量[263] 弾数[3] 武器属性[貫通] 異常追加[5] 消費EN[1260] 金額[360] 重量[700] [電子射撃] *作者* |
▼詳細 |
16 | 素材 | 消火装置21 [21/耐火/---] 特殊B[100] [素材] |
▼詳細 |
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