ENo.0280　エステラ・ヴォルフラント

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……コクピットハッチを開けた状態で一人でハンガーユニット操作用の機器を操作する、簡易とはいえ一式の整備や換装は出来るようで次の依頼に備えて愛機に外付けの装甲やら火器やらを装着させていく。
普通なら整備の知識を持った人間に頼む方が確実だし手間も掛からないが整備を任せて足が付くなんていうヘマはしたくないし、何よりこの子を私以外の人間に触らせたくないのが本音だ…。

「ふぅ…・…大体終わったかな…。それにしても一度は消えた部隊がまた現れるなんてどういう事なんだろ……、一人や二人ならともかく1個師団クラスの人数がMIAとか神隠しじゃあるまいし……」

次の依頼の内容が映されたタブレットを片手に取り、そんな事を呟く、確認できた限りの内容だと『ある部隊が霧に隠れて消息不明になった後、再び現れこちらを敵だと思い攻撃を続けている為全滅させて欲しい』との事だ、正直気分が良い内容では無いが依頼を受けた以上はやるしかないと自分に言い聞かせる。

「……そういえば今回から僚機の子も来るんだっけ……。名前は……アルマロス、見た目は私とあまり差が無いけど…戦闘は大丈夫なのかな？って…まぁ私みたいなのも居るし余計なお世話か……」

タブレットの画面をフリックし前回紹介されたパートナーの情報を表示する、一人で行動する事が多かったせいもあってペアでの戦闘は得意とは言い難いが…まぁなんとかなるだろう。

「……お腹空いたな、出撃までまだ時間もあるし……何か食べて一眠りしよ……」

美味とは言い難い固形の携帯食料を齧り、コクピットの中で小さくうずくまり寝息を立てる、出撃の時間を勘違いし数時間後に眠い頭のまま戦場に駆り出される事になるとはこの時の私は予想もしてなかった……。