ENo.0424　ジュリア・オッペンハイマー

私、ジュリア・オッペンハイマーは物理学者である。

その物理学者様がなぜ
「機械」なのか「オカルト」なのか、
メインのジャンルさえも定かではない兵器『ハイドラ』なんかの
パーツをせこせこと組み立て、競りに出し、
あまつさえ清掃と名ばかりの戦場にすら顔を出しているかと言えば、
答えは単純である、

「金」と「名声」だ。


自分のような若い物理学者様がどれだけ
斬新で、革新的で、マーベラスな理論を考えつき、
それこそこの世界に常識をひっくり返すような
発明を設計しようとも、「金」がなければ実現せず
「名」が売れてなければ炉端で歌う三文詩人ほども
聞いてもらえないのである、アームジョー。

長々と独白めいた書き出しで、日記を綴っているが、
これは日記であり、遺書でもあるのだからしょうがあるまい。
ここに来たばかりのころ、先程の「清掃」のお仕事で、
さっそくも命を落としたものがいると聞いたのだ。

野心を頂いたまま、只々死ぬわけにもいかないが
未だ紐解いている途中のこの世は、何が起こるかわからないのが常である。


なのでもう一度書いておく、
私の名前はジュリア・オッペンハイマー
物理学者である。



(文末にデカデカと自己紹介を書きなぐられているが
日記の端に小さくもう一文書かれている)




私が死んだら 残った金は、実家に置いてきた犬、ユリウスの一生分のおやつ代にするように。

砲兵による砲兵の為の砲兵のユニオンである
もちろんユニオン活動は射撃の訓練を主に行う