ENo.0013　ロコ・シュタール

※ちょっとしたメタ話からお送りします

ババーン！！！

「実は前回から始めたんだけど、造った部品にこんな感じのアイコンを付けるようにしてみたんだ。残念ながらカタログからは確認できないんでアピールの材料にはならないんだけどね！　商品なんて見た目より質だと思うし！」

「いわゆる（PLの）自己満足ってやつさ。
どうかな？　それっぽく見えるといいな」

バババーン！！！！

「こっちの色の方は人から買った部品に適宜ペタっと貼っていこうと思って。あ、でも元々アイコンが付いてるものは勿体ないからそのまま使わせてもらうよ」

「以上、そんな業務連絡でした！

それとは別に、どこかの戦場で出会った時はよろしくね。ただ、俺の意思表示がああだから、不慮の事故（？）で俺の肉片がそっちの機体に飛んでいっちゃうことがあるかもしれないけど……その時はその時さ」


◇


『炎の化身』の威力はそれはもう期待以上のものだった。今まで見てきた中で最も強く、綺麗な色を魅せてくれた。
敵勢力も多いだけあって燃やし甲斐がある。かのテンペストに至っては10体もいたものだった。……まぁ、案の定というか途中までは戦況が微妙に厳しかったんだけど。

その質の代償とでも言うべきか、弾薬費はかなり馬鹿にならないな。気に入ったからって毎回持っていくんじゃあ無一文まっしぐらだ。
他に何に使ってきたのか全然覚えていないんだけど、気付けば資金が心許ない気がする。家計簿でも付けるべきかな……？

ちなみに、酒に関しては自分が世話になっているあの《集まり》のお陰であまり困っていない。そういえば――仲間の一人が仄めかしていた週刊誌の件はどうなったんだろう？　当時はちょっと話題に乗り遅れてしまったんだけど、俺も密かに楽しみにしていたりする。
…そうだな、今はやることもないし……この後ちょろっと探しに出かけようか。こんな土煙に塗れた世界だ、娯楽の1つや2つくらい持っていたほうが断然正気を保っていられるだろう。


…通信によると、次の戦場も電磁波が強いらしい。前回に比べれば敵は全然少ないように見えるけど……また、得体の知れない何かが紛れ込んでいそうな。そんな気がする。
だからと言っても、俺はいつも通りのノリで向かうだけなんだけどね。あまり堅苦しく挑むのはやっぱり性に合わない。

この前も言った気がするけど命は惜しくないんだ。——あの“色”に視界を焼かれたあの日から、ずっと。
そういう意味では、俺はこの世界には向いている性質なんだろうな。ちょっと不本意だけど。

生き残った者達へ。
これから往く者達へ。
私たちは歌おう、今日この日があることを。
私たちは祝おう、今日この身があることを。

全ての生きとし生けるもの達へ。
健やかに、でもなく。末永く、でもなく。
ただただ只管満足な生と、満足な死が迎えられるように。

乾杯。