ENo.0406　ファイブカード

　
リソスフェア要塞の攻略戦は予想のとおり、派手な規模の戦いになっていたようだ。
多方面からの電撃戦、その作戦は粗方上手く運んだらしい。俺がいた戦場も。



だが。
戦闘の済んだ後、帰投の前に要塞をざっと探し回って漁ってみたものの。
目当てのお宝たち───古代の設計図やら遺失技術の粋やら未知の素材やら、そういうブツはついぞ見つけられやしなかった。

とんだ見込み外れだ。
そういうのァ要塞のもっと奥に眠ってるのか？
それとも、目ぼしいものはとっくに『辺境軍閥』の野郎どもが持っていっちまったのか？

いずれにせよ、戦闘のどさくさが収まった今となっちゃ、これ以上無理にあの要塞に手を出すことは難しいだろう。
おそらくはもう『企業連盟』の傘下と監視下に置かれているはずだ。



……次の遺跡要塞、バイオスフェアの攻略戦まで、また機を窺って備えるしかねェってのか。
そう遠くはなかろうが、なんとももどかしい話だ。



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一段落してから整備費を弾き出してみて目ン玉出そうになった。
前金入れても赤字じゃねェか。もうちょっと考えて弾撃たなきゃダメか？
それともいっそ白兵戦用の棒切れでも振り回すか？　……やりたくねェなあ……。
やりたくねェんだけどなあ…………。

かつての乗り手たちの遺したもの。

今は霧深い荒野に広がる射撃訓練場としてここに在る。
晴れ間のある時分には、乾いた発砲音が繰り返し響く様も聴き取れる。