ENo.0013　ロコ・シュタール

☆前回の残像領域☆
重要確認を忘れていたため死亡許容になっておらず、あまり格好良い生き残り様ができなかった


◇


敵が少なかったから、と完全に油断していた。気付けば行動できるハイドラは俺ともう1人の機体、そして誰かの置き土産のバイオ兵器だけだった。

獲物はあと一体だったのに、本当にあと少しのところで逃してしまった。これは流石に自分の力不足を認めざるを得ない。
任務完遂が出来なかったことだけに留まらず、味方の一部はあの霧の中に消え、共に帰ることも叶わなかった。

俺はこれでも薄情だからね、たとえ味方だろうとそうなったところで同情心が湧くわけではない。申し訳ないとは思ったけどさ。
ただ――“勿体無い”なぁ、なんて。

生き残った者達へ。
これから往く者達へ。
私たちは歌おう、今日この日があることを。
私たちは祝おう、今日この身があることを。

全ての生きとし生けるもの達へ。
健やかに、でもなく。末永く、でもなく。
ただただ只管満足な生と、満足な死が迎えられるように。

乾杯。