ENo.0119　Sid

―――電流が走る
目の前でパーツが削げる
日頃の手入れは欠かさなかったはずなのに

触れる箇所が軋む
悲鳴を上げる

僕は小さな箱の中、守られているというのに

｢―ボッチャん、御無事でゴザイますカ？｣

お前のほうがどうかしている。
なぜ僕のために傷つく？
なぜ[笑顔]でいられる？

そんなにこの身体は大切なものなのか
僕には分からない
君の何もかもが分からない

もう僕のために傷つくのをやめてくれ
｢ソレハ承ルコトはデキません。｣

もう僕に関わらないでくれ
｢ソレでヨロシイノデスか？｣

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｢――――ボッチャん、アブナイ！！！！｣

今でもあの日のことを何度も夢見る。
あの瞬間、確かにアイツは何かを察していた。
僕にはわからない何かを。
…いや、いつだってアイツはそうだ。
僕のわからないことばかり話したがる。
[嬉し]そうに。
それは[嬉し]そうに。

僕が分からないというと、少し[困った]ような顔をして。
そしてまた、[笑う]。

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トゥーシェ、僕は君の気持ちが知りたいよ。

何故笑い

何故怒って

悲しい目をして

次の瞬間また違う表情を見せる

トゥーシェ、君ならこの気持ちにどんな名前をつけるのか。

心に敵う適性を。