ENo.0091　ミミフォン・R・ラパーニクルス

「そだ、もしよかったら今度お墓参りさせてくれない？貴方の娘さんのお陰でアタシは今生きていられますって、お礼したいの！」

リコちゃんは笑顔でそういいました。
お墓。その言葉で、パパを埋めたときのことを思い出しました。
ミミフォンがうんと小さかった頃、ミミフォンのばば様は死にました。ばば様が死んだときにパパがしたことは、ばば様を土に埋めることだったそうです。ミミフォンはそれに倣って、妹弟達と共にパパを埋めることにしたのでした。

ミミズ揚げの好きな弟のテレフォンが穴を掘りきると、小さな妹達は動かないパパをそのまま穴に転がしました。ミミフォンはゴロゴロと転がって沈むパパを眺めていました。穴に転がったときの衝撃か、おんぼろハウスの屋根がピシッと鳴いた気がしました。ああ、屋根を修理しなきゃ。そんなことを思っていたら、テレフォンが土を掘るのに使っていた棒を無言で差し出してきたのでした。

「姉ちゃんも見てないでなんかしろよ」

ミミズ揚げが好きな弟は辛らつでした。仕方ないのでミミフォンはパパに土をかぶせました。土は結構重くて、大変で、正直面倒でした。ミミフォンもこんな風に埋められるのかもしれません。面倒だからしなくていいよって言っておこうかな。

実はパパの正確な位置はもうわかりません。たぶんおんぼろハウスを正面から見て、右のほうに埋めた気がします。今までお墓参りというのもしていなかったので、リコちゃんの言葉には「なるほど」と思いました。普通はお墓参りをするのでしょう。ミミフォンはまた賢くなりました。賢いミミフォンは、埋まっているパパに、リコちゃんという友達ができたことを報告しようと決めたのでした。

もちろん、リコちゃんが一緒に居てくれるならだけどね。