ENo.0493　陶玉

―ごうん、ごうん、と錆びた換気扇が大儀そうに回る。
ここは破棄されたホテルの一室。
遠方で爆発音がすると、遅れて、ぱらぱらとコンクリ片が落ちた。
マグカップに入り込んだそれに舌打ちをし、少年はため息する。




「全く。徴兵が厭で逃げ出したのに、結局やってる事は戦争だ。馬鹿らしいな。」
[人に寄り添う电编梦はユーザーの自由意志を否定しません.]
「そうかよ。良い事言うじゃないか。……全くお国の連中にも聞かせてやりたいぜ。」
[現在施行されている最新の国家保安基準下では.反逆的思想の助長と取られて終了処分を受けます.]
「そう。変に手が入ってないのはお前のナンバーまでだ。だから性能がクソでも型落ちを選んだ。」
[それは.金銭的事情に起因であるという情報を更新します.]
「やかましいわ。」


「……さて、遊んでないで始めるとするか。」
[外部デバイス認識.ガレージの工作用重機を機動します.]
「P.A.I.S.がこっちの機械類と接続感応が可能で助かったよな。」
[未知のシステムを複数認識しましたが無視して続行？]
「無視。しかし兵装製造までこなすとは、我ながら天才的で困る。ギーク的キャラが定着するのは遺憾だけど。」
[tao-yuは一般的にナード的とされる外見であると診断します.中身が伴い始めるのは喜ばしい事と指摘.]
「モヤシとでも言いたいのか？お？…肌が白いのは美徳だろうが。」
[女性であればその通りだと同意します.]
「うっわあ、実に前時代的な見解だね。これだから旧世代の型落ちＯＳは。」
[それは型落ちでしか選択肢を持てないtao-yuの経済力に起因.]
「まだ言うか。ここからは戦争か？ン？」
[既に開戦状態であると指摘します.]
「……。」



「…………むなしい。」
[同意します.]