ENo.0013　ロコ・シュタール

うーん、楽しみ半分・迷惑半分と言ったところかな！
この先でようやく俺も未確認機をお目にかかることができるとのこと。

送られてきた情報の中でも一際光を放って映る———『エウリプテリダ』の文字列。

とは言っても、俺がアレに向けている思いはほぼ野次馬の好奇心と変わらないそれで、姿を見られさえすればもう十分なんだ。それだけでも達成できたなら、単純な俺のことだから今宵の酒は格別美味く感じられるだろう。

まぁ……例によって“生きて帰れたなら”、の話だけどね。


そういえば、いつもの集いのリーダーの僚機——ドレイクさんから、部品をあげたお礼にちょっとしたお駄賃を貰ったんだ。で、俺は勧められた通りこれで「イエーガーマイスター」を買って帰る予定。
そう、今宵の酒はこれなんだ。俺だったら……とりあえずはストレートで頂くかな。

何ていうささやかな楽しみも待っているからね。今回の俺はいつもより気合が入っている、…気がする！
―——いや、正確には浮かれているというのも少し混ざっているかもしれない。今回ばかりは否定はできないかも。それでも本番までには引き締めないとね……易々と彼の“未確認機”の格好の餌食にされるのは御免だ。

生き残った者達へ。
これから往く者達へ。
私たちは歌おう、今日この日があることを。
私たちは祝おう、今日この身があることを。

全ての生きとし生けるもの達へ。
健やかに、でもなく。末永く、でもなく。
ただただ只管満足な生と、満足な死が迎えられるように。

乾杯。