ENo.0039　バッカス"E"クライン

――ザザッ

「……それで？一人くらいは連れ戻せって？」

「ああ」

「本当あのババア面倒な事しか言わないなあ、スクルーも態々休暇中にそれ言いに来たの？」

「他に動く奴がいないからな」

「仕事人間だねえ……基礎を作った僕が言うのもなんだけどさあ。ま、そこまで言われたら仕方ない。それとなく……そうだな、技師辺りが戻るように糸を引くことにするよ」

「……戻るまでどの程度かかる？」

「死んだら戻るでしょ。僕が切らない限り糸は切れないんだしどっかの例外と違って……おっと、今のはオフレコで頼むよ？」

「……」

「そんな怖い顔してないでさあ。スクルーもたまには休んだ方がいいと思うよ？ババアの下でつぶれないよう……あれ、もう居ないや」

――ザザッ

一人寂しく霧の中をさまよって何が悪い！！！！！

だって相手がいないんだもの。
その分相棒の整備をしっかりしましょう。

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技師の女がひとまずと立ち上げたユニオン。
ユニオンと言いつつその名の通りお一人様。
特に人が集まる予定がないので、
自分の住み込む工房を住所登録しているようだ。