ENo.0245　クリス・バーミリオン

ユーティラス。私のパートナーのハイドラ。

培養装置の実験機であり、そのためのシステムが組み込まれた機体。
その操縦棺の座席の後ろに肉塊がある。

私はその肉塊の中央の裂け目に手を差し込み掻き分ける。

そこに。私のパートナーがいる。

この機体に取り込まれた、私の愛しい人が。





「ねえ。アイザック。どうかな？」


「ん………　……　」


「解るよ。言葉なんて無くても」


「でもね。やっぱり」


「あなたの声が聞きたいよ」





「ねぇ、アイザック。名前の話のこと。覚えてる？」


「お互い偽名なんだなって話」


「私の本当の名前。教えてあげようか？」


「………　本当の名前は　………　」


「言ったからね。だから。今度はアナタの本当の名前。教えてくれるよね？」


「ねぇ。聞いてる、アイザック？」


「聞こえてるよね？」






「私は。何も間違ってないよね？」


「アナタと出会えて。こんな世界でも生きるのが楽しくなったんだ」


「もっとアナタと。生きていたい」


「また私の手を引いて。この霧の世界から連れ出して欲しい」


「次からはもっと報酬のイイ仕事を受けるんだ」


「大丈夫。沢山稼いで。アナタを助けるから」


「だからそこで。私を見守っていて」



何か自分の物を彼に預けておきたくて、彼の首に自分のネックレスを掛ける。

もう一度彼に寄り添いその手を握り締める。彼が笑った気がした。


「ねぇアイザック。アナタは、私を。どこへ連れて行ってくれるの？」


彼の鼓動の音だけがいつまでも聞こえていた。

１から始める培養装置！
整備技術の勉強に特化した研究ユニオンだよ。
エンジンの研究とかも副業でやるつもり！

※本ユニオンは毎回、整備を５振りです。
※ユニオン購入は経験値＋１固定。整備の高みを目指します。
※死亡許容ゆえ。死んだらすまんの。