ENo.0493　陶玉

■text.『あのとき何が起きたのか』

クリスティアーノ・ロベッロ、陶玉の二名、
H/P/ホリク社の試生産品テストへの協力依頼へ。

次世代量子変換機[イニア]の追加性能テストとだけ、事前には伝えられていた。
擬似的に用意したエリアにて、イニアの稼働負荷影響下にあるマシンで
対象とされた擬似目標のセキュリティをクラックするよう指示される。

イニアがテスト用物資の変換を開始し、
我々が作業に取り掛かって直ぐだったように思う。
隔壁が誤作動を起こし、クリスティアーノが量子変換ストレージの基準エリア内に落下した。
よりにもよって、僕の腕を掴んで。

記憶が定かではないが、状況的にすぐ後に僕も落下したのだろう。

それからどうしたのかは、明確に思い出すことができない。
クリスティアーノはいなかった。

現在に接続するまでの記憶としては、これだけだ。
帰還の方法を探るために、状況再現を試みたいところだが、
技術的にも物資的にも現実的ではないというのが現状。

そして気になるのが、イ＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「！」

[tao_yu?休息では？]
[また.textの出力はPAISの利用を推奨します.]

｢……。｣

｢構わない。紙とペンの方が、良いときもあるんだ。｣

[非効率的と指摘しますが.尊重します.]

｢……。｣