ENo.0277　カラーガタ

ハンブルク・ダーウェンの姿はとても「勇ましい」ものだった。
そして急に気づいたのだ。
自分が個であることに。
どう工夫してみたとしてもどう真似たとしても彼と同じことは自分には出来ず、彼がいてそれをするのだから、自分は違うことをするべきだと。

酷く簡単な理屈でありながら、感得できていなかったことがわかる。

どれだけ行き帰る人に尋ねた径であっても歩き方はまるで違う。

自分を見つけなくてはならない。
アートマとして。



バイオ兵器を嫌う、というとても感情的な事実から目を背けられない。
彼らは一様に愛らしい。生まれ出で、戦い、戦場が終わった時意識を手放す。霊性を手放す。
愛らしいのに。誰が迎えとってやるのか。

せめてヒトであったり、通用の動植物、帰るところのあるモノ達は良い。
彼らは質量に較べて酷く薄い霊性でもって生まれ、使い捨てられて残像にもならずまたバイオ兵器になって戦果に変わる。
金という概念。それ以上に、それを生んだものが「褒められる」ことに生まれ変わってヒトを喜ばせる。

バイオ兵器が何を喜び、何を悲しむかに思いを至らせるものはあるだろうか。
はたらき、機はそう満たされて、ただ彼らは愛らしい。
イノセントが絶望的に霊性、意識のめぐりを自動化する。

その風景を自分はきっと悲しいと感じている。

そういうものを。私は自分にしたのだ。

社会生活を、営むに支障のある……デンパが言語に混じる……