第27週目 サクラ・ブレイクバーストスピードの一週間
◆日記
◆◇◆
「今度は俺が尋ねる番だ」
手番が回ってきたというよりは、強引に手繰り寄せた。リキティの無言は、諦観とも肯定とも取れる。少し老けたようにも見えるが、サクラはどうとも取らなかった。ただ、続ける。刑の執行を告げる刑務官は、相手の感情を気に留めない。
「名前だ。四本腕(オーガアーム)、リキティ、ドッヂウォールの犬。どう呼べば良い……」
「そんなものは重要じゃないだろう。俺の名前よりも、だ。今大事なのは、お前の身に危険が迫っていることだ」
想定の範囲内ではある。むしろ遅かった(無論遅い)。リキティが机の下、カウンターの裏側に伸ばした左腕が再び机の上に現れた時、その手には銃が握られていた。ハンドガンとはいえ、軍用義肢でなければ反動に耐えられないだろう大口径がこちらに向いている。物々しい銃と機械化された左腕は一体化した怪物を思わせた。裂けたような口を開き、今にも飛び掛らんとする、鉛の毒牙を持った巨大な蛇。
「質問は選べよ、ライダー。ドッヂウォールはこの様子を全て監視している。様子見の終わりを指示されれば、俺は引き金を引く」
「なら答えてくれ、リキティ。そんなもので俺に勝てると思っているのかい……」
時間を稼ぐつもりはなかった。銃に対する恐怖は無い。戦場で避ける電子や粒子の致死攻撃は、知覚を超えた速度で死をもたらす。だからライダーは残像になって戦場を彷徨い続けるのだろう──速すぎる死に気づかない。サクラは自分が冷静だと改めて理解していた。無意味なことを考える余裕がある。
「コップも倒す。ドアにもぶつかる。店に来るたびそれをやる。大方遠近の感覚がめちゃくちゃなんだろう。棺桶一つであんな化け物にしがみついてるんだ。脳がイカれちまってるんだよ」
「飼い犬に負けるつもりは無い」
「飼い犬だと……」
「鎖で繋がれてるのは飼い犬さ。黄金だろうと、鉄だろうと」
食いかかるリキティに、一言で断じる。と、彼の表情と共に空気が変わった。ドッヂウォールから指示が下りたのだろうか。それとも、腹に据えかねたか。大きなため息をつくと、リキティは銃を握りなおす。あまりにも自然に、そしてシームレスに殺意が迸る。それはリキティが四本腕(オーガアーム)だった頃、そうすることが日常の一部だったことを伺わせた。死地に身を置く者の、決断的な、不退転の、死に至る力の行使の確定。
「……お前みたいになりたかったよ、ハイドラ乗り」
苦々しい無表情で、それでも小さく笑ったように見えたのは、ハイドラの機動力に焼かれた脳が見える幻覚だろうか。
ハイドラはライダーの恐怖を食って動くと言ったのはリキティだ。人間は恐怖を克服するため、暗闇を克服し、地図の空白を塗り潰してきた。恐怖は人間の原動力だ。ならば、恐怖を食い尽くされた人間はどうなるのか。
「飼い犬は狼に戻れない」
「分かっている。だから……俺は狼を殺す猟師を目指した。それを、アイツが邪魔した。今度はしくじらない」
「俺はアイツとやらじゃない」
「お前がアイツじゃないのなら、俺が勝つさ」
手練の暗殺者が、呼吸でもするかのような自然さで狙いを定め、使い慣れた銃の引き金を絞り、撃鉄が弾丸を刺激するまでの一瞬を隙と呼べるのなら、リキティは隙だらけだった。毒牙が食らいつくよりも速く、弾丸よりも速く、銃声よりも速く、引き金が音を立てるよりも速く──無論そんなわけは無いが──サクラは行動を終えていた。回避し、投擲する。上体を後ろにそらし、反動を利用して突き出した右手から、鋭く硬い、鉄の刃を。
「馬鹿をやった。分かるだろう……俺の”反応”速度は」
リキティの手から、バーカウンターを経由し、床に。鈍く硬質な音を立てて、銃が落ちた。
リキティが必要とした動作は三つ。狙い、引き、撃つ。対するサクラはワンアクションだけ少なかった。回避と投擲は一つの動作で済む。狙い、避けながら投げる。
ただの精神論だ。実際に銃撃を避けながら攻撃を済ませ、勝利出来る人間などいない──だが、サクラはそれをやった。
「ああ、””速い(当然速いことを意味する)””……ちゃんと見えているのか……」
「脳がやられてるってのは間違いじゃないかもな。ただ、遠近感が狂ってるわけじゃない。動いてないものが認識し辛いだけで」
胸に突きたてられた硬質ダガーは、リキティの敗北を意味する。数日前、ダガー工房のマスターに依頼したハイドラ用ダガーのサンプル。見本品だけあって人間サイズまでスケールダウンしてはいるものの、その出来栄えは──とりわけ硬質さは本物に劣らない。
「負けは生涯で二度目だ。最初は”””硬質”””な男に、最後はお前に……」
「十分だろう。死に場所が選べたなら」
「結構気に入ってたよ……この店……」
悔恨だろう。閉じゆく命の薄れゆく声量からは、ありありと未練が伝わってきた。犬は情が深い。一度戦場を離れた飼い犬は、棲家に愛着を抱いていたのだろう。そして、生への未練も。
「ああクソ、俺は、リキティ・ザ・ドッヂウォールドッグでも、””””四本腕(オーガアーム)””””でもない……こんな名前を持ったから、失うんだ。全て……」
名前の持つ魔術的な力は悪魔の契約の代償として、リキティから全てを奪っていくだろう。残るものは何も無い。誰からも、何も思い出されない。存在の喪失。
「俺の、名前は」
瞳を閉じ、動かなくなった(遅い)リキティの顔を、サクラの脳は既に認識しなかった。
サクラにとって、死んだ人間は常に遅い。そして、速すぎる。
◆◇◆
電磁波が薄い日は、決まって調子が悪かった。
電源スイッチが壊れ、つけっぱなしになったラジオからは歌が流れている。歌は嫌いだ──音は遅い。言葉で意味を伝えることに適していない。遅いものは嫌いだ。遅いものを好くのも、遅いものに好かれるのも──遅いものを見るのも。人の死を目の当たりにするのも。
愛する機体は四本の腕をアセンブルしたゲテモノだ。二つの腕を無理やり束ね、それを左右に一つずつ組み込んであったが、今は新たなチューンを行った。腕は己を守るために折り畳んで使うものではない。掴み取るためのものだ。何かを掴み取るためには、手を伸ばさなければならない。
金は無かった。
懇意にしていた仲介人リキティは死んだ。彼のショップを出て以降、連絡は断っている。企業連盟の庇護下で生かされてきたサクラにとって、ドッヂウォールの犬殺しは明確なペナルティ対象行動だった。すぐにドッヂウォール私兵のハウンド部隊が送り込まれてくるかと思っていたが、彼らはもっと楽に痛打を与えてきた。口座の凍結と言う形で。
ドッヂウォールカンパニー代表取締役には、一人娘が居る。
脳裏に焼きついた光景だけが魂を突き動かす。
◆◇◆
ドッヂウォールオフィスの高層。試験場に入り浸ってばかりの彼女にとってそこは、滅多に帰らない家であり、執務室であり、カンパニーの中枢でもある。
「そう……分かりましたわ。下がって頂戴」
フリルの利いた、濃いマゼンタのドレス。私服にも等しいそれは、彼女のトレードマークの一つだ。動けば揺れる。避ければ動く。回避至上主義者の彼女のお気に入りだが、試験場での”舞踏会”の予定は潰れてしまった。仄かに緑がかった金髪を撫で付け、秘書にいれさせた紅茶をすすって苛立ちを抑えつける。
報告者が持ってきた話は、内容としてはつまらないものだった。即ち、失敗の話だ。硬質な音を立ててティーカップを執務机に置くと、改めて書類に目を通す。
報告書は三行だった。監視は失敗、担当者は死亡、制裁措置として口座を凍結。短い書類は効率が良い。無駄な時間は嫌いだ。
「リキティ。愚かな、遅い男ですわ。二度目の失敗の代償が命とは……」
彼女を悩ませる問題は増えていた。ヨケニウム純結晶の探索は難航、例の””ハード・ダガー””は今だ足取りが掴めず、さらに言えば企業連盟会長バルーナスの持ち出した『影の禁忌』とやらも見逃せない。ハイドラ大隊殲滅のために投入されたシャドウシリーズは、いわば回避壁を殺す力──アンチ・ヨケルギウス・システムだ。信仰厚い彼女は、聖ヨケルギウスへの冒涜を許せるほど大人ではなかった。
ふと、報告書の備考欄に目をやった。監視対象の略歴、試験場からの生還者。身に覚えがある。不要な人間を記憶に留めることはしない彼女にとって、それはほとんど奇跡に近かった。
ふう、とため息を一つつくと、再び紅茶をすする。最上級のドッヂリンティーは香りも良いが名前も良い。平穏な心を取り戻すには、これが一番速い。
執務室の壁に飾られた、古の勇者、聖ヨケルギウスの絵画を眺め、彼女は決断した。ヨケルギウスの加護か、あるいは単なる偶然か。上手く行けば、手駒が手早く揃う。
計画を早める(つまり速い)必要がある。
「聖ヨケルギウスと彼に委託された全ての回避壁に無限の最大回避とクイックドライブがあらんことを」
「レディ?」
秘書の発した訝しげな声が、驚喜に歪んだ屈託の無い笑顔に向けられたものだと、彼女は気づかなかった。
「その男の監視を続けて頂戴。殺してはいけませんわ。いずれ……時が来るまでは」
回避の果て、その先にあるもの。古の魔術書ヨケティアに記された七十二の避魔の顕現を待つ程の時間は無い。例えヨケタロト公爵が阻もうと、最早誰も止められない──黒い真珠のような感情で着飾った、ヨケルヒルト・ヨケルギオーネ・ドッヂウォールを止めることは、決して。
◆◇◆
「今度は俺が尋ねる番だ」
手番が回ってきたというよりは、強引に手繰り寄せた。リキティの無言は、諦観とも肯定とも取れる。少し老けたようにも見えるが、サクラはどうとも取らなかった。ただ、続ける。刑の執行を告げる刑務官は、相手の感情を気に留めない。
「名前だ。四本腕(オーガアーム)、リキティ、ドッヂウォールの犬。どう呼べば良い……」
「そんなものは重要じゃないだろう。俺の名前よりも、だ。今大事なのは、お前の身に危険が迫っていることだ」
想定の範囲内ではある。むしろ遅かった(無論遅い)。リキティが机の下、カウンターの裏側に伸ばした左腕が再び机の上に現れた時、その手には銃が握られていた。ハンドガンとはいえ、軍用義肢でなければ反動に耐えられないだろう大口径がこちらに向いている。物々しい銃と機械化された左腕は一体化した怪物を思わせた。裂けたような口を開き、今にも飛び掛らんとする、鉛の毒牙を持った巨大な蛇。
「質問は選べよ、ライダー。ドッヂウォールはこの様子を全て監視している。様子見の終わりを指示されれば、俺は引き金を引く」
「なら答えてくれ、リキティ。そんなもので俺に勝てると思っているのかい……」
時間を稼ぐつもりはなかった。銃に対する恐怖は無い。戦場で避ける電子や粒子の致死攻撃は、知覚を超えた速度で死をもたらす。だからライダーは残像になって戦場を彷徨い続けるのだろう──速すぎる死に気づかない。サクラは自分が冷静だと改めて理解していた。無意味なことを考える余裕がある。
「コップも倒す。ドアにもぶつかる。店に来るたびそれをやる。大方遠近の感覚がめちゃくちゃなんだろう。棺桶一つであんな化け物にしがみついてるんだ。脳がイカれちまってるんだよ」
「飼い犬に負けるつもりは無い」
「飼い犬だと……」
「鎖で繋がれてるのは飼い犬さ。黄金だろうと、鉄だろうと」
食いかかるリキティに、一言で断じる。と、彼の表情と共に空気が変わった。ドッヂウォールから指示が下りたのだろうか。それとも、腹に据えかねたか。大きなため息をつくと、リキティは銃を握りなおす。あまりにも自然に、そしてシームレスに殺意が迸る。それはリキティが四本腕(オーガアーム)だった頃、そうすることが日常の一部だったことを伺わせた。死地に身を置く者の、決断的な、不退転の、死に至る力の行使の確定。
「……お前みたいになりたかったよ、ハイドラ乗り」
苦々しい無表情で、それでも小さく笑ったように見えたのは、ハイドラの機動力に焼かれた脳が見える幻覚だろうか。
ハイドラはライダーの恐怖を食って動くと言ったのはリキティだ。人間は恐怖を克服するため、暗闇を克服し、地図の空白を塗り潰してきた。恐怖は人間の原動力だ。ならば、恐怖を食い尽くされた人間はどうなるのか。
「飼い犬は狼に戻れない」
「分かっている。だから……俺は狼を殺す猟師を目指した。それを、アイツが邪魔した。今度はしくじらない」
「俺はアイツとやらじゃない」
「お前がアイツじゃないのなら、俺が勝つさ」
手練の暗殺者が、呼吸でもするかのような自然さで狙いを定め、使い慣れた銃の引き金を絞り、撃鉄が弾丸を刺激するまでの一瞬を隙と呼べるのなら、リキティは隙だらけだった。毒牙が食らいつくよりも速く、弾丸よりも速く、銃声よりも速く、引き金が音を立てるよりも速く──無論そんなわけは無いが──サクラは行動を終えていた。回避し、投擲する。上体を後ろにそらし、反動を利用して突き出した右手から、鋭く硬い、鉄の刃を。
「馬鹿をやった。分かるだろう……俺の”反応”速度は」
リキティの手から、バーカウンターを経由し、床に。鈍く硬質な音を立てて、銃が落ちた。
リキティが必要とした動作は三つ。狙い、引き、撃つ。対するサクラはワンアクションだけ少なかった。回避と投擲は一つの動作で済む。狙い、避けながら投げる。
ただの精神論だ。実際に銃撃を避けながら攻撃を済ませ、勝利出来る人間などいない──だが、サクラはそれをやった。
「ああ、””速い(当然速いことを意味する)””……ちゃんと見えているのか……」
「脳がやられてるってのは間違いじゃないかもな。ただ、遠近感が狂ってるわけじゃない。動いてないものが認識し辛いだけで」
胸に突きたてられた硬質ダガーは、リキティの敗北を意味する。数日前、ダガー工房のマスターに依頼したハイドラ用ダガーのサンプル。見本品だけあって人間サイズまでスケールダウンしてはいるものの、その出来栄えは──とりわけ硬質さは本物に劣らない。
「負けは生涯で二度目だ。最初は”””硬質”””な男に、最後はお前に……」
「十分だろう。死に場所が選べたなら」
「結構気に入ってたよ……この店……」
悔恨だろう。閉じゆく命の薄れゆく声量からは、ありありと未練が伝わってきた。犬は情が深い。一度戦場を離れた飼い犬は、棲家に愛着を抱いていたのだろう。そして、生への未練も。
「ああクソ、俺は、リキティ・ザ・ドッヂウォールドッグでも、””””四本腕(オーガアーム)””””でもない……こんな名前を持ったから、失うんだ。全て……」
名前の持つ魔術的な力は悪魔の契約の代償として、リキティから全てを奪っていくだろう。残るものは何も無い。誰からも、何も思い出されない。存在の喪失。
「俺の、名前は」
瞳を閉じ、動かなくなった(遅い)リキティの顔を、サクラの脳は既に認識しなかった。
サクラにとって、死んだ人間は常に遅い。そして、速すぎる。
◆◇◆
電磁波が薄い日は、決まって調子が悪かった。
電源スイッチが壊れ、つけっぱなしになったラジオからは歌が流れている。歌は嫌いだ──音は遅い。言葉で意味を伝えることに適していない。遅いものは嫌いだ。遅いものを好くのも、遅いものに好かれるのも──遅いものを見るのも。人の死を目の当たりにするのも。
愛する機体は四本の腕をアセンブルしたゲテモノだ。二つの腕を無理やり束ね、それを左右に一つずつ組み込んであったが、今は新たなチューンを行った。腕は己を守るために折り畳んで使うものではない。掴み取るためのものだ。何かを掴み取るためには、手を伸ばさなければならない。
金は無かった。
懇意にしていた仲介人リキティは死んだ。彼のショップを出て以降、連絡は断っている。企業連盟の庇護下で生かされてきたサクラにとって、ドッヂウォールの犬殺しは明確なペナルティ対象行動だった。すぐにドッヂウォール私兵のハウンド部隊が送り込まれてくるかと思っていたが、彼らはもっと楽に痛打を与えてきた。口座の凍結と言う形で。
ドッヂウォールカンパニー代表取締役には、一人娘が居る。
脳裏に焼きついた光景だけが魂を突き動かす。
◆◇◆
ドッヂウォールオフィスの高層。試験場に入り浸ってばかりの彼女にとってそこは、滅多に帰らない家であり、執務室であり、カンパニーの中枢でもある。
「そう……分かりましたわ。下がって頂戴」
フリルの利いた、濃いマゼンタのドレス。私服にも等しいそれは、彼女のトレードマークの一つだ。動けば揺れる。避ければ動く。回避至上主義者の彼女のお気に入りだが、試験場での”舞踏会”の予定は潰れてしまった。仄かに緑がかった金髪を撫で付け、秘書にいれさせた紅茶をすすって苛立ちを抑えつける。
報告者が持ってきた話は、内容としてはつまらないものだった。即ち、失敗の話だ。硬質な音を立ててティーカップを執務机に置くと、改めて書類に目を通す。
報告書は三行だった。監視は失敗、担当者は死亡、制裁措置として口座を凍結。短い書類は効率が良い。無駄な時間は嫌いだ。
「リキティ。愚かな、遅い男ですわ。二度目の失敗の代償が命とは……」
彼女を悩ませる問題は増えていた。ヨケニウム純結晶の探索は難航、例の””ハード・ダガー””は今だ足取りが掴めず、さらに言えば企業連盟会長バルーナスの持ち出した『影の禁忌』とやらも見逃せない。ハイドラ大隊殲滅のために投入されたシャドウシリーズは、いわば回避壁を殺す力──アンチ・ヨケルギウス・システムだ。信仰厚い彼女は、聖ヨケルギウスへの冒涜を許せるほど大人ではなかった。
ふと、報告書の備考欄に目をやった。監視対象の略歴、試験場からの生還者。身に覚えがある。不要な人間を記憶に留めることはしない彼女にとって、それはほとんど奇跡に近かった。
ふう、とため息を一つつくと、再び紅茶をすする。最上級のドッヂリンティーは香りも良いが名前も良い。平穏な心を取り戻すには、これが一番速い。
執務室の壁に飾られた、古の勇者、聖ヨケルギウスの絵画を眺め、彼女は決断した。ヨケルギウスの加護か、あるいは単なる偶然か。上手く行けば、手駒が手早く揃う。
計画を早める(つまり速い)必要がある。
「聖ヨケルギウスと彼に委託された全ての回避壁に無限の最大回避とクイックドライブがあらんことを」
「レディ?」
秘書の発した訝しげな声が、驚喜に歪んだ屈託の無い笑顔に向けられたものだと、彼女は気づかなかった。
「その男の監視を続けて頂戴。殺してはいけませんわ。いずれ……時が来るまでは」
回避の果て、その先にあるもの。古の魔術書ヨケティアに記された七十二の避魔の顕現を待つ程の時間は無い。例えヨケタロト公爵が阻もうと、最早誰も止められない──黒い真珠のような感情で着飾った、ヨケルヒルト・ヨケルギオーネ・ドッヂウォールを止めることは、決して。
◆◇◆
NEWS
本日のニュースです企業連盟の支配下にあったイオノスフェア要塞に突如として現れた巨人は、防衛部隊を壊滅させた後、沈黙を保っています氷に包まれたイオノスフェアはこの未確認巨人に奪われたまま、奪還のめどすら立っていません
企業連盟の光と影の禁忌でさえも、この巨人には……
辺境のレジスタンス『ルオシュ』からのメッセージ 「ルオシュだ。メフィルクライアからのメッセージを受け取った。どうやら、あいつは禁忌では貴公らを止められないと悟ったようだ」 |
辺境のレジスタンス『ルオシュ』からのメッセージ 「HCSの進化にも失敗し、禁忌による共倒れにも失敗した。残されたのは、プランC。自らの力でもって、ハイドラのシステムを更新する……らしい」 |
辺境のレジスタンス『ルオシュ』からのメッセージ 「俺は均衡や世界の仕組みには興味はない。たとえその鍵を握っているとしてもだ。俺は戦う。俺が終わるまで歩みを止める必要はない」 |
メルサリアからのメッセージ 「HCSは制御不能に陥っている。君たちはHCSのアップデートにより、その力を250%にまで引き出している」 |
メルサリアからのメッセージ 「友人からのメッセージを受け取ったよ。どうやらあいつは君たちにお熱なようだ。私のことはそれほどにも思わないようだ」 |
メルサリアからのメッセージ 「ドゥルガーは不完全なシステムだ。できそこないだ。全てが破壊された後の残骸だ。正直、君たちのハイドラには敵わないな」 |
メルサリアからのメッセージ 「自らの夢が……不完全だった、そんなとき、君たちならどうする? 夢を追っても、誰にも追いつけないまま取り残されてしまう」 |
メルサリアからのメッセージ 「ドゥルガーは私の夢なんだ。たとえそれがハイドラの足元にも及ばなくとも。恐らくハイドラは無限の力を手に入れるだろう」 |
メルサリアからのメッセージ 「……私はどうやったら夢を信じられる? 答えは一つしかない。私のドゥルガーが、ハイドラを超えて、無限を超えて……初めて、ドゥルガーは……」 |
メフィルクライア 「おはようございます。メフィルクライアです」 |
メフィルクライア 「風のシステム、風のユニット。剣のシステム、剣のユニット。そして、狼のシステム……狼のユニット」 |
メフィルクライア 「わたしはこの世界に新たな秩序とシステムを生み出します。3つの力を組み合わせた、新たなコントロールシステム」 |
メフィルクライア 「フロストエンジンの開発は完全に成功しました。この力によって、残像領域全土を永久凍土で覆います」 |
メフィルクライア 「わたしはこの時をずっと待っていました。氷点下に『種子』を晒し、完全に死滅させます」 |
メフィルクライア 「わたしはイオノスフェアでこの力を行使します。あなたたちと未確認機を戦わせ、フロストエンジンを進化させ続けた成果が出ました」 |
メフィルクライア 「そして、ついに完成したのです。この、フィンブルヴェト・コントロール・システムが……」 |
ヒルコ教団の神聖巫女『ヒルコ』からのメッセージ 「わ、わたしも……出ます! わたしのハイドラの力で……ミッションBで、共に!」 |
ヒルコ教団の神聖巫女『ヒルコ』からのメッセージ 「(背後から聞こえる歓声)『ヒルコ様!』『我々も共に!』『どこまでもお供しますぞ!』『ヒルコ様、お弁当は忘れていませんか?』『馬鹿ッ!ヒルコ様がそんな初歩的なミスを……えっ、お忘れに?』ガチャン、ツー・ツー」 |
企業連盟の会長『バルーナス』からのメッセージ 「フーーーーーーーッ、どいつもこいつも馬鹿にして……もういい。私が、次なる禁忌、『大地の禁忌』を開放するしかないようだな……言っておくが、これのロックはかなり頑強で、できれば開放したくはなかったのだが……仕方がない。仕方がないということだ!」 |
少女のような謎の声の混線 「ルオシュ、あなたは……どうして、立ち止まってくれないの……?」 |
◆訓練
格闘の訓練をしました格闘が47上昇した
格闘の訓練をしました格闘が52上昇した
◆破棄
サクラBBSはコンクラバゲットを破棄した!!
474c相当の資材を手に入れた
474c相当の資材を手に入れた
サクラBBSは”契約”を破棄した!!
640c相当の資材を手に入れた
640c相当の資材を手に入れた
◆送品
サクラBBSは言語魔術師アリューカに格闘戦用ブースター【オーバーフォース】を送品した
サクラBBSはGyro Quayにビーフシチューのトマトチーズ焼きを送品した
サクラBBSはGyro QuayにOppositionを送品した
◆送金
サクラBBSはラッカ(第九工廠社戦術部第一搭乗担当)に200money送金した
◆受品・入金ログ
ガクからGD-10[ハイビスカス]が届いたラッカから木人48が届いた
ことのはのアリーから重出力重圧応力腕部『サクリファイア』が届いた
ラムダ教の教祖から呪いの人形43が届いた
カラミティから100moneyが送金された
マニ車から700moneyが送金された
◆購入
サクラBBSは重出力重圧応力腕部『サクリファイア』を686cで購入した!!
サクラBBSは『Carinae』を605cで購入した!!
生体部品手術成功!!
◆作製
資金を100を投入した!!
作成時補助発動! 耐電!! 防御属性が 電子 に変化!!
電子強化!
作成時補助発動! 加重!! パーツ重量が 48 増加!!
対電鉄杭射出機[真木柱]と呪いの人形43を素材にしてターンテーブルを作製した!!
◆戦闘システム決定
オーガアーム に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1にvoldemortを装備した
脚部2に重圧重二脚を装備した
スロット3にArm-04[コンキスタドールⅢ]を装備した
スロット4にArm-04[コンキスタドールⅢ]を装備した
スロット5に重出力重圧応力腕部『サクリファイア』を装備した
スロット6に重出力重圧応力腕部『サクリファイア』を装備した
スロット7にGD-10[ハイビスカス]を装備した
スロット8に直撃上限加算器『ガーネットガーデン』を装備した
スロット9に重圧応力重ブースター『アメジスティア』を装備した
スロット10に『Carinae』を装備した
スロット11にdroimarAis:T/M_ver.Dを装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆僚機設定
リズとバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションB
ユニオン活動
ダガー工房【Lamp of Ice】の活動記録
残像領域のある場所。
ある都市のうちのひとつ、霧都市。
都市のはずれ、その中にひとつ、霧の中でぼんやりと明かりが灯っている建物が見える。
霧と混じる工房の煙。
ここは、ダガー工房。
ハイドラのためのダガーを造るための人々が集う場所。
硬質ダガーに魅せられた人々が集う場所。
今日もダガーの職人、技術者、お客、全然関係ない人。
いろいろな人物がいろいろな目的で集まっている。
その様子を工房の片隅で、
無口なバーテンが笑顔で見ている。
※説明
・ダガーユニオン
・【訓練】格闘*5 【購入】経験値+1
・雰囲気ユニオン
・片隅にショットバー
ある都市のうちのひとつ、霧都市。
都市のはずれ、その中にひとつ、霧の中でぼんやりと明かりが灯っている建物が見える。
霧と混じる工房の煙。
ここは、ダガー工房。
ハイドラのためのダガーを造るための人々が集う場所。
硬質ダガーに魅せられた人々が集う場所。
今日もダガーの職人、技術者、お客、全然関係ない人。
いろいろな人物がいろいろな目的で集まっている。
その様子を工房の片隅で、
無口なバーテンが笑顔で見ている。
※説明
・ダガーユニオン
・【訓練】格闘*5 【購入】経験値+1
・雰囲気ユニオン
・片隅にショットバー
ユニオン金庫……1000c
格闘の訓練をしました
格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘においてAPを10%強化した
シシリーの反応に目を丸くする。かつて私は確かに彼女と話したはずだ。なのに一房の赤が踊る白髪の彼女は、私のことを覚えていない。――記憶喪失か?
ベティ 「……あー、気を悪くしたなら申し訳ありません。 前にここではないユニオンで、私は貴方と会話したことがあったはずなのですが……気のせいだったかな」 |
アルバトロス code: H.Ginger 「ようやくこの領域を抜け出す算段がつきそうじゃ。具体的には飛行機の修理が終わったんじゃが。新しいHCSに使えそうなものがあるんじゃ。それで高度を稼げば、抜け出せんかの?」 |
サクラBBS 「死んだ知人に似てたと思ったんだが……人違いか、記憶違いか……何が間違いか分からない。飲みすぎたな。忘れてくれ」 |
サクラBBS 「なんにせよ、歓迎してる。俺も……多分マスターもな」 |
メッセージ
◆戦闘結果
戦闘報酬
明日の戦場
第12ブロック
奇妙な植物園[侵入]
謎の植物を栽培している農場が発見された。万が一のことを考え、農場を破壊してほしい。護衛がいるはずだ。巨大植物の内部へ侵入する作戦だ
来週の霧濃度:197%
来週の電磁波:183%
エージュダナファス |
蒼馬 |
ユーリア・クラネルト |
リツィア・リィニス |
サクラ・ブレイクバーストスピード |
リズ |
Solitus |
名無し |
爪 |
アクト=ユーティレス |
猫目 黄金 |
鳴海業斗 |
エスカ=クイックシルバー |
カエデ |
ジンジャー・キャンディケイン・シナモン |
クラリア・フォレット/【ライダー】 |
ユールフ・ヒースモンド |
キース・コリンズ |
岡崎 花澄 |
ヴィエ |
tears drop "heta" |
--- | --- | --- | --- |
--- | --- | - vs - | --- | --- |
『シャドウ・ナイフ』[物理] |
『ルミナス・メイズ』[攻撃不能] |
装甲DR『と金』[電子] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
『霊場』[霊障] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
『霊場』[霊障] |
機動DR『熊鈴』[物理] |
装甲飛行艇『ドルフィン』[電子] |
装甲DR『と金』[電子] |
機動DR『熊鈴』[物理] |
機動DR『熊鈴』[物理] |
装甲飛行艇『ドルフィン』[電子] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
機動DR『熊鈴』[物理] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
装甲DR『と金』[電子] |
『霊場』[霊障] |
装甲飛行艇『ドルフィン』[電子] |
機動DR『熊鈴』[物理] |
機動DR『熊鈴』[物理] |
機動DR『熊鈴』[物理] |
『霊場』[霊障] |
機動DR『熊鈴』[物理] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
装甲飛行艇『ドルフィン』[電子] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
『霊場』[霊障] |
『霊場』[霊障] |
装甲DR『と金』[電子] |
『霊場』[霊障] |
キャラデータ
名前
サクラ・ブレイクバーストスピード
愛称
サクラBBS
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プロフィール
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散りゆく桜を掴み取ることは難しい。 脳裏に焼きついた光景だけが魂を突き動かす。 ◆◇◆ 焦点の定まらない、据わった目をした自称”反応屋”の男。 ◆◇◆ http://ncode.syosetu.com/n2551ec/ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機体データ |
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1 | 腕部A | Seraph [45/薄装飛行/薄装飛行] | ▼詳細 |
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2 | 腕部B | 重出力重圧応力腕部『サクリファイア』 [47/重出力/重圧応力]《装備:5》 | ▼詳細 |
3 | 重二脚A | 重圧重二脚 [45/重圧応力/重圧応力]《装備:2》 機動[552] 跳躍[126] AP[4466] 旋回速度[316] 防御属性[物理] 防御値[1192] 貯水量[1141] 積載量[4200] 消費EN[427] 金額[592] 重量[1690] [二脚] *作者* |
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4 | 軽逆関節A | 『善意』 [34/重暴力/重暴力] 機動[831] 跳躍[279] AP[447] 旋回速度[1118] 防御属性[粒子] 防御値[229] 貯水量[111] 積載量[2100] 消費EN[137] 金額[654] 重量[868] [逆関節] *作者* |
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5 | 操縦棺B | 【ご依頼のパーツの代金が未納状態です】 [43/高握力/高握力] | ▼詳細 |
6 | 腕部B | Aamu-10[コソキスタドーノレ川] [45/出力/重出力] | ▼詳細 |
7 | 硬質ダガーA | GD-10[ハイビスカス] [47/出力/AP回復]《装備:7》 火力[1124] 連撃数[3] 防御属性[粒子] 防御値[344] 精度[258] 貯水量[206] 弾数[12] 武器属性[速射] 異常追加[40] 消費EN[17] 金額[605] 弾薬費[10] 重量[50] [物理格闘] *作者* |
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8 | 重ブースターA | droimarAis:T/M_ver.D [45/幻想機動/幻想機動]《装備:11》 | ▼詳細 |
9 | 重多脚A | ”綻び” [43/超重回復/超重回復] 機動[252] 跳躍[66] AP[4229] 旋回速度[382] 防御属性[霊障] 防御値[1020] 貯水量[746] 積載量[5400] 消費EN[1147] 金額[655] 重量[1872] [多脚] *作者* |
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10 | 重ブースターA | 重保証^2重ブースター『ヘマタイト』 [43/重保証/重保証] | ▼詳細 |
11 | FCSA | 直撃上限加算器『ガーネットガーデン』 [44/重圧応力/重圧応力] | ▼詳細 |
12 | 素材 | 限界軽量化プラン48 [48/薄装甲/---] 特殊B[640] [素材] |
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13 | FCSA | 直撃上限加算器『ガーネットガーデン』 [44/重圧応力/重圧応力]《装備:8》 | ▼詳細 |
14 | 操縦棺A | voldemort [44/重保証/重保証]《装備:1》 | ▼詳細 |
15 | 硬質ダガーA | 参 [45/薄装甲/薄装甲] 火力[1009] 連撃数[3] AP[-90] 防御属性[粒子] 防御値[336] 精度[253] 貯水量[202] 弾数[12] 武器属性[速射] 異常追加[40] 消費EN[17] 金額[592] 弾薬費[10] 重量[-84] [物理格闘] *作者* |
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16 | 腕部B | Arm-04[コンキスタドールⅢ] [42/高握力/高握力]《装備:3》 | ▼詳細 |
17 | 砲塔A | ターンテーブル [48/耐電/重霊障] | ▼詳細 |
18 | 素材 | 巨大培養卵49 [49/重卵/---] 特殊B[660] [素材] |
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19 | 頭部A | クールハンティング [43/出力/高圧軽量] | ▼詳細 |
20 | 重ブースターA | booster-02[ミストグレイ] [40/高握力/重出力] | ▼詳細 |
21 | 素材 | 木人48 [48/重圧応力/---] 特殊B[640] [素材] |
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22 | 素材 | 自動修復装置46 [46/AP回復/---] 特殊B[600] [素材] |
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23 | 重ブースターA | 重圧応力重ブースター『アメジスティア』 [46/重圧応力/重圧応力]《装備:9》 | ▼詳細 |
24 | 腕部B | Arm-04[コンキスタドールⅢ] [42/高握力/高握力]《装備:4》 | ▼詳細 |
25 | 重ブースターA | まぼろしぶーすたー [42/幻想機動/幻想機動] | ▼詳細 |
26 | 腕部B | 重出力重圧応力腕部『サクリファイア』 [47/重出力/重圧応力]《装備:6》 | ▼詳細 |
27 | 素材 | 精密設計図48 [48/高圧変形/---] 特殊B[640] [素材] |
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28 | 重ブースターA | 『Carinae』 [47/幻想機動/幻想機動]《装備:10》 | ▼詳細 |
29 | 素材 | 反応スプリング49 [49/跳躍/---] 特殊B[660] [素材] |
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