ENo.0107　戦闘人形『カラミティ』

人間の存在にさほど興味もなかった我が

ここまで興味を示すようになったのはいつからだろうか



己を信じ続けてきた我が

いろんなことに疑問を持ち始めたのはいつからだろうか





久々に夢を見た
記憶の想起、瞳の裏に過去が映し出される――

人々の顔が、表情が、映し出されていた

笑う者、怒る者、悲しむ者――それらは、我が見知った者共の顔
ノエルが笑っていた、その笑みから思考は読み取れなかった
ベティが起こっていた、その怒りの理由がまだ理解できえいなかった
リーが困惑していた、お互いを理解できていないようだった
ジルが悲しんでした、我が悲しませてしまったのだろうか

人間は――いや、人間として微妙な者もいるが――表情を多様に変えている



では我はどうか？
怒りはする、それは仇があるからだ
笑いはするのだろうか、戦闘中に高揚することはあるのかもしれない
悲しみは……分からない
困惑はお互い様だと思う

……おや？これはあまり人間と変わらないのでは？
しかし、それらを表す機会が少ない
あまりにもそれが乏しすぎるのは、それは我が関わりを持とうとしないからだろうか
実際、我は我の周りや、人の持つ力以外のことに興味があまりない
白刃に出向いたのも、補助を受け取れるからだ



…………



しかし、人間のように思考が多様化していない
だから、持っている話題が少なすぎる、世間に疎すぎるのだ
食事を知らぬ故、味という娯楽を知らぬように――

誰かにご教示願うか？……ジルか、ベティあたりに相談するのも良いか
リーとノエル、奴らはまずい、そんな気がする



味覚機構追加改造のアテはある、相談してみるのも良いか――









人間になれれば――すべてわかるのかもしれない

闘争の度、我は此処に訪れた――

此処は107号室、我が陣地。
我の回復から昇華まで、全てを見届けた部屋だ。