ENo.0323　第306特殊試験部隊

「やべェなこりゃ……」

東南アジア、メコンデルタを近くにする某国にて異邦人であるが故に
目をつけられて……というよりも探していた同じく異邦人と会談していたところだったのだが。

「同志、事態は君の思うよりも遥かに恐慌的状況に陥っている。」

俺の知っている範疇なら極東の島国から諸島に水爆実験の艦隊が出る作戦がとのはずだったが。
中東の戦闘が新兵器により激化した影響か遠く連鎖的に大陸にまで及んでいた。
俺も詳しく状況を理解できていないが、どうやら欧州列強が中東に関心を向けを始めた一方
連邦と合衆国は極東の島国や大陸、半島で急激に活発化動乱に注力し始めた。
政治的混乱が続く中、武力紛争が近いというのもあり水爆実験は見送られている。
つまり予備戦力としていつでも実働にかなるものとして用意するようになったようだ。

そこで俺は水爆を使うために東南アジアで活動している連邦の工作員と接触。
中東の情勢から合衆国による水爆行使の阻止という理由を立ててWHの技術等の供与を始めた。
サマドと別れここについて一年になる。
半島有事に向けて既に連邦ではこの技術を元にしたオートジャイロを利用した兵器の生産が始まっている。
陸上でもだがこれで海上戦力に襲撃をかければ成功の可能性は大きくなってくる。

「既に我が祖国は半島北部に対して火器供与を始めている。この兵器も導入される予定だ。」

「予定は夏か……」

「こちらから打って出ることになる。同志の話の裏が取れた。合衆国は有事の最中に水爆実験を行う作戦計画を承認した。」

「やべェなこりゃ……」

空間転移用のエネルギー源、水爆の確保にずいぶん手間を取りそうだ。
牛丼がくいてぇ。

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