ENo.0081　H∧L

耳障りなノイズの音。


橙色をした暖かい水と、水泡の音。


誰かの優しい夢を見ていた気がした。


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　培養槽の中、生温い液体からあがる。
　何時ものように眼を醒まし、衣服を身に付ける。

　家族の元を衝動的に離れてもう三年。
　とある企業で世話になりながら生活している。

　まさか、技術を買ってもらえるなんて。
　俺の力もそこそこ棄てたもんじゃなかった。

　同僚の社員たちの顔も名も、覚えた。
　人見知りが祟って変に思われている気がする。
　けど、皆好い人だ。この場に居るのが楽しい。

　きっと、母さんの所に帰った時にこの話をしたら、
　俺の変貌っぷりにびっくりするんだろうと思っている。

　家以外にも居場所を作れたこと、喜んでくれるかな。


　……それよりも先に家出のことで怒られそうなのだけど。


　さて、久しぶりの出撃要請が出たことだし
　──相棒、Halcyonの具合でも見に行こうか。


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何時ものように、ハイドラの整備に取り掛かる──

　

──マノ社残像領域支部は北部未踏破領域の調査に乗り出した──




「みなさんこんにちは！マノ社へようこそ！」
「僕はマノ社日常サポートAIの宿禰です。みなさんの北への調査のお手伝いをさせていただきますね！」
「まずは大規模デモ戦闘が行われるのでそちらに参加してください」