ENo.0176　カヴネル・レビン

格納庫の扉を開けると、『ライトニング』がオレを出迎えてくれた。
瞳、鱗、四肢に長い尻尾。今にもひとりでに動きだしそうなほど精巧だ。部屋は竜の巣にいるかのような、厳かな雰囲気に満ちている。

ドラグーンは生き物じゃない。いかにもメカ！　ロボット！　なハイドラたちと並べると異質な存在かもしれねえけど、所詮は機械だ。自分で息をしたり、燃料（エサ）を欲しがったりしない。

大抵のドラグーンパイロットにとって自機は「相棒」というより自分の体の一部に近いのかもしれない。

でも…オレにとっては、『ライトニング』は相棒だ。10年以上一緒に同じ大地を踏んで、空を飛び、傷つき、獲物を仕留め続けた。オレが今こうして生きているのも、相棒のおかげだ。
うっかりメンテを怠れば相棒は機嫌を損ねて、オレの言うことを聞かなくなる。だからこうして、毎日かまってやる時間を作るんだ。

装備の手入れを終え、休息を取れば、出撃の時がもう目の前に迫っていた。
ふと、相棒の水色の瞳がキラリと輝いた気がする。
「さあ行こうぜ。次の戦場へ！」