第14週目 ゴーグルの少年の一週間
NEWS
本日のニュースですタワーへの侵攻は依然として苦戦を強いられています
遺跡巨人が目指す先も、このタワーと言われています
残像領域は雨雲が広がり、時折雷雨となって我々に襲い掛かります
遺跡巨人は、稲妻を受けて不気味に輝きます
「もはや、我々の希望は内部に侵攻したハイドラ大隊に託されています」
「月の光も見えぬ夜、雨音が響く世界で、人々は逃げることもできず――」
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「私は、喋るのも苦手だ。交流そのものが、苦手だ」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「だから、いつも一人だった。人と違う身体、人と違う顔、人と、同じようには会話に混ざれない」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「……上層部から発破がかかった。契約金を値上げしても、貢献度を維持せよと。その時は、MBMはセクション攻略から撤退すると」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「泣き落としするつもりはない……ただ、私とチャンネルを繋いでくれて、ありがとう。嬉しかったよ。それだけは、先に言いたかった」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「シルク、お前はどこから来た。何を知っている……」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「何をしようとしているんだ」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「そんな、まさか……じゃあ、じゃあ……」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「ドゥルガーは、全てを知っていて……」 |
◆作製
試製跳躍ウィルスB-0を作製した!!
◆戦闘システム決定
アサルト に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1に簡易操縦棺Aを装備した
脚部2に簡易軽二脚Aを装備した
スロット3に簡易エンジンBを装備した
スロット4に簡易エンジンBを装備した
スロット5に簡易エンジンBを装備した
スロット6に簡易領域瞬間霊送箱Aを装備した
スロット7に簡易領域瞬間霊送箱Aを装備した
スロット8に簡易領域瞬間霊送箱Aを装備した
スロット9に簡易重ブースターAを装備した
スロット10に簡易重ブースターAを装備した
スロット11に簡易電磁ブレードAを装備した
◆僚機設定
◆意思表示設定
意志設定……休暇
◆ミッション
ミッション設定……フリー
ユニオン活動
毛皮の無い灰狼の活動記録
ジル・スチュアートと多数のVLD……ドラゴネット社の洗脳を受け使役されていた生身の少年少女たち……を乗せたバスは、電磁鉄線通りを抜け市街の外、およそ居住地としては不適切な荒野へと到達していた。それは、ようやくジルが緊張を解き得ることを意味してもいた。
リー(ジルとそのパートナーについて知る者には既知の事実だが、彼女は私的にはロイドのことをこう呼ぶ)が言うには、最も注意深く避けねばならないことは誰かが足取りを追われること、そして事件との関与を”疑われる”ことだった。過去、自身を矢面に立て企業連に害意を示した彼の言葉をジルは疑わなかった。この地点まで見咎められることなく到達できればまず心配いらない、という言葉もそのまま受け取った。
運転はドロイドが代行しているから窮屈なシートに座り続ける必要も無い。軽く伸びをして凝りを解し、高くなっている運転席から身を下ろした。VLD(最早こう呼ぶのも不適切だろう)達が不安そうな目をちらちらと向けていた。皆一様に幼い。中には胎児のように小さく丸まり眠っている子も、その子に膝を与え頭を撫でている子もいた。彼らの不安も解してやる必要があるように思われた。その内の一人が立ち上がり、揺れる車内をジルの方へと歩いてきた。額に宝石のように煌く石が嵌められている。脱出に際し、子供たちを纏め上げ大いに貢献した少年だった。
「ごめんね。何の説明もなく連れ出しちゃって」
「いえ、気にしてはいません。おかげで逃げ遅れずに済みました」
歳の頃はジルとそう離れてはいない。ファティマより上かもしれない。利発さを伺わせる落ち着いた表情に快活な笑みを浮かべていた。
「ぼく達の状況を知って助けてくれた、そう考えてます。やり方はまあ乱暴でしたが」
返答に窮したジルが少年の苦笑から目を逸らした丁度その時、未だ走行中の車両のドアが二度ノックされた。少年の表情に緊張が走ったが、ジルは逆に安堵していた。端末にローカル無線からの着信が届いたからだった。思えばこのやり取りも5年ぶりだったろうか?それは少女にとっては郷愁を覚えるのに十分過ぎる時間であった。
†
乗り込んできた男は既に白髪頭でもバイザーゴーグルでもなく、灰色の長髪と穏やかさの欠片も無い剣呑な眼を露わにしていた。あれほどの破壊行為を行ってきたにも関わらず妙に身奇麗に見える。雨中を身のままで走ってきたためだった。
「遅くなった。目的は達した。ジュネリアには連絡を飛ばした、途中足を伸ばして脱出が完了しているのも確認した。
つまり、残っているのは事後処理だけだ。その点については今暫く努力する必要がある。」
手袋を放り投げ、意味もなくフードの下の顔を両手で擦りながらリーは淡々と口にした。切り替えようとしているんだ、ジルはそう解釈した。男が”他所向き”の態度を取った後、時折そのようにする様をジルは何度か目にしていた。水を滴らせているコートを運転席の脇に掛け、ようやく思い出したようにジルの方へと向き直った。
「とりあえず、君の仕事は一段落だ。お疲れさま、ジル。大いに助かったよ」
「ううん、リ……ロイドもお疲れさま」
そのまま奥の子供達を見やり、最後に少年へと視線を向けた。補助席を引き出し勧めた。
「君には大いに助けられたみたいだ。ありがとう。このまま話を聞いてもらっても?」
「構いません。それに、少なくともぼくはあなたに解放されたと知っています。邪魔をさせられた子を傷つけなかったのも」
「そういう仕事だっただけだ。それに、後から恨む事になるかもしれない。俺は君達のこれからを保証できかねる」
バスが緩やかに減速し始めていた。不意に窓に影が差し、次いで橙色の淡い明かりがぽつぽつと差し込んだ。雨音が止んでいた。
「どこです、ここ」
「君達の新しい仮住まいだ」
†
「……こんな大きな……家?持ってたの?」
「どちらかと言うと車かな?君も初めて見るんだったな。5年半前、ハイドラ大隊に来る時に使ったんだ」
嘗てリーが本拠としていた自走式移動基地《ツチノコ》は、過去の戦火で焼き尽くされた大農園の風景にすっかり溶け込んでいた。バスはドロイドの運転でその収容口に乗り込み緩やかに停止していた。子供達は殆ど眠ってしまっていた。少年が目配せすると、起きていた子達が軽く頷いた。信頼を勝ち得てるらしい。降車するリーにジルと少年が続いた。
降りた先には先客がいた。白い長髪が腰まで届く長身の女と、上から下まで黒尽くめの少年だった。少年の方はジルにも面識があった。
「男の方がカロス、女の方がカラと言う。困ったら言えと言われてたから頼らせてもらった」
「また会ったねおねえちゃん。いつもお買い上げありがとうね。」
無邪気と言うには些か能天気に過ぎる笑顔を浮かべたカロスに対し、カラの方は渋面と言っても通りそうな冷たい微笑であった。余り愛想良く返すのも憚られ、ジルはぎこちない苦笑を返した。
「私まで呼べとは言ってないけど?」
「そこの菓子屋に相談したらあんたを頼れと言われた。正直来なかったらどうしようかと思っていた」
「僕は戦うことしか知らないからね。最近ようやく売り買いが身についたくらいで。」
いい機会だからまた教えてあげるわ、暇だし、と冷たく笑うカラを手で指し示し、リーはジルと少年に顔を向けた。
「正直、君達の扱いは難しい。いくらか職能を身につけた者もいるようだが、いきなり放り出しては無責任が過ぎる。
そこで、当面の衣食住と、人生の先達を用意してみた。食うには困らないし、何か困れば面倒を見てくれる。
市街は遠いが、移動手段は用意してあるから不自由はない。勿論出ていくのも自由だ、送ってもらってもいいだろう」
「……こう言っては何ですが。話がうま過ぎます。あなた全然得しないじゃないですか」
経験故に手放しに喜べず、また他の子供達をここまで連れてきてしまった手前、少年は断りを入れつつも疑念を口にした。ジルにしても、リーが何処かで放り出すとは思わなかった(実際には、リーはファティマに”救いたい”と言われなければVLDは捨て置くか殺すつもりだった)が、ここまでやるとは考えもしなかった。
「そうでもない。前払いでもらってる。今後も継続して払ってもらうことになっている。
額面はともかく、そういう約束だ。その中でお互いの要望を最大限満たす手法がこれだっただけだ」
訝しむ少年に対しリーはにべもなかった。
「俺としては極力、当面の間君達に出ていかれたくない。どういった形で俺達の行動が漏れるかわからない。
だからある意味、これも君達を縛る牢獄のようなものだ。俺はそれをより納得しやすいように努力しているに過ぎない。
それに、実質丸投げである点も事実だ。無論俺に人の面倒を見る能力など無いから、彼等の方が随分ましだろうが」
ジルは苦笑を抑え切れなかった。リーはいつも自分のできる限り、身の丈いっぱいよりも背伸びして人の面倒を見る。よく明後日の方に突っ走っちゃうけど、少なくとも不自由はさせない。彼女には、男の言い様と実際の乖離は実に”彼らしい”ものに思われた。
「後はこまめに様子を見に来るくらいか。俺の並べられる飴はこれが限界だ。
そして納得してもらえなくてもここまで連れてきてしまった。前の方がよかったら精々恨んでくれ」
「ここまでやっておいてそういう言い方する人、初めて見ましたよ。せっかくだし、早速困りごとを聞いて下さい。
ぼく達の他に、外で働かされてた子がいるんですが、その子たちも呼んで構いませんか?ぼくなら呼べるんです」
「その子が納得するならば。必要なら俺が攫ってきてもいい」
そこまで聞いて、少年は破顔した。屈託の無い笑顔だった。リーは笑わなかった。
「それならば、ぼく達はあなたの用意してくれた仮住まいでありがたくのびのびとさせてもらいます」
「感謝されても困る。籠の中にいる限り君達はただ勝手に生かされているに過ぎない。
勿論その外もより大きな牢獄でない保証は無いが」
「ですが、そこに自由意志とわがままの余地があるのは大違いです。
ええ、だからぼく達は感謝したいんです。ありがとうございます。お世話になりますが、どうかよろしくお願いします」
リーは小さく頷いた。戸惑ってるんだな、ジルはそう感じた。
†
結局、残りの元VLDの子供達はカロスが連れてくることになった。額に石を持つ少年が遠隔通信のようなもの(そういった特殊能力があるらしい)で全員を脱走させ、人目につかないところに誘導してくれるため、いちいちどこの工事現場やら屋敷やらに乗り込まずに済む為だった。
ツチノコの操縦室を確保して、リーとジルは漸く人心地ついた。ジルはリーの勧めるまま背の高いシートに腰掛け、淹れたてのハーブティーをありがたくいただいた。
「少し休養が必要だと思う」
別にシートをこちらに向けて腰掛けたリーは、徐にそう口にした。
「俺達みたいな引篭りが態々遺跡を抜けている理由を用意しておきたい。疑いを向けられないように。
それに、他人を頼りまくったから少し疲れた。今俺は君と二人きりでゆっくり過ごしたい。猛烈にそうしたい」
驚きで一寸言葉を失っていた。リーがこれまで見せた中で最も率直な弱音だった。
少し間を置いて、ジルは満面の笑みを浮かべ応えた。彼がここまで甘えてくれたという事実がじわじわと胸に回っていた。
「リーとなら、どこへでも」
喜色に輝くジルに対し、リーは実に頼りない調子だった。自案に自信が無いのだった。
「ありがとう。だが、聞いてから決めて欲しい。もう少し南に温泉というのがあるらしいんだが。
どうだろう?」
リー(ジルとそのパートナーについて知る者には既知の事実だが、彼女は私的にはロイドのことをこう呼ぶ)が言うには、最も注意深く避けねばならないことは誰かが足取りを追われること、そして事件との関与を”疑われる”ことだった。過去、自身を矢面に立て企業連に害意を示した彼の言葉をジルは疑わなかった。この地点まで見咎められることなく到達できればまず心配いらない、という言葉もそのまま受け取った。
運転はドロイドが代行しているから窮屈なシートに座り続ける必要も無い。軽く伸びをして凝りを解し、高くなっている運転席から身を下ろした。VLD(最早こう呼ぶのも不適切だろう)達が不安そうな目をちらちらと向けていた。皆一様に幼い。中には胎児のように小さく丸まり眠っている子も、その子に膝を与え頭を撫でている子もいた。彼らの不安も解してやる必要があるように思われた。その内の一人が立ち上がり、揺れる車内をジルの方へと歩いてきた。額に宝石のように煌く石が嵌められている。脱出に際し、子供たちを纏め上げ大いに貢献した少年だった。
「ごめんね。何の説明もなく連れ出しちゃって」
「いえ、気にしてはいません。おかげで逃げ遅れずに済みました」
歳の頃はジルとそう離れてはいない。ファティマより上かもしれない。利発さを伺わせる落ち着いた表情に快活な笑みを浮かべていた。
「ぼく達の状況を知って助けてくれた、そう考えてます。やり方はまあ乱暴でしたが」
返答に窮したジルが少年の苦笑から目を逸らした丁度その時、未だ走行中の車両のドアが二度ノックされた。少年の表情に緊張が走ったが、ジルは逆に安堵していた。端末にローカル無線からの着信が届いたからだった。思えばこのやり取りも5年ぶりだったろうか?それは少女にとっては郷愁を覚えるのに十分過ぎる時間であった。
†
乗り込んできた男は既に白髪頭でもバイザーゴーグルでもなく、灰色の長髪と穏やかさの欠片も無い剣呑な眼を露わにしていた。あれほどの破壊行為を行ってきたにも関わらず妙に身奇麗に見える。雨中を身のままで走ってきたためだった。
「遅くなった。目的は達した。ジュネリアには連絡を飛ばした、途中足を伸ばして脱出が完了しているのも確認した。
つまり、残っているのは事後処理だけだ。その点については今暫く努力する必要がある。」
手袋を放り投げ、意味もなくフードの下の顔を両手で擦りながらリーは淡々と口にした。切り替えようとしているんだ、ジルはそう解釈した。男が”他所向き”の態度を取った後、時折そのようにする様をジルは何度か目にしていた。水を滴らせているコートを運転席の脇に掛け、ようやく思い出したようにジルの方へと向き直った。
「とりあえず、君の仕事は一段落だ。お疲れさま、ジル。大いに助かったよ」
「ううん、リ……ロイドもお疲れさま」
そのまま奥の子供達を見やり、最後に少年へと視線を向けた。補助席を引き出し勧めた。
「君には大いに助けられたみたいだ。ありがとう。このまま話を聞いてもらっても?」
「構いません。それに、少なくともぼくはあなたに解放されたと知っています。邪魔をさせられた子を傷つけなかったのも」
「そういう仕事だっただけだ。それに、後から恨む事になるかもしれない。俺は君達のこれからを保証できかねる」
バスが緩やかに減速し始めていた。不意に窓に影が差し、次いで橙色の淡い明かりがぽつぽつと差し込んだ。雨音が止んでいた。
「どこです、ここ」
「君達の新しい仮住まいだ」
†
「……こんな大きな……家?持ってたの?」
「どちらかと言うと車かな?君も初めて見るんだったな。5年半前、ハイドラ大隊に来る時に使ったんだ」
嘗てリーが本拠としていた自走式移動基地《ツチノコ》は、過去の戦火で焼き尽くされた大農園の風景にすっかり溶け込んでいた。バスはドロイドの運転でその収容口に乗り込み緩やかに停止していた。子供達は殆ど眠ってしまっていた。少年が目配せすると、起きていた子達が軽く頷いた。信頼を勝ち得てるらしい。降車するリーにジルと少年が続いた。
降りた先には先客がいた。白い長髪が腰まで届く長身の女と、上から下まで黒尽くめの少年だった。少年の方はジルにも面識があった。
「男の方がカロス、女の方がカラと言う。困ったら言えと言われてたから頼らせてもらった」
「また会ったねおねえちゃん。いつもお買い上げありがとうね。」
無邪気と言うには些か能天気に過ぎる笑顔を浮かべたカロスに対し、カラの方は渋面と言っても通りそうな冷たい微笑であった。余り愛想良く返すのも憚られ、ジルはぎこちない苦笑を返した。
「私まで呼べとは言ってないけど?」
「そこの菓子屋に相談したらあんたを頼れと言われた。正直来なかったらどうしようかと思っていた」
「僕は戦うことしか知らないからね。最近ようやく売り買いが身についたくらいで。」
いい機会だからまた教えてあげるわ、暇だし、と冷たく笑うカラを手で指し示し、リーはジルと少年に顔を向けた。
「正直、君達の扱いは難しい。いくらか職能を身につけた者もいるようだが、いきなり放り出しては無責任が過ぎる。
そこで、当面の衣食住と、人生の先達を用意してみた。食うには困らないし、何か困れば面倒を見てくれる。
市街は遠いが、移動手段は用意してあるから不自由はない。勿論出ていくのも自由だ、送ってもらってもいいだろう」
「……こう言っては何ですが。話がうま過ぎます。あなた全然得しないじゃないですか」
経験故に手放しに喜べず、また他の子供達をここまで連れてきてしまった手前、少年は断りを入れつつも疑念を口にした。ジルにしても、リーが何処かで放り出すとは思わなかった(実際には、リーはファティマに”救いたい”と言われなければVLDは捨て置くか殺すつもりだった)が、ここまでやるとは考えもしなかった。
「そうでもない。前払いでもらってる。今後も継続して払ってもらうことになっている。
額面はともかく、そういう約束だ。その中でお互いの要望を最大限満たす手法がこれだっただけだ」
訝しむ少年に対しリーはにべもなかった。
「俺としては極力、当面の間君達に出ていかれたくない。どういった形で俺達の行動が漏れるかわからない。
だからある意味、これも君達を縛る牢獄のようなものだ。俺はそれをより納得しやすいように努力しているに過ぎない。
それに、実質丸投げである点も事実だ。無論俺に人の面倒を見る能力など無いから、彼等の方が随分ましだろうが」
ジルは苦笑を抑え切れなかった。リーはいつも自分のできる限り、身の丈いっぱいよりも背伸びして人の面倒を見る。よく明後日の方に突っ走っちゃうけど、少なくとも不自由はさせない。彼女には、男の言い様と実際の乖離は実に”彼らしい”ものに思われた。
「後はこまめに様子を見に来るくらいか。俺の並べられる飴はこれが限界だ。
そして納得してもらえなくてもここまで連れてきてしまった。前の方がよかったら精々恨んでくれ」
「ここまでやっておいてそういう言い方する人、初めて見ましたよ。せっかくだし、早速困りごとを聞いて下さい。
ぼく達の他に、外で働かされてた子がいるんですが、その子たちも呼んで構いませんか?ぼくなら呼べるんです」
「その子が納得するならば。必要なら俺が攫ってきてもいい」
そこまで聞いて、少年は破顔した。屈託の無い笑顔だった。リーは笑わなかった。
「それならば、ぼく達はあなたの用意してくれた仮住まいでありがたくのびのびとさせてもらいます」
「感謝されても困る。籠の中にいる限り君達はただ勝手に生かされているに過ぎない。
勿論その外もより大きな牢獄でない保証は無いが」
「ですが、そこに自由意志とわがままの余地があるのは大違いです。
ええ、だからぼく達は感謝したいんです。ありがとうございます。お世話になりますが、どうかよろしくお願いします」
リーは小さく頷いた。戸惑ってるんだな、ジルはそう感じた。
†
結局、残りの元VLDの子供達はカロスが連れてくることになった。額に石を持つ少年が遠隔通信のようなもの(そういった特殊能力があるらしい)で全員を脱走させ、人目につかないところに誘導してくれるため、いちいちどこの工事現場やら屋敷やらに乗り込まずに済む為だった。
ツチノコの操縦室を確保して、リーとジルは漸く人心地ついた。ジルはリーの勧めるまま背の高いシートに腰掛け、淹れたてのハーブティーをありがたくいただいた。
「少し休養が必要だと思う」
別にシートをこちらに向けて腰掛けたリーは、徐にそう口にした。
「俺達みたいな引篭りが態々遺跡を抜けている理由を用意しておきたい。疑いを向けられないように。
それに、他人を頼りまくったから少し疲れた。今俺は君と二人きりでゆっくり過ごしたい。猛烈にそうしたい」
驚きで一寸言葉を失っていた。リーがこれまで見せた中で最も率直な弱音だった。
少し間を置いて、ジルは満面の笑みを浮かべ応えた。彼がここまで甘えてくれたという事実がじわじわと胸に回っていた。
「リーとなら、どこへでも」
喜色に輝くジルに対し、リーは実に頼りない調子だった。自案に自信が無いのだった。
「ありがとう。だが、聞いてから決めて欲しい。もう少し南に温泉というのがあるらしいんだが。
どうだろう?」
ユニオン設備……なし!!
ユニオン連帯
……なし!!
ユニオン金庫……16298c
利子配当…………1629c
適性の訓練をしました
適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘においてAPを10%強化した
ジル・スチュアート 「[献金しました] 」 |
メッセージ
◆戦闘結果
戦闘報酬
明日の戦場
第15ブロック
セクション・5[ハッキング]
セクション・5。光放つ電子回路の壁。光子の流れゆく先には、扉――
来週の霧濃度:84%
来週の電磁波:113%
来週の警戒値:585%
生体電池『下村瘡子E』 |
文庫りぶら |
棺桶は歌う |
人生のハンドルを切りすぎた女 |
シータ・キンデン |
ステラ=アレグレット |
失楽の『メシア』 |
エンセイル・フェノメノン |
ODE-30 |
闇 |
テレフォン・R・ラパーニクルス |
ゴーグルの少年 |
ランブリーネ |
クラウス・ファン・レーヴェン |
ハルティ・カーデルマン |
Rache |
Y・橘・リィンドッグ |
デューク・カミカゼ |
ダース・レヴァン |
ラムバー |
--- | --- | --- | --- | --- |
--- | --- | - vs - | --- | --- |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫[デバステイター] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
『電波塔』[霊障] |
『クーゲルパンツァー』[霊障] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
『クーゲルパンツァー』[霊障] |
『電波塔』[霊障] |
『電波塔』[霊障] |
未確認機『エウリプテリダ』[粒子] |
『電波塔』[霊障] |
未確認機『エウリプテリダ』[粒子] |
『電波塔』[霊障] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
未確認機『エウリプテリダ』[粒子] |
『電波塔』[霊障] |
『クーゲルパンツァー』[霊障] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
『電波塔』[霊障] |
『クーゲルパンツァー』[霊障] |
『クーゲルパンツァー』[霊障] |
『クーゲルパンツァー』[霊障] |
『クーゲルパンツァー』[霊障] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
『クーゲルパンツァー』[霊障] |
未確認機『エウリプテリダ』[粒子] |
『クーゲルパンツァー』[霊障] |
未確認機『エウリプテリダ』[粒子] |
未確認機『エウリプテリダ』[粒子] |
『電磁鉄線』[電子] |
『電磁鉄線』[電子] |
『電磁鉄線』[電子] |
キャラデータ
名前
ゴーグルの少年
愛称
ゴーグルの少年
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロフィール
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
__0__1__2__3__4__5__6__7 __8__9_10_11_12_13_14_15 _16_17_18_19_20_21_22_23 |
機体データ |
|
|
1 | 操縦棺A | 簡易操縦棺A [20/臂力/---]《装備:1》 | ▼詳細 |
---|---|---|---|
2 | 軽二脚A | 簡易軽二脚A [20/臂力/---]《装備:2》 機動[686] 跳躍[175] AP[438] 旋回速度[659] 防御属性[物理] 防御値[360] 貯水量[87] 積載量[1900] 消費EN[270] 金額[360] 重量[700] [二脚] *作者* |
▼詳細 |
3 | エンジンB | 簡易エンジンB [20/臂力/---]《装備:3》 | ▼詳細 |
4 | エンジンB | 簡易エンジンB [20/臂力/---]《装備:4》 | ▼詳細 |
5 | エンジンB | 簡易エンジンB [20/臂力/---]《装備:5》 | ▼詳細 |
6 | 領域瞬間霊送箱A | 簡易領域瞬間霊送箱A [20/臂力/---]《装備:6》 | ▼詳細 |
7 | 領域瞬間霊送箱A | 簡易領域瞬間霊送箱A [20/臂力/---]《装備:7》 | ▼詳細 |
8 | 領域瞬間霊送箱A | 簡易領域瞬間霊送箱A [20/臂力/---]《装備:8》 | ▼詳細 |
9 | 重ブースターA | 簡易重ブースターA [20/臂力/---]《装備:9》 | ▼詳細 |
10 | 重ブースターA | 簡易重ブースターA [20/臂力/---]《装備:10》 | ▼詳細 |
11 | 電磁ブレードA | 簡易電磁ブレードA [20/臂力/---]《装備:11》 火力[2091] 連撃数[1] 防御属性[物理] 防御値[684] 精度[70] 貯水量[219] 弾数[9999] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[1080] 金額[360] 重量[200] [電子格闘] *作者* |
▼詳細 |
12 | パンツァークリンゲA | 『追想の影打ち』 [20/臂力/---] 火力[1634] 連撃数[1] 防御属性[粒子] 防御値[810] 貯水量[333] 弾数[8] 武器属性[衝撃] 異常追加[46] 消費EN[18] 金額[360] 弾薬費[20] 重量[170] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
13 | パンツァークリンゲA | パンツァークリンゲA設計書 [20/貯水/---] 特殊B[80] 貯水量[24] [設計書] |
▼詳細 |
14 | 素材 | 粒子吸着材20 [20/耐粒/---] [素材] |
▼詳細 |
15 | 素材 | 姿勢制御装置20 [20/飛行/---] [素材] |
▼詳細 |
16 | 素材 | ブラックボックス20 [20/誘発/---] [素材] |
▼詳細 |
17 | 放電コイルB | 試製耐物放電コイルB-0 [20/耐物/耐霊] 火力[1371] 発射数[1] 防御属性[霊障] 防御値[460] 精度[17] 貯水量[438] 弾数[8] 武器属性[対地] 異常追加[12] 消費EN[630] 金額[360] 重量[800] [電子射撃] *作者* |
▼詳細 |
18 | ヒートストリングA | 試製機動ヒートストリングA-0 [21/機動/機動] 火力[399] 連撃数[4] 防御属性[火炎] 防御値[767] 精度[195] 貯水量[44] 弾数[20] 武器属性[速射] 異常追加[40] 消費EN[9] 金額[366] 弾薬費[5] 重量[160] [火炎格闘] *作者* |
▼詳細 |
19 | 速射パルス砲A | 試製耐電速射パルス砲A-0 [22/耐電/飛行] 火力[135] 発射数[10] 防御属性[電子] 防御値[256] 精度[135] 貯水量[135] 弾数[40] 武器属性[速射] 異常追加[25] 消費EN[16] 金額[371] 重量[200] [粒子射撃] *作者* |
▼詳細 |
20 | 高速増殖培養槽A | 試製精度高速増殖培養槽A-0 [23/精度/保証] | ▼詳細 |
21 | 素材 | 神秘合金25 [25/高圧軽量/---] [素材] |
▼詳細 |
22 | 素材 | 特殊合金25 [25/重装甲/---] [素材] |
▼詳細 |
23 | 素材 | 反動吸収機構26 [26/変形/---] [素材] |
▼詳細 |
24 | 素材 | 姿勢制御装置26 [26/飛行/---] [素材] |
▼詳細 |
25 | 素材 | 反応スプリング27 [27/跳躍/---] [素材] |
▼詳細 |
26 | 素材 | 姿勢制御装置27 [27/飛行/---] [素材] |
▼詳細 |
27 | FCSC | 試製精度FCSC-0 [27/精度/耐物] | ▼詳細 |
28 | 領域瞬間霊送箱A | 試製AP回復領域瞬間霊送箱A-0 [28/AP回復/耐霊] | ▼詳細 |
29 | 素材 | 反応スプリング30 [30/跳躍/---] [素材] |
▼詳細 |
30 | パンツァークリンゲA | 『偽影』 [29/重霊障/耐火] 火力[1892] 連撃数[1] 防御属性[火炎] 防御値[977] 貯水量[383] 弾数[8] 武器属性[衝撃] 異常追加[46] 消費EN[20] 金額[414] 弾薬費[20] 重量[228] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |