メッセージ
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ENo.152からのメッセージ>>
インセイリー「忠告で言えばこれも忠告だな。知らない男の…特に怪しそうな奴のところに一人で来ちゃいけないぜ。膾に刻まれていろんなものに使われちまったりしないか…君は素体が良さそうだから尚更心配だよ。」
どこか自嘲気味な笑みが、能面のような真顔になる。シャッターが装甲が擦れ合うような音を立てながら降りていく。インセイリー「申し訳ないが、俺はあのトラップドアと、それを管理するアルファ・ラルファについて密な接点があるわけじゃない。これから話すことは、言ってしまえば憶測に過ぎないことを断っておく…が、齧った知識と知り得た情報に基づいた推測だ。君が既に知り得た情報も含まれるかもしれないが…我が身を省みず足を運んでくれた君に、何か少しでもきっかけになるよう話そう。」インセイリー「残像領域登録初日、ライダー：スピールティア・オー。ハイドラ：トラップドア。
翌日の作戦時、大破、沈黙。残骸は回収されたが、ライダーは帰投せず。その翌日登録されたのがマーニョ・ヘレン。」
インセイリー「…二日目の記録を洗ってみた。当座の支援のために残像領域から宛がわれた僚機が生存していたんで、そちらの記録が生きていた。補給線防衛部隊に蜂の巣にされたトラップドアの棺状の部位から、オイルやなんかでは説明のつかない量の不気味な液体が流れ出ていたが、少なくともライダーの姿は無かった。その後、スピールティアの登録についてはMIA扱い。遺体が上がらなかったんだな…不自然なことに。」
インセイリー「…その手の研究に手を染めていると、真っ先に思いつくのが人体とハイドラの融合…電気的どころではなく、細胞レベルでのマンマシンインターフェイス…手っ取り早く言うと、ライダーを溶かすなり何なりしてハイドラを動かすパーツにしてしまおうってコンセプトを想像するな。使い方は色々だけど、人間の吐き出す情報を元にして、ライダーの意思や周囲に漂う思念に反応するバイオ兵器を作ったり…なんてのはいかにもイカれた研究者が好みそうだ。その培養装置を戦場で走らすのはもっとイカれてるが…」インセイリー「一応の説明はつく。溶かした人体を再構築する技術があったとして、流れ出して焼け焦げたり地面の染みになっちまえば元通りには戻せるわけがない…から、遺体が上がるわけがない。あのスピールティアの人体離れした風貌…いかにも霊障の影響を想像させる不可思議さ…も、再構築時にそうなってしまうのかもしれない。」インセイリー「…カタログの意味深なコメントも含めて考えるに、そういうものだと俺は考えている。つまり、トラップドアはライダーを溶かす。
加えて、ライダーの溶けた液体が棺を失い流出した場合、ライダーは再構築できなくなる。」
インセイリー「…もう少し加えると。
俺が最も恐れているのは、スピールティア・オーの後任にマーニョ・ヘレン…まあ、接触した君が一番良く感じているだろうけれど、トラップドアみたいな物と縁が無さそうな、奇麗なのが来てしまった。
恐らく、ある程度の条件をパスすれば…もしかしたらそれすらないかもしれないが…溶けるのは誰でもいいんだ。それでトラップドアは動く。恐らく、君も例外ではない。だからその身を案じていたが…引き返すようなタイプじゃないよな。」
インセイリー「嫌な推論を続けると。人体を一度溶かして再構築なんてやってたら、多かれ少なかれ元のものとは齟齬、ないし劣化が生じてくる。あるいは、それらは品種改良の一種みたいなものかもしれない。トラップドアが使うために、使いやすい肉体や精神に変えていってしまう…そういうことができれば、特に取り回しに便利だろうな。仮に俺が開発者なら、そういう機構を組み込む。いよいよ人体は取替えの聞くパーツの一つだ。
乗り始めてもう数日、そういう変調が起きてるなら余程顕著になっているだろう。」
インセイリー「その最終型…あるいは過程に過ぎないかもしれないが…が、スピールティア・オーのような存在だったんじゃないだろうか。…逆に考えれば、そもそもが彼のようなものを作るためのトラップドアなのかもしれないが。」
インセイリー「もう少しだけ、突拍子もない話をしよう。トラップドアの構成パーツ…培養装置は、カタログの文句を信じるならトラップドアに溶かされた人間の精神や霊魂を元にしている。逆に、そこに今まで溶かされてきた…スピールティア・オーであれ、マーニョ・ヘレンであれ、それ以前の者であれ…の精神と霊魂…いわば遺志のようなものを備えているんじゃないだろうか。そしてそれは、再構築される人体にも何らかの形で作用しているかもしれない。もっと言えば、再構築された人間はこれまでのライダーが遺したいと思っている意志や記憶を僅かなりとも受け継いでいるかもしれない。」
インセイリー「…君がもし彼らと踏み込んで関わりたいのなら、周りの環境ではなくそここそが狙い目かもしれない。トラップドアでもなく、アルファ・ラルファでもなく、彼ら自身の遺したいことがそこにはあるだろう。…いや済まない、本当に突拍子もない推論なうえに、野暮ったいな…」ENo.183からのメッセージ>>
「……」 首がしなる、奇妙なやわらかさで。傾く、曲がる。
「……いやみを、いいたかったわけじゃない。ただ――意外だっただけさ。
あんたは”しごと”でここにいるんだろう。
《アデライド・フォーレ》」
髪が揺れる、染めたとも思われない風合い、奇妙な色合いのグラデーション。
「それなら、それこそ。こんなところへこなきゃいい。
ガレージになんて。
……あんまりちかづくと、噛みつかれる」
「《トラップドア》にさ」
「拒否したつもりもぼくにはない。それほどつよいなにかを、あんたに対してしたつもりは。
なあ……あんたは、仕事でいのちをかけるのかい。
たかがクレジット、されどクレジット――」
眩しげに瞬きをする、目をこする。
異様に白い指が蛇のようにくねる。
眠たげにも見える表情、ため息、胸の輪郭がわずか上下する。
「でもぼくはそれじゃ、ちょっとわりにあわないとおもうよ。
いきてなきゃ、おかねはつかえない」
「そう思いませんか」
頬が引き攣るように震える。
「ねえ、”あでらいど・ふぉーれ”さん……」
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オペレーター「市街地を襲撃します。避難？ 何のことでしょう。簡単ですね？ 御武運を」
アデライド「《トラップドア》、出るわよ。」
『バイオ兵器』「ぼくらもみんないきているー」
機動破壊兵器『ダウンバースト』「これが改良型だ！」
『火焔浮遊機雷』「ゴォォォォ」
《トラップドア》
【22059/22059】
ジュリ恵「なんかおねーさんたち雰囲気あるね。
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