ENo.0335　サジェン

「さて、既に契約のときに担当の者から必要な説明はされているはずですが、ちゃんと理解していただけましたか？」

プラネ・リータと名乗った彼女が、今日から俺とハイドラのサポートをしてくれるらしい。

事故で足を失い、手もまともに動かなくなった俺を拾ってくれたのが、彼女の所属する組織だった。

「ああ。
要は俺みたいな素人や負傷兵でも動かせるように開発中の機体があって、それを動かしてデータを集めてくる。
そういうことでいいんだよな。」

「その通りです。
AIが貴方の動きをサポートしてくれます……ああ、もちろんAI任せではいけませんよ？
貴方が指示を出さなければ、AIも働いてはくれませんから。」

「わかってるわかってる。働きますよ。
成果次第で報酬に上乗せもあるんだろう？」

「そうらしいですね。
お金のことは私の仕事の範疇外なので、よくわかりませんが。」

適当だな。まあ金については書面にしてあるから大丈夫だとは思うが……。

金。
それが、俺が戦う理由。
何につけても金は必要だ。
自分が飯を食うためにも、安物の義足を維持するためにも。

それから、妹にもっと良い教育を受けさせるためにも。