ENo.0383　クレイン・ヤギシマ

霧濃度178%。電磁波濃度49％。予報通り。
視界非常に悪し。ラジオ音飛び激しい。
昨夜『贈与論』360ページまで読了。

6時のニュース。
リソスフェア要塞の交戦続く。
ハイドラ大隊参戦近し。
まだ他人事。

朝食はトースト二斤。目玉焼き四つ。カボチャのポタージュ。ソーセージ七本。ベーコン八枚。野菜のグリル。パプリカ三個。豆腐一丁。ブリのカルパッチョ。リンゴ三個。アイスクリーム（ストロベリー）。アイスクリーム（ダークチョコレート）。


電磁波に合わせ発火具合を調整。
ウォーハイドラは燃える。
焼け死ぬのは好まない。

受信メール一通。霧笛の塔のノラより。
企業連盟に千年の歴史？
霧笛の塔がそれより古い？
数え始めをどこに置くか。

手紙なし。

ブラックボックスと装甲板届く。
粒子ブレード、速射砲、古い脚部、自動修復装置を廃棄する。

タバコ残り五箱。

11時に集合すること。

ミッション：性能評価試験。
目標：殲滅。
20人参加予定。

生き延びること。
通信を通すこと。
クリアであること。

「ヤギシマだ。
　少し話を聞いてくれ。

　ユニオンを設立した。
　索敵と通信を仕事にするライダーのユニオンだ。
　名前は『セントエルモ』。
　航海の守護聖人。
　ユニオン活動は『制御』を常に訓練する。
　ユニオン購入は『AP+10%』だ。

　有利不利を求めるユニオンというよりも、
　俺たちは『索敵をする』ハイドラライダーなんだ、
　という意思表示みたいなものを目指したい。

　同じ戦場に配備された時、
　セントエルモの連中がいるな、あいつらが索敵してくれる、
　と、まあそう思ってもらえたらうれしい。

　参加者の戦闘システムは『アシスト』『ステルス』を推奨する。
　索敵範囲の目安は、とりあえず霧濃度の10倍。
　濃度100%なら1000。150%なら1500を目指したい。
　まあ個人判断でやってくれてもいい。

　一応俺が音頭を取ってるが、
　もし俺が戦場で死んだらユニオンがどうなるのかは、別に決めてない。
　残った連中で適当に決めてくれ。

　そういうくらいのつながりだな。

　気になるやつがいたら『メッセージ』で声をかけて、
　俺の返事を待ってくれ。

　聞いてくれてありがとな。

　以上だ」