ENo.0469　ムウ＝ウスイ

第二週。

うまくやれたとは言いがたい初陣が終わった。
とはいえマシンの試運転、試射という意味では十分意義のあった戦いだとは思う……懐も若干暖かくなったことだし。
とはいえこの巨体で潜んでいるというのはどうにも窮屈だ。次からはある程度前線で敵の弾を受け止める役目を果たしに行くのもいいだろう。
その程度の硬さがあることもわかったことだし。

今週の余談。
なんとなくわかっていたことだけれど、この世界にもいわゆる超常の力というのがあるらしい。正確にはこの世界特有の。
戦場で異空間からハイドラを呼び出したりしていた人もいたが、ああいうのはまた別世界からの技術(能力？)なのだろう、整備員たちも驚いていたけど、そういう特異なのではなく。
霊障、と呼ばれるそれは、なんだかこの霧と電波に紛れて起こるらしい。
霊障を操るための訓練もあるそうで、私は片手間にそれもこなすことにした。
おそらくだけど、きっと、私にはその才能が――ある。これは確信だ。私はそういうものだから。

定住する地もなく。
判断を仰ぐべき上官もおらず。

ただ生き延びるためだけのそれは土地だった。